藤枝郷土博物館・体験学習

体験学習「土びな・土天神づくり」 蓮華寺池公園の畔に建つ郷土博物館では、定期的に趣向を変えて「体験学習」を催している。 実は昨年の大祭取材をしている中で、以前同じ会社で働いていた後輩(現在は人形店・雛常の社長)と話す機会を得ることが出来た。 その際に出てきた「志太天神」の話がとても面白く、資料を揃えることが出来れば、このサイトにアップしようと目論んだ次第。。

 2月は桃の節句の雛人形が飾られ始める時期であり、それはまた天神様のシーズン到来を示している! 静岡県中部地方、特に志太地区ではこの時期に「天神人形」を飾る習わしが古くから残っています。 体験学習も丁度「土びな・土天神づくり」を企画していると聞き、子供達を引き連れて参加することに決めたのだ。
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土びな・土天神づくり

 今回の製作は子供達にお任せのため、一人百円でミニチュア作成のコースに参加。 お兄ちゃんはミニ天神、娘はミニ女雛をセレクション。(この他には、男雛、三人官女、五人囃子を選ぶことが出来ます) また少し大きめの二百円コースもありますが、こちらの天神様に限っては大人限定の参加となっています。(若干手間が掛かるようです)

 

 型取りから、剥がしの行程

 最初に一握りの紙粘土が配られる。 少し柔らかくなるまで軽く練り、準備された型に押し込んでいく。 前と後ろの型抜きが出来たら、乾かした後で離れぬように、合わせ目を丁寧にヘラと指で繋ぎ合わせます。 形を整えたら一度乾燥させるために、簡易の乾燥機で水分を飛ばします。


 前後を合わせ繋いで、乾燥機へ

・・・それでは乾くまでの間、「志太天神」についてお勉強してみましょう!
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志太天神(練天神)

昭和初期の練天神 志太地方は「天神どころ」として有名な地域で、衣裳着天神の主要な産地になっている。 土天神は全国各地で作られたのだが、衣裳を着た天神の製作は東海道筋でも志太地域独自のものとされ、駿河の天神または志太の天神といわれて全国に知られている。
 当地の天神づくりの歴史は、幕末〜明治初期にさかのぼるという。 通説では現大井川町上新田の青野嘉作が練天神を作り始め、その後明治前期に彼の弟子や藤枝の大須賀芳蔵らによって練天神を工夫改良してわら胴に衣装を着せた天神が作られるようになったという。 この志太における天神作成の隆盛がもとになって、静岡の雛人形づくりが活況を呈し現在では全国でも有数の雛人形・雛具の産地として知られている・ いわば志太地域は静岡雛人形の先鞭をつけた地とでもいえようが、今回の企画展では当地方独自のものとされる衣裳着天神に焦点を当て、その祖型といえる練天神や明治前期の素朴のビロード天神などの当地に伝え残された雛人形を紹介する。
(参照:郷土博物館展示資料より)
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着色と仕上げ

 さあそれでは作業に戻って色付けです。 最初は顔に当たる部分を白塗りし、次に衣装を着色していき、にじまないように時々乾燥させましょう。 一番色の濃い黒は最後、髪や目鼻を加えて、最後にもう一度乾燥させたら仕上げに移ります。
 

 着色、装具取付、土台装着「藤枝宿の印」付き!

 天神様は刀とシャクを持って、頭に飾りを付けましょう。 お雛様も髪飾りと扇を持って、飾り台に座って貰えば完成です。 記念に藤枝宿と郷土館の印を貼り付けて、折り紙の箱に入れてお持ち帰りです。 スタッフの皆さん、ありがとう御座いました。m(_ _)m
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今後の体験学習は?

お雛様と天神段飾り 今回の体験教室「土びな・土天神づくり」は2月5日(土)〜3月13日(日)迄、休館日以外なら毎日9時〜15時迄受け付けてくれます。 しかし練りと型取りから始めたい場合は、14時までに受付を済ませないと間に合わないかもしれません? 全ての行程におよそ1時間半は掛かりますから、時間と混み具合によっては色付けしか出来ない場合もありますので、早めの入場をお勧めします。(大人専用の大型天神様は、余裕のある平日しか企画されていませんので、気を付けてくださいませ。。。)

 この体験教室は内容を入れ替えながら、ほぼ毎日のように開催されています。 来年度のスケジュールと内容はまだ発表されていませんが、次は「藤枝凧」にトライしてみましょうか?
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