平成12年2月15日
K さ ん
  寒中にしては暖かい日差しの一月の末、心の友である『Kさん』と銀座の三越に出かけました。
  好奇心の旺盛な私は、気分転換と社会勉強のためにデパートや専門店を見て歩くことが多く、少しでも時間に余裕があればKさんと出掛けることにしています。
  今回は三越に車で行き、細い路地を入ったところの駐車場に車を入れて、五千円の買い物をすれば2時間の駐車料金がサービスになることを確認してから店内に入っていきました。
  まずは、少し時間遅れの昼食を食べる事にして、レストランの入り口の所にあるサンプルとにらめっこ。『歳だから、天ぷらやハンバーグは止めたほうがいい!』とKさんは口うるさい。長い付き合いなのですが、Kさんの心配性は過敏すぎるようにも思うのです。
買 い 物
  食事が済んでからデパートの中を見て回る。まずは手始めに紳士服の売り場からスタートです。
  ひと目で『高級店』と判るコーナーに入ると、見るからに軽くて暖かそうなモスグリーンのオーバーが目についた。重厚感といいますか、ふんだんにカシミヤを使った風合いは見ただけでも豪華です。
  おそるおそる袖に触ってみると店員が「お召しになってみませんか?」という。「ぅん」と私はあごを引き威厳を保ちながらも「じゃ〜」と両袖を通してみると、チョー大金持ちになったような気分です。
  裾や袖の長さといい、ポケットの形といい、感触から着心地まで私のために作ったような出来栄えの良さですが、脇からKさんが『ボタンの位置のバランスが悪い』とけちを付ける。ですから、「残念ですが!」と店員にその事を告げて諦めるのです。
  そして、ディオール、ダンヒル、ニナリッチと回ってから婦人服売り場、ランバン、ジバンシー、セリーヌと見聞を深めていると『どうせ買わないんだから、帰ろうよッ!』となる。
  思えば、ここ数年、支払いや金額の相談をすると、必ずといって良いほどKさんのチェックが厳しくなって『これじゃ〜何にも買う事が出来ないじゃ〜ないか!』といさかいが起きることも有るのです。それでも、よく考えてみれば、Kさんの意見はもっともな場合が多いのです。
色  紙
  次に、八階のコーナーで『画の鑑賞』。当日は『堂野 夢酔(ムスイ)』さんという個性的な水墨画の個展です。私は、この夢酔さんの画と文字と書いてある『ほのぼのとした詩』等が全部気に入ってしまった。
  布袋さんを描いた20万円を超す大作も有りますが、色紙などの手ごろなサイズの展示品も多いのです。Kさんも大変に乗り気で、10坪ほどのコーナーを一つづつ丁寧に見て歩いたのです。中でも特に気に入った詩を二つ、夢酔さんのご了解は頂いておりませんがご披露いたします。
 日々改革
  心が変われば 行動が変わる。行動が変われば 習慣が変わる。習慣が変われば 人格が変わる。人格が変われば 運命が変わる。 
 大谷和尚
  凄い剣の達人が一刀のもとに飛ぶ鳥を切った。次の達人は石で飛ぶ鳥を落とした。更なる達人は気合で鳥を落とした。もっと凄い達人が睨むと鳥は落ちた。仙人がにっこり笑うと鳥が手に止まった。人の価値観は多様です。どれが一番凄い生き方と思いますか。
  私は、『日々改革』の色紙を3000円で買い求め、裏に夢酔さんのサインをいただき、おまけに、友情出演?の『カバゴンのあべすすむさん』に私の似顔絵を書いていただくという幸せなひと時を過ごしました。
  そのお金を払う時、Kさんも大賛成だったのです。皆さんにKさんをご紹介致しましょう。Kさん。それは、私の『心のK』であり、好奇心、感情、心意気のKなのです。皆さんも、ご自分のKさんを大切に!。
徒然 (つれづれ)
 見る物・会う人
    皆 師 匠


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