よいしょ |
知人A氏のお店を訪ねたら、私のすぐ後ろからお客さんがお店に入ってきました。 |
そのお客さんの応対をした後でA氏が、「中島さんが来ると、必ずお客さんが来てくれて有り難いから、時々来てくれないかなぁ」と言ってくれたのです。 |
お世辞と分っていても、そういう誉め方をされると嬉しくなるもので、私は、「そんなこたぁ無いよ!」と言いながらも思わずニッコリしてしまいます。 |
『不思議にお客さんを呼んで来る人』がいるという話は良く聞きますし、実際に私が行くとお客さんが立て込むことも確かに有りますが、何時でもお客さんが大勢押しかけるわけではありません。 |
行きつけの床屋さんも、「社長さんが来てくれると、いつも忙しくなる!」と誉めてくれても、なるほどお客さんが立て続けに来る事もあれば、一時間の間に一人のお客も来ない事もあるのです。 |
実は、この「貴方が来てくれると、必ず繁盛するから時々きて欲しい・・!」という言葉が繁盛の秘訣なのであって、落語風に言えば『よいしょ!』と表現される大事な言葉なのです。 |
「貴方が来てくれれば繁盛する・・」と『よいしょ』されれば、何となくうきうきしたその人は、何となくそのお店に出掛けたくなって、そういう人が増えれば当然、商売も繁盛していきます。 |
何の事は無い、本当のことを言えば、「貴方が来るとお客さんが増える・・・」という言葉は、その言葉自体が繁盛を呼び込んでいるわけであって、商売の究極のテクニックとも言えるのです。 |
もっとも、『取って付けたような言い方』でその言葉を言っても効果は無く、それどころか、厭味になる場合もありますから、使い方には工夫が必要な事は当然でしょう。 |
私も誉められるのは大好きですし、皆さんの練習にはもってこいの稽古相手でしょうから、今度、私が皆さんのお店に言った時に「貴方が来ると、お店が明るくなったみたい!」などと練習してみてください。 |
さり気なく |
「縦じまのワイシャツがお洒落で、お似合いですねぇ」と知人の商店主から褒められました。 |
確か、この前お会いした時には「ブルーのシャツがスッキリして、涼しく感じますよッ、私まですがすがしい気分になります!」と言ってくれたのを思い出しました。 |
「見え透いたお世辞をッ!」と思っていても、明るい笑顔で『さり気なく』褒められると悪い気はしないもので、雰囲気を盛り上げるテクニックに乗って、つい、こちらのほほもゆるんでしまいます。 |
ですから私は、時折はそのご主人のお店に顔を出したくなってしまうのです。そして、たまにはそのお店で買い物をすることになるのです。 |
『商売上手!』という言葉がありますが、同じタバコやお酒を売っていても、売れるお店と売れないお店があるのはご存知の通りです。 |
売れるお店には、そのお店に行きたくなる秘密があるのです。その究極の極意とは、お店の全体に感じられる『さり気ない応対と明るく楽しい雰囲気』にほかなりません。 |
少しずつの工夫を、毎日繰り返す事で、ごく自然に、ごく当たり前に雰囲気が変わっていき、1年経てば大きく変わって嬉しい結果が出るのですから、私達も工夫して変身しましょうよ!。 |
褒める |
ポプラのお店の奥さんが「子供さんが来るでしょう、その時に『可愛いわねぇ!』と褒めるんですよッ。そうすると、その子供さんが『品物を持って、ポプラに行こう!』ってお母さんを連れて来るんです!」と。 |
「お子さんが私のファンになってくれるわけでしょ、でね、たまには飴かお菓子を少し上げることも良いようですよ!」と誠に効果的で素晴らしいアイデアを教えてくれました。 |
生意気でイタズラな子供も、「可愛いわねぇ!」とか、「まぁ、お利口さん!」と褒められた幼い頃の嬉しさは、印象として心地よく残るので、末永いお客さんになってくれることは間違いありません。 |