平成11年1月19日
家事代行
  最近、新聞の折り込み広告などで宣伝している、家事の代行の『便利屋』という商売が繁盛しています。あの業界は、大手の上場企業なども『有望産業』と判断して参入するほどの華やかさです。
  便利屋は、風呂やトイレの掃除からキッチンや換気扇の清掃、そして、障子貼りから網戸の取替えペンキ塗り、お年寄りの介護からお買い物の代行まで頼まれれば何でも引き受けているようです。
  一昔前には、何処の家でも自分の事は自分でするのが当然でした。ですから、自分で掃除をするのは当たり前で、自分で障子を貼り自分でペンキを塗っていたのです。
  しかし近頃は、人間が、多様化に疲れて神経と体力が付いて行けないのか、それとも『ものぐさ』になったのか、そこら中の家庭で便利屋さんに依頼することが多くなってきたようです。考えてみれば、クリーニング業界も『家事の代行業』で『ものぐさの人』が増えることを歓迎すべきでしょうかねぇ。
おかずや
  商店街で、お惣菜を商う『おかず屋さん』が急激に増えてきましたが、考えてみれば、おかず屋も主婦の家事を代行する便利屋さんと同じです。
  小人数へ核家族化が進み、一人か二人の家庭では、鍋物を作るにしても煮物にしても、野菜も魚も材料が半端に残って無駄が出ます。その上、おでんや煮物なども大きな鍋で煮たほうが絶対に美味しいのです。
  天ぷらやフライ等の揚げ物は、少しばかり揚げるのに鍋の油の始末も面倒ということになる。で、つい、『商店街に開店したあの店で買ってくっか!!』となるのです。
  こういう家庭が増えているから『おかず屋さんは大繁盛!』しているようです。愛論百科≠フ10月27日の号外に奥沢の商店街の状況を書きましたが、あの記事の『リトルマーメイドのパン屋』さんの後に『お惣菜やさん』が開店しました。
  その店内に入ってみると、美味しそうな料理の匂いが鼻をくすぐり、並んでいる数十種類のメニューの見た目もよく、思わず手を出し買いたくなるじゃ〜ありませんか。
  リトルマーメイドの時には閑古鳥だった同じ場所なのに、開店して2ヶ月以上経っても連日、主婦を中心としたお客さんが結構買い込んで行くのです。
影 響
  超人通りの少ない商店街で、繁盛するお店があれば煽りを食って被害をこうむるところが出てきます。
  おかず屋さんは『お弁当』も扱うので、まず、右隣にある『京樽』が大きく影響を受けました。あそこのお寿司も『茶巾寿司』だけじゃ〜魅力が無いので、好きなおかずを選べるお弁当には歯が立ちません。
  左隣の『ケンタッキー』は、店長が時々、おかず屋さんの店を覗きこんでいるのですから影響の見当がつきます。そりゃ〜そうでしょう。ケンタッキーは鶏肉だけですが、ライバルは、鶏肉、豚、海老、牡蛎などとフライの種類も豊富な上に、中華に和食、イタリアンも揃っているから好きなものを選ぶ楽しみがあります。
  取り敢えず、人間、食事時にお腹がいっぱいになれば良いわけですから、3軒離れて営業するラーメン屋さんもがた減り状態ですが、何と言っても一番惨めなのは、50b離れたところのお弁当やさん。おかず屋さんより場所が悪い上に、以前から活気が無かったから堪らない。ま、頑張って欲しいと願うのみです。
  ところで、お客さんが来ているとはいえ、おかず屋さんとて、2人の男子と4人の女性の構成では人件費だけでも大変でしょう。思うに、『あの程度の商売で採算が合うものか!?』と、つい、余計な計算をしてしまうのは私が暇なせいでしょうか。
ものぐさの
 増える隙間に
    新 商 売


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