平成12年6月19日
営業案内
  日曜の朝の9時を少し過ぎた頃のことでした。私が直営店の店先に居たら、ご年配の男性のお客さんが見えられたので「いらっしゃいませ」とご挨拶をします。
  お客さんは私に向かって「この先の写真屋さんは、何時に開くかねぇ?」と質問したので、「申しわけありませんが分かりません。多分、今日はお休みだと思いますが・・」とお答えしたのです。
  すると、「今日は休みだとして、明日は何時に開くだろうか?」とご不満そうな質問に、「多分、10時頃には開くと思うんですが・・・」と言った後で「分からない事ばかりで済みません」とあやまる。
  ま、私に責任はないのですが、客さんがとてもお困りのご様子でしたし、同じ商店街で営業するものとして、『分かりません』の連発では申し訳ないと思ったのです。
不 思 議
  お客さんが帰られた後で早速、写真屋さんの営業時間の確認に出かけました。
  写真屋さんの店先に立ち、パイプシャッターの中のガラス戸を見ると、写真の宣伝のカッティングは沢山貼ってあるのですが、営業時間と休日の案内の文字が見当たりません。
  ポプラのお店には、営業案内は当然書いてありますし、商人たる者、営業時間を書くのは当たり前と私は思っておりましたから写真屋さんの表示を見てびっくりです。
  そこで、『もしかすると、他にも書いていないお店も有るかもしれない?』と好奇心がわき、一軒づつ商店街のチェックを始めました。
  そして驚いた。9割近い商店の皆さんは営業時間と休日の表示をしていないのです。何という現象でしょうか。商人が、営業時間も休日も表示しないで商売をしているとは呆れるじゃ〜ありませんか。
  コンビニのように24時間営業で年中無休なら、書かなくても問題はありませんが、商店の場合は、『営業時間9時〜20時、休日、火曜日』などと分かりやすく書いておくべきと思います。
  商店街のうち、表示があったのは銀行とパーマやさん。そして、年中無休と書いたコンビニ程度で、酷いのは、営業時間が書いてあったと思える所に『ガムテープ』で文字を隠してある店まであるのです。
  人手不足が原因か、又は、高齢化現象から営業時間を保てない為の変更か、いずれにしろ、『不況で悩む商店街の経営者』が、お客さんに営業時間や休日の表示さえしないで、『お店は、お客様の為にある!』などと偉そうに話す人まで居るのにはあきれます。
信 頼 度
  商人が営業時間を書かないのは、『遅く開けても言い訳が出来る』という勝手な考えなのでしょうか。もし仮に、銀行が平日の朝9時に開かなかったら、誰もが許さず、厳しく責任を追及するはずでしょうに。
  それとも、営業時間と休日はその日の気分次第で、『俺の店の客は、シャッターの上がる時間ぐれぇ分かってらぁ!』とか、『好きな時だけ商売してれば、十分に生活が出来る・・』の考えなのでしょうか。
  お客さんが、『どうせあの店は、開いていないに決まっている・・』と最初からあきらめているのは、その店のみならず商店街にとっても大いなる恥ではないでしょうかねぇ。
  表示してある営業時間以外でも、『店が開いているときには、何時でも販売OKのスーパーオオゼキ』が大繁盛しています。お客さんの便宜を計り、『利用しやすいお店!』とご満足を戴くのが大切なように感じた日曜の朝でした。
 もっとも、書いてある営業時間にシャッターが開いていないお店も、お客様に信用はされませんが・・。
  何時開くか
    分からぬ店を
       怒鳴る客


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