平成11年10月5日
百円ショップ
  凄い勢いですねぇ。『百円ショップ!』。商店街に空き店がでれば、その半分は彼らの店になるように思うほど大ブームの元気な商売。今回のテーマは、ここ数年間大人気の百円ショップです。
  何処の商店街でも見かける百円ショップですが、中でも武蔵小山商店街には、沢山の百円ショップが営業していて、百円ショップの買い物マニアが物色している店内はどの店もそれなりに繁盛しているようです。
  商店街の百円ショップに入ってみると、食器類、文具、お菓子やカップラーメンなどの食品、園芸品、雑貨などがところ狭しと並べられて、つい、不用の物まで買ってしまう。この『衝動買い』がお店側の狙いです。
  『たかが百円!』と思いますが、一人当たりの平均購入価格が800円を超すとなれば、商売としては、『されど百円!!』となるわけで、今暫くの間、百円ショップは流行ることでしょう。
  人件費などがチョー安く、生産コストの低い東南アジアや中国などで大量生産して、全国の店舗で売さばく商法は、『少しでも安い物を買いたいッ!』と願う消費者のニーズを満たしているようです。
  商店街の百円ショップは、10坪から20坪程度の広さで、内装工事にはお金を掛けず、色鮮やかな商品を陳列して飾り立てる事と、派手なポップの効果でお客を引き寄せていますが、何といっても薄利多売な上に『万引き』の被害も多いようですから簡単に利益が出るとは思えないのですが。
大 型 店
  中原街道の五反田から2`ほどの所にある武蔵小山の少し先の荏原警察署のそばに、大きな百円ショップが開店しました。地方都市では珍しくない大型店でしょうが、物件の高い東京ではあまり見かけません。
  『洋服の青山』が、百円ショップで有名な『ダイソー』と提携して店を大改装し、青山時代と同じ大きさの目立つ看板に『100YEN PLAZA』と書き『アオヤマ』は小さく書いてスタートしたのです。
  1階は30台も入る駐車場で、今まで洋服を売っていた2階と3階が店舗になっていますが、売り場面積が400坪近い大型店。入口の階段にも『どれでも ぜ〜んぶ100YEN』と書いてあります。
  店に入ると、広い店内にびっしりと並べられた商品は、通常の百円ショップの20店舗分の広さですから、店員さえ「何種類有るのか見当がつきません」というほど見事な品揃えです。
  生活必需品を主としながらも、お面や凧などの遊び道具から、どんぶり、大皿などの食器類、トンカチにノコギリまでも揃ったうえに、ネクタイまでも百円ですからクリーニング料金よりかなり安い。
  飛ぶ鳥落とす勢いだった洋服の青山といえども、長期の不況に打つ手なく新路線に大変身をしたのでしょうが、それにしても凄い変わり身ですねぇ。今のところ、土曜・日曜などは、駐車場の空きを待つ車が列を成すほどの繁盛ぶりですから、取り敢えず胸を撫で下ろしている事でしょう。
  青山の百円ショップの大型店は、旗の台の外に、上野毛、渋谷、吉祥寺などに10店舗ほどで展開しているそうですが、百円ショップは『デパートの催事場』でも大人気。大井町の『旧ヨーカ堂の3階』。『TOCの地下(99円ショップ)』などと大型店が続々とオープンしています。
  商店街の小さな百円ショップに厭きたマニアは、品揃えの豊富な大型店に流れます。煽りを食った商店街の小型店は大型店の豊富な品揃えに勝てるはずもなく『存続の危機!』になるのでしょうか。
  大型店に移ったお客さんは、豊富な商品の買い物を楽しんでおられるのでしょうが、衝動買いを繰返すその人達の家の中は、安っぽいプラスチックの小物がガラクタの山を築いていることでしょう。ま、何と申しますか、消費拡大の一つとは申せ『安物買いの何とやら・・』。『平和ボケの典型!』のような気もするのです。
  『シャツター通りになるよりは』と、空き店で悩む商店街の活性化の為に百円ショップを歓迎しているのですが、百円ショップの商品には、商店街で営業している様々な業種の方々と同様の品物が多いのは事実であり、その分の販売に影響するのを我慢しなければならないのが商店街の辛く厳しい現実です。 
変 身 と
 安さにビックリ
 『あッ、おゃまぁ!』  


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