平成15年6月3日
アリババ
  「歴史は繰り返す」とか申しますが、千年も前に考えられた古典的なテクニックが、昨今の犯罪の一端を担っているような気がして図書館に行ってきました。
  イスラム教の民話のアラビアンナイト(千一夜物語)には、「アラジンと魔法のランプ」や「船乗りシンドバッド」などと並んで「アリババと40人の盗賊」という有名な話があります。
  大男の頭目が従える馬に乗った40人の盗賊が、財宝を略奪して帰る岩屋の入り口で「ごまよ、開け!」と呪文を唱えると岩戸が左右に開き、中には莫大な宝物が隠してある話です。
  その様子を側の高い木の上から見ていたアリババが、盗賊が去った後で自分も「ごまよ、開け!」と真似をして岩戸を開け宝物を自分の三頭のロバに積んで持ち帰ります。
  弟の金回りの良いのに気づいたアリババの兄が、弟から財宝のことを聞き出して、岩屋に入って財宝を盗もうとしたら、出る時に、閉じている岩の扉を開ける呪文を忘れて出られなくなり盗賊たちに殺されます。
  この話の中で、盗賊が「宝物を盗んだ犯人のアリババを捜す」ときに、「戸口に白墨で印をつける」という場面があり、アリババの召使のムルジャーナという賢い娘が、近所の家にも白墨で同じ印をつけて回って盗賊の狙いをはぐらかしますが、「戸口に目印」の似たような事件が多発しているようです。
泥  棒
  その一つは、玄関先の道路にマジックで数字を書いていくテクニックです。マジックで書くのは、門や玄関の脇などの道路や側溝であって、マンションの場合は表札に書いていくわけです。
  アルファベットや数字や記号で記入するのですが、その様な書き込みがあったマンションの場合には、一度に何所帯も窃盗の被害にあったケースもあるそうです。
  この場合、数字は時間を示しているようで、例えば、「10−17」と書いてあれば、朝の10時から夕方の5時までは、その家には誰も居ないから侵入しても大丈夫という意味でしょう。
  例えば、「子供が塾に行くのは、火曜日の5時から7時」とか、「主婦が買い物に行く時間は・・・」というようなことも記号で表しているようなのです。
  「留守の時間を確認する」下見の役割りと「侵入して奪う実行犯」と「携帯で連絡する見張り」などが作業の分担をしているそうで、犯行中に家人が帰宅した場合には殺害されることもある恐ろしい話しです。
  尚、警察では、「数字が犯罪を示すという正確な確認は取れていないので・・・」と言いますし、「新聞配達の目印」や「訪問販売の目標の印」とも言われていますからややこしくなりますが、犯罪予防として、道路と壁や表札などに見慣れないマジックや白墨の印がついていないか確認しましょう。  
予  防
  犯行の手口を警察の広報などから抜粋すると、@郵便受けに新聞などが溜まっていると留守。Aインターホンや電話で留守を確認。B夜になっても電灯が点かない。C植木やブロックで犯行を見られない所を狙う。
  防犯としては、D植木やブロックなどを低くする。E感知式ライトやガラス破壊のセンサーの取り付け。F補助の鍵を取り付ける。G旅行などの時には近所の人に新聞や手紙をポストから取ってもらう。
  侵入する手口としては、I空いている玄関や窓が多いそうで、これは「油断」です。Jピッキング用具を使う。Kバールなどでこじ開ける。L窓ガラスを割り、手を入れて鍵を外すなどがあります。
  最近では、Mドアーに穴を開けるサムターン回し。Nバーナーでドアノブの部分やガラスを焼き切る。 Oドアノブを引っ張って、開いた隙間に工具を入れて開けるテクニックもあるそうです。

池上本門寺に行ったら、
アリババの目印の様な物が
沢山並んでいました
「目玉星人の卵」でしょうか?。 


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