平成  年 月  日
傍目八目(おかめはちもく・岡目 とも書く)
『傍』は人のそば、かたわらの意味を表します。人偏(ニンベン)『イ』は、人のことを表しますし『旁』には舟の意味がありますので、一説では『傍』は船頭のこともいうそうです。
  傍目とは、第三者の立場で見ること。傍目八目とは、(人の碁を脇で見ていると、打っている人より八目も先まで手が読めるということ)第三者は当事者よりも情勢が客観的によく判断できると言うことです。
お 隣
  地味な商店街にある店先で、そのお店の暇そうなご主人とお話をしたときのことです。
  「人の悪くちゃぁ言いたかぁねぇが、隣のおやじゃ〜だらしがねぇ!。朝なんざぁ、店を開ける時間はメチャクチャで、何時でも近所をうろついて店先には居ないし、掃除なんざぁしたこともねぇ!!。無精の上に不愛想だから、店を開けてもお客はろくに入らねぇ!」と厳しくおっしゃった。
  そう言えば、以前、他の店でも「隣の奥さんはズルイッ!。店先を掃除したことが無く、隣のゴミが全部私の方に飛んでくる!」と怒っていたのを思い出します。
  人間誰でもそうですが、よその店の弱点は実に良く分析できるもので、欠点を探してもらうと、下手なコンサルタントなど足元にも及ばない程厳しい指摘が出来る人が多いものです。
  そこで私が「素晴らしいご意見だから、お隣さんに教えて差し上げれば良いのに!」と言うと「あんたぁそう言うが、隣となげぇつき合いするにゃぁ、それを言っちゃぁおしめぇよッ」となる。
  もっとも、言ってる本人の店だって「そういっちゃぁ何だが、お宅の店だって、自転車や掃除道具を店先にほったらかして、人のことを言える立場か・・!」の状況ですから、お互いに弱点は沢山あるものです。
  人間、自分の事になると「今日、店を遅く開けたのは、天気が雨模様だから・・」とか「掃除だって来週あたりにはやるつもり」とか「明日は髭も剃る!」と言い分けだけは達者です。
切磋琢磨
  本部の管理・指導体制がキッチリしているコンビニでは、陳列から在庫管理、接客・清掃まで総てのことがマニアル化されており、実行しないと本部から厳しく指摘されます。
  その点、商店主は一国一城の主ですから、どこの誰からも命令されることがなく、マニアルは自分の気分で変えているのですから、完璧で万全なようですがここが難問で地獄の入口です。
  自分がずぼらに管理するマニアルの場合、必ず、楽な方になるのは世の常で、毎朝掃除の予定が一日おきになり、三日に一度になって月に一度になったりするものです。
  店の掃除も、最初は角ずみまで奇麗にしていたのに、何時の間にか角を抜かして丸く履くようになり、その内に『大きなゴミだけ拾って終わり』となって行きます。
  掃除がおろそかになるときには、商品の管理も平行してずさんになるもので、何時仕入れたか自分でも分らない様な品物が店の3分の2を占めるようになってまいります。
  そうなっても、ご城主様ですから誰も注意は致しません。現状の商店街は、この様なお店が沢山見受けられます。それでいて蔭では隣近所の悪口を山ほども言っているのです。
  隣に注意をしないのが商業道徳と思われてきましたが、これで本当に良いのでしょうか?。互いの努力の欠落が商店街を駄目にしているのですから、今、商人は自らを反省し、ご近所の皆様と言葉を選びながら励ましあい指摘しあって、お互いの弱点を改善する努力をすべき時のように思うのですが。
 儲からなくなると、つい、それが顔に現れてお客さんに見透かされる。不況時でもポーカーフェイスで応対し『飽きないで 商う笑顔 見飽きない』とお客様から評価されれば、安定した繁盛が続くように思うのです。   
自 ら を
  八目で見て
    繁 盛 し


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