かゆくない水虫?!
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梅雨時になるとこぞって宣伝が過多になる水虫の薬。

今時の靴事情では冬にブーツを履きっぱなしのレディも意外と水虫だったりするもんです。

私には関係ない、な〜んて思っているあなた、もしかしたらその皮膚に潜んでいるかもしれませんよ。そして市販薬を連用しているあなた、その症状は本当に水虫ですか?

今時の水虫事情

水虫といえば、ムズムズするほどかゆくて、なんだか皮膚がぽろぽろ剥けてきてなんてイメージはありませんか?私も皮膚科医の講義をうけるまでそう思っていました。

でもそんなに甘くはないんです、水虫って・・・。

最近のメディア事情で水虫とは白癬菌(はくせんきん)というカビの一種に感染した状態というのはご存知の方が多いようです。でもこの症状は、というと人それぞれ。

足以外にも当然感染はしますし、爪周辺、厚くなった角質に潜んでいることもあります。症状も必ずしも痒いとは限らないことがわかっています。

一番怖いのは自己判断による思い込み、そしてその思い込みによる自己治療です。

皮膚科では皮膚をなぞるようにしてとった表皮を顕微鏡で調べることで白癬菌によるものか、それとも別の皮膚の病気かを判断してくれます。(すぐに病名がつかないこともあります)おかしいな、と思ったらためらわずに皮膚科を受診することを強くお奨めします。

自己判断での市販薬での治療は時として逆効果になることがあります。

そして通院が始まった場合には、きちんと定期的に受診し医師の診断を仰いでください。表面はきれいになっても中にひそんでいるため、治療には時間がかかります。

決して治らないわけではないけれど、時間がかかる、これが水虫治療です。

塗り薬治療の注意点

ここでは水虫である、と医療機関で診断されたことを前提にお話していきます。

@大切なのは決められた回数を守って塗ること。早く治したいばかりに規定の回数以上に塗っている方もいらっしゃいますが、これは皮膚の負担が増えるだけで良くなる近道にはなりません。決められた回数を毎日コンスタントに塗るようにしてください。

A先にも述べましたが意思の指示に従って塗り続けることです。見た目にはきれいになっても中にひそんでいます。ここで自己判断でやめてしまうと、あっという間に元の木阿弥。再発してしまいます。根気強く塗り続けましょう。

B1日1回の場合は入浴後が一番清潔で皮膚も柔らかくなっていて薬が浸透しやすく効果的です。きちんと水気をふきとってから塗りましょう。そして塗った後はうちわなどでよ〜く乾かすようにしてください。

C治療を続けているにも関わらず湿疹が増えてきたり、症状が悪化する場合は医師の診察を受けてください。薬に含まれる成分が合わなかったり、他の皮膚疾患が考えられることがあります。

飲んで治す水虫

新聞で反面を使った製薬会社の宣伝広告で読んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、症状によっては飲み薬による治療が始まります。

これらの飲み薬には@毎日飲むものA1週間飲んで3週間休む(これを1つの期間として3期間程度繰り返す)、といった薬の種類により飲み方に違いがあります。

きちんと飲み方を守って治療をしてください。

またこれらの飲み薬のテルビナフィン(商品名:ラミシール錠)には肝臓に悪さを起こしやすい報告があります。定期的な血液検査が病院で行われているかと思いますが、ご自身でもいつもより体調不良や倦怠感を感じることがあったら受診するようにしましょう。

またイトラコナゾール(商品名:イトリゾール)では飲み合わせのよくない薬の存在があります。他の病院で薬を処方される場合には必ず医師、薬剤師に現在飲んでいる薬を合わせて教えてください。

そして以前よく使われていたグリセオフルビン(商品名:グリセチンV錠)では男性で6ヶ月、女性に3ヶ月の避妊期間を設ける必要があります。妊娠を希望されている場合には医師に必ず伝えてください。

水虫は不潔にしていると感染するものではありませんが、現在感染してなくてもスポーツジムなどの公共の場所で濡れた足マットを使った場合には24時間以内に自宅でシャワーで洗いなおすなどといったことは心がけるようにしておいたほうが良いでしょう。

あなたの皮膚を守れるのはあなただけです・・・。