平成11年4月20日
スーパー・アイドル
  考えてみたら、今までの愛論百科≠ノは『アイドルの話題』が出てきません。そこで、情報紙として反省し、今回は一気に『スーパー・アイドル』の登場です。
  夕方7時過ぎに、自由が丘のスーパー『とうきゅう』に行って食料品売り場を歩いていました。近頃のスーパーマーケットは、買い物のコースと言いますか、まず、野菜を選び次は魚介類、そして肉のコーナーから冷凍物というような買い物客の流れがあります。
  冷凍食品の次に、お惣菜コーナーです。昨今のスーパーは、特にお惣菜売り場に力を入れていて、多種多彩な調理品を並べてお客さんの購買意欲をかき立てます。とうきゅうも例外ではありません。
  結構広いスペースを取っているそのコーナーで、ひときわ人だかりがしている一角があります。興味があるので早速、後ろのほうから首を伸ばして覗いてみたら若い女店員が何かをしている様子です。
  もしかするとスーパーのイベントで、広末涼子ちゃんでも店員の格好をして売っているのかと思うほどの混雑振り、ここまで言うと少しオーバーですが。 
  アイドルの様にファンを集めて、女店員が何をしているかと申しますと、実は、小さなシールに赤のサインペンで金額を記入し、売れ残っているパックに値引きのシールを貼っていたのです。
  ですから、沢山詰め掛けたスーパーのアイドルのファンは、彼女がサインをした値引きシールを貼ってあるパックを、我先に買い物カゴに入れる為の混雑だったのです。
  『夕方の売れ残りの品物の値引きを目当てに買い物客が殺到する』と噂には聞いておりましたが、『なるほど凄いものだッ!』とつくづく感心する次第でした。
  スーパーのアイドル『スーパー・アイドル』が隣のコーナーに移動して一件落着と思ったら、次に不思議な光景が、何と、値引き前に買い物カゴにパックを入れた主婦が、アイドルが去ったのを見てから値引きしたパックと取り換える、ベテランのみが知る巧妙なテクニックです。
アイドル・2
  スーパーのアイドルと言えば、試食をお勧めするコーナーにも人だかりが出来る事があります。
  デパートの試食コーナーなどでうっかり食べてしまうと、買わないで立ち去るのにはかなりの勇気が必要で、気の弱い私などは、つい欲しくも無いものまで買ってしまうことになります。
  焼肉や漬物の試食コーナーを観察していると(観察は大げさでしょうか)、『美味しいよッ!』と大声でお客さんに言葉を掛けながら、焼いている肉に味の素をたっぷり振りかけているから恐ろしい。
  ところで先日、スーパーの精肉コーナーで中年の女性が豚肉の試食を薦めていました。脇の所には大きなポスターなどに『高座のブタのヒレ肉』と書いてあります。
  売っているおばさんが、『とても美味しいコウザのお肉、本場物の名産品は、空気が綺麗で餌が良いから味が違うよッ、何と言っても最高級!!』。と言っているので、『コウザって何処の県ですか?』と聞いたら『えッ!、さぁ〜ッ・・!!』とヒレ肉の様に真っ赤になってしまった。
  産地も知らずに『本場物!』とは呆れますが、家に帰って『高座』を調べたら、神奈川県の丹沢に近い高座郡のことでした。商人の心構えとして、自分の扱う商品知識は、少なくとも恥を掻かない程度には勉強したいものですねぇ。ま、売り場のおばさんも少しは勉強になった事でしょう。
アイドルの
 サインは×と
    数字のみ


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