サービス |
何業によらず、お店に入ろうとするときに、店内に誰も居ないと入りにくいものです。例えどんなにヒマな時でも、お客さんの見えるところでお待ちするのがサービスの基本の一つです。 |
床屋で散髪をしていただきながら、「ご主人は、たまに、お客さんが順番を待っている長いすに座っていますよねぇ」と話し掛けました。 |
すると、「本来、お客さんの座る椅子に私が座っていては失礼なんですが、朝からお客さんが来なくて、夕方にやっと初めてのお客さんというような場合には、待っちくたびれの限界なんです」という。 |
そして、「日曜日などには、朝から続いてお客さんが来られたりしますから、昼食をおにぎり一個で間に合わせるときも有るんですが、暇な日の方が疲れるんですよっ!」と続きます。 |
「もっとも、ここ数年の間、どんどんお客さんが減っているために、朝から座りっ放しですから、お客さんが持ってきて下さる週刊誌や漫画も読み尽くす始末で悲しくなります」と。 |
「でね、夕方までお客さんが来ないのなら、部屋に入ってお茶でも飲みながら『ピンポーン』と店先のチャイムが鳴るのを待っている手もあるんですがねぇ」となる。 |
「でも、それでは、折角、来てくださるお客さんに対して失礼になるし、誰も居ない店にはお客さんも入りにくいので、ライバルの店に行かれては困ると思うから・・・」といいます。 |
『会う人、皆、師匠!』といいますが、何時来るかわからないお客さんを、お店の入り口を向いてソファーに半身に座りながらお客さんを待ち続けるご主人が、今日の師匠だったようです。 |
サービス券 |
渋谷の道玄坂を歩いていたら、通行人に配っている飲食店の割引サービス券を渡されました。 |
丁度お腹もすいていましたから、サービス券を見つめているうちに興味はもったのですが、大の男が割引券で食事をするのは気が引けます。まして、知っているお店では尚更に。 |
それでも、渋谷ですから私の知り合いに見つかる気遣いは無く、『どんなサービスがあるのだろうか?』とサービスの内容を確かめる勉強の為にそのお店に入っていきます。 |
そして、食べ終わってから、レジをしている店の女将さんらしい人にサービス券を差し出したら、券を見たとたんに女将さんは眉をしかめた。ですから、私は「しまった!」と反省です。 |
ですが、「サービス券のお客は売上が下がるから嬉しくない!」と思っている女将さんの心情は分かるとしても、それを顔に出しては目の先欲を察知されてみっともない。 |
自分の店で企画し、自分のところで発行しているのに、お客さんが利用をしようとすれば、『邪険な顔』をするのなら最初からサービス券の発行をしなければ良いのです。 |
それなのに、「店の名前を知ってもらう宣伝のために配ったのであって、サービスの利用をしては困ります」の狭い了見では商人として失格でしょうし、私は二度と行く気になりません。 |
飲食店に入って昼のランチを注文したら、「また、ランチかよッ!」と奥から板前の声が聞こえました。 |
お客さんが『ランチを注文』するのは、安い事も一つの理由ですが、他に『料理が早くできる』ことも大事な要素なのです。そして、店の奥の会話と内緒話はとても良く聞こえるので気をつけましょう。 |
他に、「あのお客は、サービスの時だけしか来ない!」とか、「安い物しか買わない!」などの愚痴をいう商人が居ますが、お客さんは、『生活の知恵』を生かしているのですから、この解釈も良くないようで!。 |