マダガスカル西部のムロンダバはバオバブで有名な場所だ。今回の旅行の最大の目的はいうまでもなく蘭ではあるがマダガスカルを象徴するバオバブも大きな楽しみのひとつであった。そのためにわざわざ蘭の少ない西部まで行ったのだ。
神様が天地創造のときにさかさまに植えた、とのたとえから「逆さまの木」とも呼ばれているそうだ。そしてバオバブというのは「一千年の木」という意味で寿命が長い世界最大級の巨木なのだ。 「バオバブの並木道」。天空にそびえ立つバオバブたち。遠い昔、テレビで見た幻想的な世界が目の前に広がっていた。 ここにいると時間を忘れてしまいそうになる。言葉もいらない。ただ、静かにこの空間に身をゆだねていたいと思う。
乾燥地帯に適応するため、幹には水を貯めているそうだ。そして蒸散作用を抑えるために枝葉を落としているのだ。しかし、この場にいるとそんな理屈はどうでもよくなってしまう。 バオバブアベニューからさらに奥にすすむと面白いバオバブがあった。二本のバオバブが絡み合っている。誰が名付けたのか「愛のバオバブ」というらしい。この近くで高い樹の上部に蘭が着生していた。バンダのような株姿。Sobennikoffiaだ。こんなところにも蘭があるのにはびっくりした。