平成13年1月16日
神 頼 み
  三が日の全国の参拝者は、善男善女と悪人も交えて8875万人で、国民の70%が初詣をしたことになります。尚、ベストスリーは、明治神宮326万人、成田山新勝寺289万人、川崎大師285万人です。
  参拝客は昨年より少し多いそうですが、それでも、お賽銭は目減りしているようで、毎年お願いしても不況から抜けられず、御利益が少ないためにお賽銭をケチる傾向があるのでしょうねぇ。
御神籤
  神社仏閣をお参りすると、本堂の脇にお札や御神籤などを売っているコーナーがあります。
  私が確かめた範囲では、仏教は、御籤(みくじ)が多く、神教は、御神籤(おみくじ)が多いようですが、宗派などで使い分けていて正式な決まりは無いようです。尚、川崎大師は『御籤(みくじ)』でした。
  川崎大師の御籤は百円ですから求めやすく、百円で夢が買えると安いものですが、百円程度で夢を売ったのでは神社も儲からないので極秘のテクニックを使うようです。 
  初詣は川崎大師、お参りが終わってから妻が御籤を引くのに付き合います。妻の御籤は、神社仏閣を訪れた際に必ず行う行事ですが、私は、縁起の悪い事が書いてあると嫌なので御籤は引いた事がありません。
  今年の初詣も例によって妻は御籤ですが、長蛇の列でやっと買った御籤には、困った事に『凶』と書いてあります。ま、何と申しますか、凶を引くと妻は別の縁起の良い列に並んでもう一枚買ってくるのです。
  そして、妻がまた長蛇の列に参加している間に、暇な私が周りの人々の御籤を覗いてみると、『キャーキャー』と賑やかに友達や恋人と見ている御籤の札は、何と、半分以上が『凶』ではありませんか。
  私が見た30人以上の御籤の内、『吉と小吉が数枚ずつと大吉が一枚』の他は全部『凶』なのですから、「気分治しにもう一枚買おう!」と並ぶ人がかなり増えてきます。
  もしかすると、神社仏閣では一人百円では儲けが少ないので、もう一度買ってくれるように『凶』を多くしているのではないか?。と考えたら、川崎大師は、『なんまいだぁ、何枚だぁ!?』と、『リピーターを増やす究極のテクニック』すなわち、商売の真髄を教えてくれているようにも思えます。
  『お正月早々にお大師様から素晴らしいご利益を頂いた!』と私が感心していたら、御籤を見ながら笑顔の妻が歩いてきました。どうやら今度は、『吉』が出たようで・・・!。
お納め
  ご利益を沢山いただけるように、初詣は何ヶ所かハシゴをするのが我が家のお正月です。
  元日の夕方に、近所の氏神様にお参りをして、御札やお守りを売っているコーナーで、妻は例の御神籤を買い、私は、商売繁盛の御札と破魔矢を買いました。
  5人ほどで並んで売っていた正面の巫女さんが、「2800円です。お納めください」と顎を引いて威厳を示しながら言うので、さすがに神社の教育は行き届き『お納めくださいは実に重々しい』と感心します。
  『初詣の雰囲気は上々!』と満足の私がお金を支払おうとしたら、脇に座っていた巫女さんが、「それって、1800円じゃないの?」と上目遣いで隣の巫女に言ったのです。
  そしたら、『お納め下さい』の巫女さんは少し考えてから、「えッ!、やだぁッ!、ユッコが間違えたってことー!!」と、先ほどのアゴを引いた威厳は何処かに置き忘れてしまった。
  神社からは、「威厳を感じるように、落ち着いて、おごそかに喋り、有り難味があるように・・・」等と教育されたのでしょうが、ま、高校生のバイトですから『予想外の対処』は致し方ありません。
  思えば、省庁再編などでお茶を濁す政府に『景気回復』を頼るのは無駄とはっきり分かっているわけですし、商店街の企画をあてにするのも無理があり、神社仏閣も上記の程度ですから頼りになりません。
  おまけに、一番あてにしていた『年末ジャンボ』にも嫌われた今は、他力本願を止めて『自分で道を切り開くべく努力するのが最大の打開策』になるように思います。今年も気を引き締めて頑張りましょう。
運 命 を

 バイトの巫女に
 
   託 す 列


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