クリスマスを漢字で聖夜と書く。
待降節(アドベント/ Advent)はクリスマスの4週間前から始まる。
この期間クリスマス市が旧市街広場で開かれる。
キリスト教宗派により多少の差があり、都市にごとにクリスマス市の期間も多少異なることがある。12月24,25日は休み、その後年末まで店は開かれている。
クリスマス市は焼きソーセージの屋台、グリューワインの屋台、軽食の屋台、クリスマス菓子の屋台、クリスマスの飾を売る屋台、児童用遊具、
キリスト誕生場面の人形、アドベントカレンダーなどで構成されている(順上同)。
他に、小さな舞台、クリスマスピラミッドなど地方独自の飾りがある。
クリスマス市の食べ物の定番は、焼きソーセージ / Bratwürst (1.5~2€)とグリューワイン / Glühwein 左写真は大阪梅田のドイツ・クリスマス・マーケットにて。
日本の夜店で焼いている串付フランクの味しか知らない人がドイツ本場のソーセージを食べると美味しさに驚くだろう。
グリューワインとは赤ワインに香料、甘味料を混ぜて暖めた熱燗のような飲み物で寒い屋外でこれを飲むと体が温まる。 風邪の予防に効果があると言われる。ドイツ出身のアメリカ人に勧められ初めて飲んだ時は変な物と思ったが今ではクリスマス市で、これを飲むのを楽しみに毎年を過ごしている。 知人に勧められなければ、予備知識がなければクリスマス市を見てグリューワインを飲まずに帰っていたかも知れない。
グリューワイン(約2€)は陶器のカップに入れてくれる。このカップは都市と年ごとにデザインが異なり、良いお土産になる。 カップを店に返すとカップ代(約1€)を返金してくれる。大阪のクリスマス市では返金制度はない。
焼ソーセージ/ Bratwürst の屋台
立ち食い用の小さなテーブルで談笑しながら食べられる。
広場に面した建物がアドベントカレンダーになっている。
12月5日撮影。四階の窓五つにライトが点灯している。クリスマスまで毎夜増えてゆく。
クリスマスの飾り/ Ornament を売る屋台
伝統的飾り物からアートな創作物を売る店まで色々ある。
クリスマスと関係ないのでは?と思える飾り物を売る屋台では陶器製の招き猫、福助人形も売っていた。
レーブクーヘンは蜂蜜、香辛料の入ったクリスマスシーズンに食べる菓子。
チョコレートに包まれ、字が書いてあるのは飾りにもなる。味は日本人好みかどうか、食べた人で分かれる。
生姜入りクッキーといった味だった。
ハルツの山小屋風ピザ屋。
薪を使い中央左の白い小屋の釜(Backstube)でピザを焼く凝った店。
左端のクリスマス飾りを売る小屋の屋根には薪を担いだ山仕事風の人形が載っている。
左はゲッチンゲン / Göttingen のクリスマス市会場に作られた子供用観覧車。子供用メリーゴーランドもあった。
右はゲッチンゲンの東にある小さな町ドゥーダーシュタット / Duderstadt のクリスマス市会場に作られた屋外スケート場。
12月のドイツの寒さがわかると思う。
この町の塔は尖塔部が螺旋状にねじれている。「塔を建てているとき悪魔が降りてきて塔をねじったのだ《とドイツの友人は説明してくれた。
家庭内に飾るのが一般的だが、マーケット会場に巨大なピラミッドを立てる都市もある。
元はロウソクの熱で上の風車が回り、木製の人形が動く仕掛けになっている。
左: 2006年12月 Dresdenにてドイツの友人B氏撮影 (*1)
私もカッセル / Kassel のクリスマス市会場で巨大ピラミッドを見たが人が多く夜間のため撮影は断念した。
右: 尼崎市のショッピング街「つかしん《にクリスマスシーズンに建てられるドイツ製クリスマスピラミッド。 吹き抜け3階までの高さがある。国内にあるピラミッド最大級と思われる。2007年撮影
ゲッチンゲンのクリスマス市会場を旧市庁舎二階より写す。
他の観光シーズンに訪れただけの人は広場の変貌ぶりに驚くと思う。
屋台は午前11時頃より夜8時過ぎまで開かれる。
ここにはピラミッドはない。中央左の赤い長靴の看板の左に緑のリースを水平に吊るしロウソクを4本立てたアドベントリースがある。
アドベントの4週間、毎週ごとにロウソクに火をともす習慣はドイツから始まったといわれる。
このオブジェの場合、12月上旬に見たが夜になるとロウソクを模した電球4本共点灯していた。
クリッペとは馬小屋でイエス誕生の場面を木や粘土で作った人形で表わしたもの。
元の意味は飼葉桶。家庭ではクリスマスツリーの下に飾っていた。
宗教的展示でクリスマス市の必需品のはずだが、ひっそりと展示してある。異国の観光客ぐらいしかカメラを向けないと思う。
写真は大阪クリスマス市にて撮影。
ドライフルーツ、ナッツなどが入っていて、外側は白い粉砂糖が付いた細長いクリスマス用ケーキ。
アドベントの期間食べるケーキだがドイツの食品店では年中売っている。保存が効く。
ぎっしり中身が詰まっていて餅のように腹持ちがする。
中身の質で高級品から安いのまで数種類売っていた。
日本でも輸入品、国内ドイツ菓子店で作ったシュトーレンを買うことができる。
12月のドイツは厚い雲に覆われ、日差しのない曇り空の日ばかりだった。朝は8時を過ぎないと明るくならず、夕方3時を過ぎると暗くなる。
ゲッチンゲンの緯度は北緯51度。日本付近ではサハリン(樺太)中部に相当するが緯度から想像するほどは寒くない。
日本では北へ行くほど寒いがドイツの場合アルプスからの寒風が来る南部高地の方が寒い。
市民は冬至を過ぎて昼の時間が長くなるのを待ち望んでいるように感じた。
晴天の日本に帰り、それまで気付かなかった日光の明るさ、暖かさを感じた。
文中で注釈のない画像は2005年12月 ドイツ中央にある町ゲッチンゲン / Göttingen で撮影。
謝辞:引用記号(*1)はドイツの友人B氏撮影。
Quote.: Notice mark (*1) picture took my German friend B-san.