平成14年7月16日
苦  情
  知り合いの床屋さんが、「何時も来ているお客さんが、散髪中に眠る前に、『いつものように・・』と言った様に聞こえたから、そのような髪型にしたわけですよ・・」という。
  「刈り終わったら、『こんなに短く切って、恥ずかしくて町を歩けないから責任を取れ!』と怒り出したから、やむを得ず無料にして勘弁していただいた・・!」と悲しい話です。
  その床屋さんが、「パーマ屋さんでも『美しく仕上がらなかった!』と怒る客が居るそうで、これは、『素材にも問題がある!』ような気がするんですがねぇ・・」と溜め息交じりです。
  不況で収入が減少している為に、倒産したり解雇されて収入の無い人が増え、全国的に『小遣い稼ぎ!』と思えるような因縁をつけるお客さんがますます増える傾向で、『改善』どころか『改悪』ばかりを繰り返す政府も含めて、『馬鹿者ばっかり』が増えている日本列島です。
愚 か 者
  雨の降りしきる先日、社員を二人連れて友人A氏の経営する同業者の見学に行き、夕方になったので、「軽く焼肉でも食べようか・・」となったのですが、焼肉では軽いとはいえないかも・・。
  そして、見学先の社長が知っているという郊外型ファミレス風の焼肉屋に向かい、久しぶりの焼肉にルンルン気分で駐車場に車を止めて店に入ろうとしました。
  そしたら、全面ガラスの入り口に、『17時より営業』と書いてあり、鍵が閉まっているので入ることが出来ません。時計を見たら午後4時50分ですから10分ほど早すぎたのです。
  外は雨が降っているわけで、このまま10分間待つのは辛い。店内をのぞくと男の人が居るので、大きな声で呼んだらこちらに向かってきます。そして、入り口の鍵を開けてくれました。
  当然私達は、「時間は少し早いけれど、店員が機転を利かせてくれたので、これで店に入れる!」と思うわけです。すると、「まだ、時間が早いので外で待っていてください」と意外なことを言われました。
  決まり事であったとしても、ガラスドアーの向こう側には、順番を待つ人が座る椅子が並んでいるわけですから、「取りあえず、こちらに・・」と座らせてくれれば良いものを、雨の中に待たせるのは酷すぎます。
  どちらかというと気の短いA氏は、「暇で困っているはずの焼肉業界なのに、馬鹿らしいから他の店にいっちゃおうよ!」と店を去ることになるわけです。
  そして、「あの男は店長なのに、あの程度の応対しか出来ないんじゃ〜馬鹿だよねぇ、雨のなかを4人で来れば売り上げが上がるのに、もうこの店に来るのは止めたっ!」となってしまう。
  「たった10分程度の調整が出来ないなんて、これが、『少しだけお待ちください』といって、お茶でも出してくれれば、気分が良くなってチップを弾むかもしれないのに・・!」と腹立たしさだけが残るのです。
  マニュアルには、『営業時間外にお客を入れるとトラブルの原因となりますから、基準を守って正しい管理をしてください』となっているかも知れませんが、雨の日に、わざわざ来てくれたお客さんに対する応対としては程度が低すぎると思うのですが、如何でしょうか。
 最近は、アメリカの文化が幅を利かせすぎて、何でも合理的に、何でもマニュアル通りにと四角定規になりすぎて、人間の温かみが薄れていくようで心配なのは、私だけなのでしょうか?。
 昔の商人には思い遣りがあって、気遣いで繁盛をしていたはずでしたが、何となく時が経過しているうちに『時代が変化しているんだなぁ!』とつくづく感じていますが、私も『歳!』なのでしょうか・・・。
   繁 盛 の
       芽を踏みつぶす
            愚 か 者


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