湿布の使い分け
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肩こり、骨折、腰痛、筋肉痛・・・様々な場面でお世話になる湿布
今回はかぶれにくくするための工夫、湿布を使う時の注意などを取り上げます。


冷たい湿布、温かい湿布、どちらがいいの?

投薬時に、患者さんが気になるのは冷たい湿布か温かい湿布か。それと同時に使い分けに関してもよく聞かれます。

基本は 
冷たい湿布(冷湿布):急性期、一過性、怪我などによる痛みや腫れ、患部が炎症を起こしている時に使われます。
(皮膚の血管を収縮させ、血液の流れを穏やかにして痛みを抑える効果をもちます)

温かい湿布(温湿布):慢性の肩こりや腰痛といった痛みに使用。こちらは血行を促進させて、循環を改善します。

私は以前勤務先の整形外科医に処方する際に使い分けているか聞いたことがあるのですが、”患者が気持ち良いと感じるほうを処方していることがほとんど”とのことでした。

はがれにくくするポイント:湿布に切れ込みを入れる

湿布の種類のよっては肩や関節など動きがある場所に貼るとどうしても、生活している中ではがれやすくなってきます。紙テープなどで四隅を貼ったりする方法もありますが、こんな方法を試してみては如何でしょう?

図入りで説明しているサイトがありました。こちら(日本臨床整形外科医会)です。

*セロファン(薄いビニールシート)を剥がす前に行ってください。

肩の場合 @湿布を2つ折りにする 
Aハサミで約1cm程度の切れ込みを入れます(山折りにされていない方にハサミをいれます)
B軽く伸ばすと粘着力がアップします。肩に貼って、四隅をさらに引っ張れば完了です。
関節の場合 @湿布を2つ折りにする
A山折り部分のところにハサミで3cm程度の切れ込みを入れます
B穴を関節のお皿の部分にあてるようにして、周りを包み込むように貼ります。

かぶれ防止

かぶれてしまうとせっかく効果のある湿布でも使うのはためらってしまいます。
少しでもかぶれたり、赤くなってひりひりするのを防ぐために、こんな方法をお奨めしています。

・皮膚にガーゼを一枚おいてその上から湿布を貼る
・毎回微妙に貼る位置をずらす
・入浴前後は30分〜1時間は貼らずに、皮膚を休ませる(特に温湿布)
・汗や水気はよく拭き取ってから貼る。汗をかいた場合には、貼り替える
・傷口、粘膜、湿疹があったりするような皮膚が炎症を起こしている場所には貼らない
・かぶれを感じたらすぐに剥がす。剥がしてもしばらく効果は続いています

その他のポイント

共通 粘着力が強い湿布がはがれにくい時は、ぬるま湯で湿らせてから剥がす
剥がす時は一気に剥がさず(皮膚を痛めるので)くるくると巻き取るように剥がす
冷たい湿布(冷湿布) 炎症を鎮める目的もあるので、患部が熱をもっている時には冷蔵庫で冷やしてから使うと気持ちよいです。
温かい湿布(温湿布) トウガラシエキスが入っているため、貼っているとチクチク・ピリピリ感を感じることがあります。ひどい場合には剥がす。少し手で温めてから貼るとピリピリ感が減弱します。


現在は臭いが少ないもの、1日1回貼ることで効果があるものなど、様々な湿布があります。湿布により使用回数は異なりますので、処方された場合は医師や薬剤師に尋ねてください。また市販の湿布の場合にはパッケージなどをよく読んで、適切な使用をしましょう。


こちらでは、一部の湿布による副作用について紹介しています。