平成11年12月14日
滞  納
  今年も、日本丸の不況からの脱出はなりませんでした。先日の政府の発表に『消費税の滞納が8000億円を超す』とのことでしたが、不況の最中に消費税率を上げたのが混迷に拍車をかけたようです。
  本来、消費税は『企業が、お客さまからお預かりしているお金』を政府に納入するのですから、それを収めないと言うことは『ネコババ』の状態ですが、建て前はともかく、苦しい資金繰りに流用が実態です。
  中小企業の不振は尋常でなく、滞納は消費税だけではありません。法人税も同様ですが、利益がでないのですから、法人税は均等割を支払うだけの会社が多いのですが、それさえも滞納する状況です。
  次に所得税、所得税は、社員から預かっているお金を翌月の10日までに納付するのが決まりですが、これも運転資金に流用している企業が多いのが現状で、年金、国保、区民税などと滞納の種類は多いのです。
労災保険
  クリーニングの仕事は、冬物がたくさん集まる春の衣替えがピークになります。ですから、クリーニングの工場は春の繁忙期になると、毎日のように『チョウ多忙!』となり残業の日が多くなります。
  ドライクリーニングの機械で洗った品物は、ハンガーに掛けベルトコンベアーで仕上機の方に送られますが、冬物は、オーバーやコートなどの重たい品物が多くなる季節でハンガーに掛ける作業が辛くなります。
  毎日ハンガー掛けを続けると、腕から肩が痛くなって、6月の始めにパートさんが病院通いをはじめました。で、「仕事で痛くなったのだから、労災の保険が適用できるので申請しましょう」となった次第です。 
  それで、社労士さんに事情を説明し、労働基準監督所に手続きをお願いしたのです。それから一月ほどして、監督所から『14種類の書類を提出せよ!』と命令がありました。あまりに面倒な書類に私が、社労士さんに『手におえない!』と伝えると、『私のほうでもご協力します』と手伝っていただきました。
  そして、10月を過ぎて11月に入っても、たった3万円程の休業補償のお金が振り込まれてきません。呆れた私が、社労士さんに「まだでしょうか!?」と聞くと、「問い合わせてみます」と言われました。
  11月22日に、痛くなった原因について監督所の現場調査があったのです。作業の工程や作業中の姿勢、繁忙期の状況などの細かい質問が2時間半にも及ぶ面倒な現場の聞き取り調査でした。
  しかも、パートさんに「貴方は、若いころにスポーツで身体を痛めていないか?」の質問までして、半年も経って、何の疑問があっての調査なのかと呆れるじゃ〜ありませんか。 
  以前、友人から、『全国の企業は、労働保険のお金を社員から預かっていても、それを納付せず、運転資金に使ってしまう会社が多いために、監督所は労災に支払うお金が乏しくて、やむを得ずチェックを厳しくして支払いの期日を延ばしているのだ』と聞いた事があります。
  おまけに「暇に悩む会社が、従業員に『痛いと言って会社を休め!。そうすれば、休業補償が出せるから!』と指示している所もある」ほどの状況とか、ここにも、不況の影響は大きく表れています。
  続いて友人は「仕事が無く、保険金欲しさに機械に指をはさんで切り落とす人も居るそうだから・・」と切ない話になっていきました。「噂によると『労災は手続きが面倒だから!』と監督所が企業に諦めさせる作戦もあるらしい」との事でしたが、庶民だけでなく、国の懐もかなり寂しいようで何とも困った問題です。
 12月8日、またも担当者から『別な書類を提出せよ!』と連絡です。年末に加え、御岳ショップの店舗改装中の超多忙な時でしたから『お役所と違って、こちらは忙しい!。保険金額は、貴方の給料の一日分だろう。何が不満なんだっ』と温厚な私としては珍しく、大声を出してしまった。・・ま、少し反省。
  赤字国債の発行額は、1世帯当り700万円を超し、地方自治体の分も加えると気の遠くなるような大借金国なのに、アメリカに脅されると外国には愛想良く振りまくのは困る。小渕さん、秘書が考えた下手な駄洒落でふざけてないで、頑張って下さいよッ!。・・頼りにしてはいないけど。
滞 納 が
 不景気を益す
    悪 循 環  


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