平成15年10月7日
ライバル
  トヨタとホンダやニッサン、ナショナルとソニー、NECと富士通、品川発の新幹線と羽田からの航空機などと、しのぎを削るライバル関係は沢山あるものです。
  少し大きな商店街になれば、何業によらず同業者のライバルが必ず同じ通りに何店舗かは営業しているわけで、今回は、複雑な存在である近所の同業者について書いてみます。
  商人の本心から言えば、「近所に有る同業者が一番の強敵であり、かと言って、表立ってライバルの悪口を言うことが出来ない難問・・!」となります。
  平穏無事に商売をしていたところに、ライバルが突然出現した場合には尚更に迷惑ですが、資本主義の原則から言えば、ライバルの出店を止めることは難しいのが現状でしょうねぇ。
  安い料金の床屋を営む知人が、「新しい店を作ろうとしたら、契約寸前になって大家さんが断ってきたから駄目になったが、どうやら、同業者が議員でも使って泣きを入れたような気がする・・」といいました。
  とすれば、議員からの圧力でライバルの出店を止めることも可能なようで、仲介した議員さんの小遣い稼ぎのにどの程度のお金が動いたのか気になるのは私だけなのでしょうか。
元すり横丁
  目黒線の奥沢駅の周辺は、人口が少ないうえに大したスーパーも無い町ですから、ブティックなどが開店しても商売にならないために、開店して2年か3年もすればほとんど廃業してしまいます。
  開店したブティックのチラシを見ると、奥沢なのに「自由が丘店」と書いて宣伝するものですから、お客さんもまごつくでしょうし私たちから見れば滑稽でしかありません。
  ですから、「開店しては廃業」する繰り返しであって、「奥沢を良い市場と見損じた人たち」の廃業は、お気の毒にも、「元すり横丁」の悲哀を垣間見る思いで居ます。
  「元すり横丁」とは、何の商売を開業しても「投下資本の回収が出来ないさびれた商店街」のことで、今回のお話もその延長ですから、お気の毒としかいえない状況です。
花屋さん
  何といいますか、間の悪い事はあるもので、上に書いたような状況で購買力のひ弱な奥沢駅の側に、今までは、AとBの二店舗だった花屋さんが、たった一ヶ月の間に3軒も新規に開店したのですから一大事です。
  おそらく、契約の段階ではライバルが出店するとはお互いに知らなかったのでしょうし、3店舗も増えると知っていれば、商売にならないことは明白ですから取り止めたはずなのです。ま、新築ビルのテナントの契約で、借り手の要求を入れて工事をした場合には、借り手が断るのは難しいかもしれませんねぇ。
  それで、駅の改札口の真正面で数十年前から営業している「A店」の目の前の駅ビルの角に「C店」が開店したのは7月の末ころでした。困ったことに、お互いの距離は5bですから相手の客数も丸見えです。
  お盆の少し後にそこから70bほどの所にD店が開店し、9月の始めにもう一つE店が開店したのですから、前からあるお店も考えると小さな町の駅のそばに花屋さんが5店舗も出来てしまったことになります。
  自由が丘などと違い、大して利用客も居ない奥沢駅からの乗降客を相手にしても、これは供給が過剰であり、小さな5店舗の花屋さんはお互いに商売が難しくなっていきます。
  アメ横や合羽橋等の特殊な町はともかく、通常はライバルが少ないのが理想なのに、今回の例に限らず、同業者が近隣に沢山出来る現象はとても多く、当事者にとっては、実に不思議で迷惑で困った問題です。
ライバルの
  様子探って
    一喜一憂


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