巳 年 |
干支の巳≠ヘ、方角で南南東、午前10時頃を表します。世紀の変わり目が辰年から巳年へ爬虫類で繋ぐ事になりましたが、十二支の中で爬虫類はこの二つだけで、巳年のヘビに関する楽しい話題をまとめたいと思います。 |
爬虫綱・有鱗目・ヘビ亜目に属する四肢の退化した爬虫類の総称。ヘビの祖先はトカゲのプラチノータ群から分化したものと考えられますが、ヘビが餌の身体を巻き付けて絞め殺す技は特技といえるでしょう。 |
ヘビの種類は、2500〜2800種、日本には43種といわれ、南極をのぞく、熱帯、亜熱帯を中心にして広く世界に分布していて、平地や地中、高山や砂漠から海中にも棲み付いています。 |
ヘビの古い化石は、1億3500万年ほど前の白亜紀後期の地層から発見されているそうですが、ヘビの場合には、パーツ(骨)が繋がっていないので化石として残り難い形状です。 |
ペ ッ ト |
ここ数年、爬虫類をペットとして飼う人が増えているようです。爬虫類を好む人は、『おとなしくて、冷たい目と感触が素敵!』といいますが、嫌いな人は、『ヘビ』と聞いただけでも身震いするほどです。 |
アダムとイブの物語の『エデンの園』では、蛇は聖なるリンゴの木の守り役(ガードスネーク)でしたが、イブをだまして禁断の木の実を食べさせた悪者とされ、残酷、狡猾、淫らというイメージが強くなっています。 |
ヘビの脱皮には、神が人間に不死の恵みを授けようとして『毎年脱皮して、永久に生きよ』と命じたのをヘビが横取りし、人間には死が訪れ、ヘビは脱皮して若返り永久に生きられる定めとなった。という伝説があるそうです。 |
古来、山の神、水の神、雷神、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)などのヘビの信仰があり、現代でも、白ヘビは家の守り神と信じている人もいるそうですが、白ヘビはアオダイショウの白化型です。 |
ミニ知識 |
ヘビは、ヘビ、ジャ、ダ、スネーク、へみ、うわばみ、くちなは、かがち、ながむし等と呼ばれます。 |
伝説では20bを超す大蛇が伝えられていても、実際の記録は、熱帯アジア産のアミメニシキヘビの9.9bが最大で、次は、アナコンダが9b程度、アナコンダの方が目方は重く270`程度まで成長するそうです。 |
9.9bと言えば、人間を10回も巻ける長さですから驚きますが、小さい蛇は、ニューギニアのメクラヘビの仲間が7a程度といいますから、爪楊枝より少し大きいだけで、地中にトンネルを掘って生きています。 |
ヘビの目は、まぶたが無く、一枚の透明な鱗で覆われ、側頭部に目があるために立体的に見えない。視力は良くないが至近距離で動くものは見える。聴覚は鈍感だが、二枚に分かれた舌で、嗅覚、空気の振動や温度差なども敏感に感じることができるそうで、鱗は、1枚づつ独立したものではなく表皮を折りたたんだものです。 |
ヘビの四分の三ほどは卵で生まれ、マムシなどは、腹腔内で幼体が完成するまで保護してから産み出す胎生で、卵で生む種類では巣で卵を温めるために、自分の冷血の身を痙攣させて熱を生み出す育て方も行うそうです。 |
印度のヘビ使いは、笛を吹いて籠の中のヘビを起き上がらせ踊るように見えますが、ヘビは聴覚が鈍感なため笛の音で踊るのではなく、コブラが目の前で揺れながら動く笛を敵と思って威嚇する習性を利用しているのです。 |
単語には、薮ヘビ、蛇の目 長蛇の列、蛇行、蛇蝎(ダカツとは、ヘビとサソリの事で、忌み嫌われる代表)、 蛇足、蛇口、カメラの蛇腹、蛇の道はヘビ、蛇籠、琉球蛇皮線、竜頭蛇尾、蛇酒などがあります。 |
ヘビの用途は、粉末の漢方薬、マムシ酒、ニシキヘビ等の皮を張った蛇皮線(ジャビセン)、模様を生かしたバックやベルト、靴やインテリアなどにもヘビの皮で作った物がありますし、洋服の一部に使われることもあります。 |
クレオパトラが毒蛇アスプで命を絶ったことは有名ですが、エジプトコブラと思われます。 |
縄文時代のヘビの信仰は、とくにマムシが対象とされ、土偶などには蛇の文様が多く使われています。 |
マレー半島やフィリピンに棲むキノボリヘビは、腹側をへこませて浮揚力を出し木から木に飛び移ります。 |
ガラガラヘビは、鼻と目の間のところに熱を感じる細胞があり、真っ暗の中でも獲物を捕まえられる。 |
ヘビの天敵には、成長前を狙う、蜘蛛、タガメ、蛙、トカゲ、亀、ワニなどがいるが共食いも多く、殆どヘビしか食べないヘビの種類もいて、自分の体と同じくらいの大きさでも口を大きく開けて飲み込んでしまいます。 |
コブラの毒は、神経を麻痺させて運動機能を抑え肺機能が停止して窒息死となりますが、マムシとハブの場合は、噛まれた所から毛細血管が冒されて組織が壊死するそうです。 |
ツチノコ(槌の子)は、ノヅチ、ツチヘンビ、ツチンコ、ツチコロビ、ヨコヅチ等と呼ばれ、頭は大きく扁平で、目が鋭く尾は短い。ずんぐりして、とぐろは巻けないなどの愛嬌のある形状から人気があります。夢の無い話しを申し上げれば、餌を飲み込んだ時と、お腹に子供がいる時に威嚇の姿勢をとったマムシと姿形がそっくりだそうです。 |