ふわふわ。ふわふわ。日向の匂いが心地良い。
「キラー」
アスランがリビングのドアを開け周りを見渡す。しかし、目当ての探し人は見当たらない。
「まったくどこに行ったんだ?」
ふーっとため息を一つ漏らしながら、再び探し人であるキラを見つけるべくリビングをあとにする。
それから暫くの間、家の中を探した回ったがキラの姿は見当たらず
もしかしたら外出してしまっているのではないかとアスランが半ば諦め気分でリビングに戻ろうとドア開けた。
…カタン。
微かな物音が聞こえてきた。
「キラ?」
周りを見渡して見るがやはり人影は見つからない。
(気のせいだったのか?)
結構な時間キラを探し回ったので少し疲れているのかもしれない。
最近、忙しかったしな。などと考えながらソファーにもたれ掛かる様に座った。
(そもそも何でキラはいないんだ?今日の約束を忘れてしまったのか??)
(もしかしたら他の誰かと…っ!!いや、そんな筈はない!キラに限ってそんな事…)
頭を抱えながら悶々とした考えがグルグルと回る。こうなってしまうとアスランの思考はちょっとやそっとじゃ止まらない。
アスランの世界はキラが中心で回っていると言っても過言ではない。
アスランにとっての最優先は何があってもキラなのだ。キラの事を考えない日はないし、
キラとは同じ家に住んでいるのだから会わない日などありえなかった。
だが、最近は忙しい日々が続き余りキラとの時間が余り取れないでいた。
だからアスランは久しぶりに二人で出掛ける事を提案しキラも喜んでくれた。
そしてその約束の日が今日なのだ。
それなのにキラは今ここにいない。何故?と゜うして??あの時喜んでくれたって事はキラも自分と同じ気持ちでいてくれたんじゃないのか???
アスランは一人、頭を抱えながら自問自答を続けていた。
…カタン…。
再び微かなもの音がした。今度は僅かながら確かにアスランの耳に届いた。
アスランは自分の周りを見渡した。
「ん?」
そこには洗濯物が取り込まれたままになっていた。
きっとキラが洗濯をして取り込んだのだろうベットカバー等の洗濯物が小さな山を作っていた。
キラは元々気分屋な性格の為こんな事は日常間々あった。
真面目な時はもの凄くきちっと物事をこなすのだが、気分が乗らないときはトコトンいい加減なのだ。
それがキラらしいと言えばキラらしいのだけど。
だが、今日のそれは少し大き過ぎる気がする。二人だけの洗濯物にしては量が多すぎる。
アスランが気になってマジマジと見つめていると洗濯物の隙間から見慣れた亜麻色の髪が見えた。
アスランが洗濯物を掻き分け覗き込むと洗濯物に埋まって眠っている状態のキラがいた。
(まったく何がどうなればこの状態になるんだよ…)
キラの突飛な行動はいつもの事で慣れてはいるが相変わらず理解に苦しむ。
アスランは苦笑を漏らしつつ取りあえずキラを起こす為、体をゆっくりと揺らし声をかける。
「キラ。キーラ。こんな所で寝てると風邪引くぞ。」
「んー。。。」
全く起きる気配のないキラ。
キラは一度眠ると中々起きない。それはアスランも長い付き合いなのだから重々知っている。
それにこんなに幸せそうに眠られるとこのまま寝かせてあげたくなる。
しかし、今日は久しぶりにキラと一緒に過せる大事な日。
これを逃すとまた忙しい日々が待っている。次なんて待っている余裕など今のアスランにありはしない。
「キラ!!今日の約束わすれたのか?」
今度は些か乱暴気味にキラを揺らし声を掛け続ける。
「ん…や、くそく?…」
ある意味必死なアスランの想いが届いたのかそれとも約束という言葉に反応しただけなのかキラが薄っすらと目を開けた。
「そう!!約束。今日一緒に出掛けるって約束したろ?忘れたのか?」
まだ、夢うつつの状態のキラだが今がチャンスと畳み掛けるように声をかける。
アスランの言葉をぼんやりと聞いていたいたキラがゆっくりと起き上がる。
そしてまだ寝惚けているのかアスランの顔をじーっと見つめる。
「キラ?」
アスランが声を掛けるとキラがにっこりと微笑みを浮かべた。
一瞬、キラの後に花が飛ぶ様な錯覚を見えたような気がした。それ程無垢で可愛らしい笑顔だった。
顔を些か紅く染めてキラに見惚れているとキラがぽてっとアスランの方に倒れこんできた。
「うわっ!!キ、キラ?」
突然の事にアスランの思考がついていかない。
(これは抱きしめた方がいいのか?)
そんな馬鹿な事を考えたりするくらいアスランは困惑していた。
先刻の不意打ち笑顔も手伝ってアスランの頭はもうパニック状態だ。
仮にも好きだと思っている相手が自分の腕の中にいるのだから冷静でいろと言う方が無理な話だ。
「あのね、」
パニックなアスランを余所にキラはマイペースに寝惚けた声で話し始める。
「…アスランとの約束は凄く楽しみにしてたし忘れてないよ…」
「…だけどね…」
キラの言葉にアスランの思考に少し冷静さが回復する。キラの次に紡がれる言葉に耳を傾ける為にキラの顔を覗き込む。
するとやはり寝惚けているのか目がとろん。っとして今にも眠ってしまいそうな感じだった。
「…だけど…お洗濯物に埋もれてたらね…日向の匂いがして気持ちよかったんだ…」
「…キラ、、、それって俺より洗濯物の方が良かったって事?」
それって結構へこむぞ。アスランのネガティブなスイッチが入りそうになった時、キラの次の言葉で別の意味で思考が止まった。
「…だってね…アスランと同じ感じがするんだもん…凄く温かくって安心するんだー」
言い終わった後キラは幸せそうに微笑んで再び瞼を閉じる。そしてまた規則正しい寝息が聞こえ始める。
キラが再び眠りに付いてから数分。放心状態のアスランの思考が少しずつ回復していく。
それと平行して先刻キラの言ってくれた言葉が少しずつ心に染み込んでくる。
『アスランと同じ感じがするんだもん…凄く温かくって安心するんだー』
それはキラが自分を必要としてくれる事で、キラにとって安心できる所が自分って事で…
言っている相手は寝惚けている。それは分かっている。でもそれが余計にキラの本心の様な気がして。
「ヤバイ。かなり嬉しいかも」
自分の都合の良い解釈だとは思いながらも嬉しさが込み上げてくる。
キラは普段自分の気持ちを隠すから。
周りの人達に迷惑や負担をかけたくなくて何でも自分の中に溜め込んでしまうキラ。
自分の前だけは弱い所を見せてくれてもいいのに。とアスランはいつも思っていた。
でもキラはいつでも何を抱えてても「大丈夫。」と笑顔のベールで包み隠してしまう。
そんなキラが自分の傍が安心できると言ってくれた。それは誰にどんな言葉を言われるよりアスランには嬉しい事だった。
アスランは顔を赤く染めながら口が緩むのを隠すように手で口元を押さえる。
暫くして少し気持ちの落ち着いたアスランは目を細めて優しく微笑みキラの寝顔を見つめる。
-何だろう、気持ちが温かくて凄く幸せな気分だ-
たまにはこんな日があってもいいかもしれない。キラと二人でこんな風にのんびりと過すのも。
キラがいてくれる。只それだけでこんなにも心が満たされているのだから。こんなにも幸せな気持ちになれるのだから。
「キラの方が日向みたいだよ…本当に温かいよキラが傍にいるだけで。」
「大好きだよ…キラ。」
アスランは眠るキラの柔らかな髪を優しく梳きながらそっと額に口付けた。
ふわふわ。ふわふわ。日向の匂いが心地良い。
ふわふわ。ふわふわ。日向の匂いは大好きな君の匂い。幸せの温もり。
◆アトガキ◆
はい。書いてしまいました、小説。。。は、恥ずかしいー!!!///////。甘いです甘々です(笑)
文才なんてものは持ち合わせていないので駄文で申し訳ありません。
これから少しづつ勉強します。(また書くつもりか)
画力がなくて妄想を中々形に出来ないので文章ならなんとかならないかなーなどと
身の程知らずの甘いことを考えたのですが見事に撃沈です。。。
やっぱり文章で表現って難しいですねー小説書いている方って凄いなと改めて思いました。
この話のアスランとキラは幼馴染以上恋人未満です。CP的にはアスキラはアスキラなんですが
キラはまだ自分の気持ちに気づいていません。アスランはキラ一筋ですが。
キラ馬鹿なアスランが大好きなのでこれからもこの設定つかって小話を書こうかと思っています。
アスランはこれからまだまだ苦労します。天然鈍々なキラも大好きなのでvvv(はるかはキラ至上主義ですから)