平成11年6月15日
被 害
  半年ほど前、直営店の店長が朝出勤したら、レジに入れておいたお釣銭が全部無くなっていました。
  連絡を受けた私が「泥棒かも知れないがどうしたら良いでしょうか?」と所轄の警察署に電話をしますと「最近、管内に泥棒の被害届はありませんが、お宅の店舗の状況を聞かせてください」と言われたのです。
  「2箇所に付けてあるカギは壊されておらず、店の担当者は4名です」と言うと「他にカギを持っていた人はいますか?」というので「前に勤めていた人と店舗の工事をした人・・・他にも何人か・・」と答える。
  すると「と言う事は、10人もの人がカギを持っていた事になる。その人達が合鍵を作る事も可能ですねぇ。まして、カギが2箇所の場合は手間が掛かるから泥棒は避けるし、カギにキズもつけずに開けて侵入する泥棒は滅多に居ない!」といわれると「そう言えばそうかな!」となります。
  続けて「被害届を出しますか?」と聞かれたが「いや、止めときます」となって、その後、そのお店に同様の被害が無いので事件はほとんど忘れていました。
泥 棒
  そしたら先日、世田谷の成城警察から「密入国の中国人を逮捕したら沢山の泥棒を自供しまして、その中に『半年ほど前に、ポプラのお店に入って現金を盗んだ』と言うんですが・・・」というのです。
  そして「被害届が出ておりませんが、被害の事実はありましたか?」と質問されました。「んな事言われたって、警察に電話をしたら『先に内部関係を確かめたら・・・』と言われたから被害届は出していません」というと「そりゃ〜済みませんでしたねぇ」と。
  「実はですねぇ。蛇頭(ジャトウ)ってご存知ですか?」と聞かれたので「中国のヤクザでしょう」というと「それの絡みで、性質の悪い中国人が日本に大勢来ているんですよ!」と続く。
  「例の闇にまみれて船で密入国する仲間と、偽造のパスポートを使ってくる連中が後を立たず、警察でも対応に苦慮している状態で・・・」というから「どのくらいの人数なんですか?」と聞くと「埼玉と千葉の沿線とそこに近い都内に多くて、人数はまったく把握できない」というのです。
  「彼らは、300万円程の大金を蛇頭に払って、泥棒学校でカギの開け方などの訓練を受けるから、来る早々から泥棒稼業ができて警察でも困っている。蛇頭は、高収入になるので次から次と送りこんで来るので対策のしようがない!・・、その上、日本の暴力組織とも連携して・・・」と。
  「山手線に接続する私鉄駅の近所で手当たり次第に泥棒を重ねています。ですから、お宅に入った同じ日に100bほど離れたミニスーパーでも被害があったんですよッ」と。
  「でねッ。そのスーパーでは、従業員の犯行と思って二人解雇したそうですから、濡れ衣で首になった人はお気の毒ですが、他にも同様なケースが多いようです。お宅はどうでしたか?」と言うので「当社では、対象者が多すぎたから幸いな事に・・・」と言ったけれど、考えてみれば冷や汗ものです。
  「彼らは日本語が分らないし、あの国は、教育程度が低いので捕まえても自国語も読めず、犯行を隠すために、日本語が判らない振りをして調査がはかどらず手におえない!・・」と続きます。
  「彼らは、首都圏を中心にグループを作って犯行を重ねて、カギを開けるのは『ピッキング』という道具を使って上手にカギを開ける場合と、ガラスを割ったりバールでこじ開ける手口もあって・・」と多様です。
  「もう一つ、彼らは現金を専門に狙うのですが、1年間日本で稼いで中国に帰れば豪邸が建つし、300万もの大金を蛇頭に払っているので命がけですから、武器を使った強暴な行動に出ます。くれぐれもご注意を」との事でした。皆さんも十分にお気をつけ下さい。
彼らを逮捕しても、法律上、強制送還程度の対処であり、またスグに『300万で密入国』の繰返しとか!。
「防犯のコツは?」とお聞きすると「彼らに狙われたら、殆どお手上げでしょう・・」に「えッ!!」。
無防備を
  攻める蛇頭の
     高 笑 い


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