静脈内鎮静療法
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手の甲や腕から麻酔薬を点滴で入れながら、ほぼ眠った状態で治療を受けられる方法がこの静脈内鎮静療法。

私はこの方法で嘔吐反射を隠蔽しながら治療を受けていました。

当初は保険適応で行われていたのですが、途中から厚生労働省からの指導が入り保険適応にならず、保健がきかない自費扱いになってしまったのが患者としては辛いところです。一部の病院では保険適応と書かれている所もあるのですが、実際はどうなのかは予め確認しておくことをお奨めします。日本の制度では混合診療は認められていませんので、麻酔のみならず治療の全てが自己負担になってしまうので注意が必要です。

では私の経験を元に患者の立場からの話をしていきましょう。

まず治療の3〜4時間前から飲食は禁止です。患者さんによっては前日よく寝られるように医師が予め軽い眠剤を処方する場合もあるようですが私は恐怖症ではないので、一切必要としたことはありません。

そしてこれも病院によりけりですが、大体3時間前から点滴の針をいれる場所にペンレスという麻酔シールを渡され貼ってくるよう指示をうけることがあります。針がささる時の痛みを感じさせない配慮です。

診察が始まるとまず、酸素飽和度や血圧、心拍数を計る機械などを装着され(洋服は着たまま)、静脈を確保され麻酔薬が注入されます。私が使っていたのは咽頭反射を抑制する効果があるプロポフォールという薬です。(この薬の保健適応外の使い方なので厚生労働省から指導が入ったのでしょうか?患者にとっては製薬会社の申請をまつばかりです。)

冷たい注射なのでちょっとひやっとした感じと注入時の若干の痛みはありますが、どうってことはありません。

しばらくはぼーっとした状態で、医師と話すこともできますが、しばらくするとすーっと眠っています。

そしてふと目がさめると時計が進んでいる!

点滴の針は取り去られ治療が終わっていました。しばらくは麻酔が残っているためふらつくので、よく休んで、麻酔が覚めて気分不快がないことを確認して帰宅することができます。(*当日の自分で車の運転は避けましょう。)

歯のかみ合わせをみる時には麻酔をした状態で、医師と話すことができます。”これ噛んで。どう?”という問いかけに”ちょっと違和感がある”と返事をすることもできます。

逆に反射が強い奥歯の治療ではかなり麻酔深度を深くして治療が進められていました。麻酔をしているにも関わらず治療途中で反射が起こることもありましたが、覚えていないこともあるくらいでした。

この点滴による方法だと麻酔深度を調節できるので私のようなひどい反射もちにも効果を発揮できる治療法であり、実際にこの方法でずいぶんと助けられました。

麻酔科医がつっきりで状態を観察しているため中々個人医ではこれらの治療は難しいのが現状です。

この方法による治療を希望される場合はまずは病院探しから始まります。

”鎮静・歯科医・都道府県名”といったキーワードで検索したり、麻酔科がある大学病院の歯科に問い合わせてみてください。