平成13年2月6日
ア ク ビ
  『アクビ』は、寝不足や疲れた時と緊張が緩んだとき、退屈なとき等に吐き出される息のことですが『アクビは伝染する』こともあり、周りの人まで巻き込んで全体がだらけてしまう事が問題です。
  礼儀に厳しい先輩A氏は、『アクビをしている姿を見るだけで腹が立つ』と仰いますが、真剣に物事に取り組んでいるときにはアクビは出ないもので、今回は『迷惑な友、アクビ』のお話しです。
お 下 品
  友人が新店舗を開店したというので見せていただきました。彼が自慢するだけあってとても立派なお店ですが、私が店先に立ったら店内にいた女店員が大きなアクビをしたのです。
  間が悪いというか、女の子とは思えない大口をまともに見てしまった私も驚いたが、彼女の驚きは私より大きかったようで、急いで店の奥に逃げ込んでしまったのです。
  確か彼女は、大きなアクビが終わるときには目が涙ぐんでいたように見えたが、あの涙は、私に見られた恥ずかしさなのか、それともアクビの際の自然現象なのかと私も試したら、どうやら自然にも出るようです。
  人間の生理現象としてアクビは自然に出てくるものですから、『アクビは禁止する』と決めても問題が生じるでしょうが、それでも、お客さんが来られるお店での大アクビは困ります。
  商人の心得として、清潔な身だしなみと上品な立ち居振舞いは繁盛の第一条件でしょうが、アクビは自然現象とは申せ上品とは言えず、工夫をして見られないようにしたいと思うのです。
  アクビは、脳みその酸素が不足したときに自然に出る深呼吸だそうですから、予防法としては、脳に酸素を送れるように『深呼吸を繰り返す』のが一番です。
  アクビの状況を観察すると、寝不足と疲れたとき、そして、真剣みがなくなっている時が多いわけですから、他の真面目に仕事をしている人たちの雰囲気を壊し、多大なる迷惑を及ぼしていることになります。
  大して忙しいとも思えないお店の場合に、店員のアクビが多い。もっとも、暇だからアクビが出るのでしょう。暇を持て余しているのなら、片付けや掃除でも行えばよいと思うのですがねぇ。
  アクビをお客さんに見られたら『だらしないお店!』とか、『真剣に対応していない!』と解釈されますし、たった一回のアクビで、立派な店舗もみすぼらしいお店に見えてしまうから怖いのです。
演 技 者
  バレリーナが踊るときに、出来るだけ大きく目を見開き、瞳を輝かせて瞬(マバタキ)きをしないのが良い演技になるそうですが、マバタキをしない人間はいないわけですから対処は難しい。
  実は、彼女達がどのように対処しているかと言えば、ターンをするときに後ろを向いた瞬間に瞬きをするのです。もちろん、タイミングが狂えば、目を閉じた時に正面を向く事になりますが。
  お店でお客様に接するという事は、バレリーナが華麗なダンスを披露することと同じ主役なのですから、アクビが出そうになったら、下を向いて口を抑えるか、バレリーナのように後ろを向いてから行って下さい。そうすれば、皆さんも今日からは素敵な主演女優。
  そして、この癖をつければ、お客さんに恥ずかしい姿を見られなくて済みますし、「あそこのお店の方は皆さんともに『お上品!』」と認めていただけることは間違いありません。
  勿論、お店だけでなく、工場内や友人関係、そして取引先との対応でも同じです。今回はアクビを例にしましたが、だらしない服装やだらけた態度もやめて、相手に好感を持って頂けるように気をつけましょう。それが、何よりもご自分の人間性の向上につながるのですから。
  冒頭のA氏は、「電話の向こうでアクビをかみ殺しているのも分かる。誠に失礼だッ!。売れない店の店先には、決まって生アクビの店員が居る」ともおっしゃいます。
  人間は何時も誰かに見られています。恥ずかしい状況は特に印象強く相手の記憶に残しながら・・・。

佐々木さんに書いて頂いた
巳年のファミリーです
   人 格 を
      派手に曝して
         生アクビ




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