平成12年11月21日
寸借詐欺、続報
  数人の男が建設会社などを訪れ、『国税局の査察』を装って、偽の『臨検、捜索、差押え許可状』などを見せて、会社側が現金を出すと「預かる」といって持ち去る事件があり、3社で6千万円の被害といいます。
  『騙す方よりは、騙される方が幸せ!』とは言っても、騙されるのは癪に障ります。『国税局』を名乗るほどの大物ではありませんが、10月31日号でお知らせした寸借詐欺の男は、ポプラのお店だけでなく、大田・品川の同業者をかなり歩いているようで困った事態です。
  共通している言い分は、@近所のマンションに住んでいる。A明大教授をしている。Bクリーニングに背広を出して、ポケットにカギを入れたために部屋に入れず、仙台まで行く旅費がない等です。
  そして、近所の同業者の名前を出して、「あそこは下手だから、お宅に変えた」という言葉と、近所のマンションの名前などを確認してから来るために、つい、口車に乗りやすくなりますからご注意ください。
釣 り 銭
  釣り銭詐欺の事件は多く、知合いの八百屋さんも数年前に別な男から被害を受けたそうです。 
  その被害とは、「学校で懇親会を行うから、果物を3000円分事務室に届けてください」と中年の男性が店で果物を選びながら注文したのが始まりです。
  そして、「事務室でお金は払いますから、届けるときに領収書を持ってきてください。私は他の買い物があるから、じゃ〜お願いします」と店を出たそうです。
  八百屋さんが果物を包み始めたら先ほどのお客が戻って来て、「他の物を買うのにお金が足りないから、7千円のお釣りを先に下さい」と釣り銭分を受け取って出て行ったそうです。
  八百屋さんが学校の事務室に果物を届けたら、「注文していません」の一言で「やられた!」と気づいたそうですが、八百屋さんいわく、「不況でよいお客がほしいときだけに、学校と取引できれば大量の注文が来るかも・・・の目論見を見透かされたらしいが、実に言葉も巧みで・・・」とのことでした。
  思えば、如何にも財布を度忘れしたように、一度店を出てから引き返す手口と、近くの有名な学校などを調べて状況を把握しているテクニックは敵ながら見事です。
  似たような被害に遭われた、ケーキ屋さんは、「孫が生まれたから、産婦人科にケーキを届けてほしい」と年配の男性から電話があったそうで、届け先は近所で有名な産院ですから疑いもしません。
  ケーキを届ける途中で、紳士から声を掛けられ「病院に届ければ、妻がお金を払うから・・」と釣り銭を取られたそうですが、この場合にも、ケーキ屋さんのご主人の顔を覚えて待ち伏せする周到さです。
  お二人とも、「後で考えれば、馬鹿な話しと分かるけれど、実に安心できそうな物腰と言葉も巧みで・・」との事で、「あの熱心さを仕事に生かせば、かなり実績の上がる男のはず」と呆れています。
愉 快 犯
  ピザや蕎麦などの出前を電話で注文して、届け先のマンションの階段で待ち伏せして釣銭を受け取る寸借詐欺も時々新聞に載りますが、もう一つの悪い奴をお知らせします。
  知人の花屋さんで聞いた話しですが、お客さんから「葬式ができたから、『親戚一同』の名前で生花を一対届けてほしい」と、訃報のある家の住所や名前を伝える電話があるのだそうです。
  ですから、花屋さんが葬儀用に生花に名札をつけて言われたお宅に届けると、その家では誰も亡くなっておらず、「縁起でもない!」と厳しく叱られるのです。
  せっかく生花をこしらえて届け、その上叱られるのですから花屋さんもお気の毒ですが、届けられたほうも驚くのは当然で、『愉快犯』の一つなのでしょうが、実に腹立たしい悪戯といえるでしょう。
  寿司や蕎麦などを何十人分も出前をさせて、届けられた家は『注文していない!』という事件が新聞等に載りますが、それが何度も続いた場合には、届けられた家でトラブルが発生して恨みをかっている場合が多いそうですが、この花屋さんのケースもそうなんでしょうかねぇ。
二 枚 舌
 群れ成して棲む
     永 田 町


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