☆2001.12.15 「前兆・その1」

 今日は年に一度の定例「oyatiti会」! 所謂"忘年会"なのだが、中学時代の悪友が毎年メンバーを変えながらも、取っ替え引っ替えやってくる。数名は毎年固定メンバーも居て、我ら"マンキとミヤサ"も当然その一角を担っている。。。(まぁそんなことは今回はどうでも良いな)

 悲劇の前兆は、まさにこの日の夜から始まったのである。一次会、二次会と進み、今夜は最後にラーメンを食べて終わろう!ということになったのだが、、、(今だから言うがマンキ、あそこのラーメン不味かった)帰宅後に異常なほどの胃の痛み〜 「きっと胃にもたれるような材料だったのだな・・・」と勝手に思い込み"新三●胃腸薬"を飲み始めたのであった。実はこの後にも同じ様な目に遭うことになるであるが〜ページTOP

☆2001.12.22 「前兆・その2」

 先日の忘年会の仕返しとでもいうのであろうか?、今日は奥チャマ連が忘年会とのこと。「ゆっくり楽しんでいらっしゃ〜い!」なんてエエカッコしいの、「子供たちが寝静まったら、何をしようかなぁ〜」などという目論見は見事に期待はずれに終わってしまう。。。また胃が痛いんだなぁ、これが!(><)

 何でこんなに度々苦しまなければならないのだ? 非常に疑問に思いつつ、結局年を越してしまう。ページTOP

☆2002.01.09 「出頭・その1」

 「何処かおかしい・・・ホントに胃が悪いのだろうか?」どうもしっくりこない体調に苛立ちを覚え始め、とりあえず掛かり付けの内科へ飛び込むことにした。
 「ん〜、何処かに石でもあるのかなぁ?、エコーしてみよう!」←いつも私のことを「ん〜、運動不足!」の一言で片付けてしまう先生が、今回は奇妙な行動に出た。「ん〜、影がある?」「ん〜、大きいぞこれは」「おぉ、一つじゃないかも!!」(まるで船釣りに出掛けて、魚群探知機でポイントを見つけて喜んでいる、船頭さんのようだ〜 先生、私の身体で遊ばないで〜)

 結局今回のメイン舞台となる「藤枝市立病院」宛の紹介状をスラスラと書き上げられ、「明日にでも行ってらっしゃい」などとスンナリと言われてしまった。ページTOP

☆2002.01.10 「出頭・その2」

ミヤサの『ス〜パ〜ヌ〜ド』 会社を休んで早速病院に足を運ぶ、向かうは"外科"! 感熱紙に焼かれた昨日のエコーの絵を見ながら何も言ってくれない先生。。。「もう一度エコーを取ってみて下さい」(おいおい、無駄な金を使わせるんじゃ無いワヨ)「それにレントゲンと血液検査」(こちらはこんな事もあろうかと、昨日の病院で断っておいて良かった)

 やはり大きな病院は違いますなぁ〜、エコーの結果はレントゲン写真の様な大きなパネルに、8ヶずつ1枚にまとめられて、アッという間に出来上がってきました。「胆嚢炎ですねぇ、こんなに腫れちゃって」(普段内臓の大きさなど意識したことのない私は、画像を指さされても良く判りません)

私:「どれくらい大きいのでしょうか?」
医:「いや、腫れていると言っても大きくはなりません」
私:「ハ?」
医:「この辺りの臓器は、内側に腫れるのですよ」
私:「ン??」
医:「見た目の大きさはさほど変わらなく、肉厚が内側に厚くなって内臓の容積を減らすような感じかな」
私:「納得!」
医:「おまけに石もあるようだから、そろそろ干渉し始めているようですね!」
私:「胆石って七転八倒するって聞いたことあるのですが?」
医:「石が動いているというよりも、内壁が石に触り始めているのかなぁ?」
私:「このままでも良いんでしょうか?」
医:「もう少し年取っても気が付かなかったら、癌になってたけど??」
私:「お〜やビックラ!、それって取れと?」
医:「爆弾抱えて生活するようなモノですよ・・・旅行中や出張中とか、運転中とか」
私:「ゥワァ、オッカネェーーーッ!」
医:「消化器科に回しておきますので、また詳しく聞いて下さい」

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(消化器科にて/表現はフィクションです、内容は真実です)
医:「どうします?」
私:「私に聞かれても・・・手術を先に延ばすこと出来ますか?」
医:「ハイ、貴方がその間我慢出来ればの話ですけど」
私:「(出来れば医者になど来ないワイ)んじゃ<クイズ・ミリオネラ>」
医:「1.破砕する   ←これから先、何回もやるのか?
   2.溶かす    ←溶けない成分かも?
   3.摘出する   ←そうしましょうよ!
   4.何もしない  ←まぁ無理にとは言いません!」
私:「。。。取る」
医:「ファイナルアンサー?」
私:「ファイナルゥ〜、、、アンサーァ。。」
医:「・・・・・」
私:「。。。。。」
医:「・・・正解!、正しい選択だと思いますよ、取っちゃえ取っちゃえ〜」
私:「楽しんでません?」
医:「いや、私は皆さんのためにいつも考えています」

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(会社にて)
ワシ「・・ということで状況からして、5月頃には落ち着くので良いでしょうか」
上司「馬鹿タレ! 身体のことだろトットと済まして来い。それに来年度は会社も相当人員整理を考えているから、年度内に処置しろ・・・」

*解説:今の職場の人達とは10年来の付き合いであるため簡単に休めるが、4月に大規模な組織変更があるから、変更後に早速病欠しようモノなら、その後の査定にどの様に影響するか心配だ。。という日頃働きの良い?私に対する心温かい配慮をして下さっている訳でありますル!ページTOP

☆2002.02.07 (事前検査・その1)

 (胃カメラ、初体験)

 「昔に比べたら、今の胃カメラは相当楽になったネェ」←確かに誰かがそう言っていた! 間違い
無い! 誰だったろう? 記憶は確かなはずだ。 たぶん。。 そうでしょ? 違ったの?? ねぇ誰か答えてよ。。。

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1.最初に"おちょこ"程の液体を飲まされます。これは胃内部の泡を取る薬だそうだ。

2.次にゼリーの様な液体を、口の中で3分間留めるように言われます。これが"のどの麻酔"なんだナ。出来るだけのどの奥へ行くようにしろ!どうやらワシはコレを舌でせき止めてしまったようだ(のどに麻酔が掛からなかった?)。3分後に吐き出す。

3.最後に、暫く胃の動きを緩和させる筋肉注射。

4.さぁ、胃カメラの進入開始。所要時間3〜5分。一般的にはカメラマンの説明が有るので、映像と共に自分の体内の探検が、大変綺麗な画像で楽しむことが出来るらしい。イヤ、本当に普通な状態なら実に楽しむほどに時間が過ぎるようなのだが。。。 私は最初から最後まで「オェオェ、ゲェゲェ」「ヨダレはダラダラ、涙はボロボロ」もう二度と受けない!看護婦が「ホラ、力抜いて! 深呼吸して〜、ダメじゃない」なんて終始言われていましたが『受け付けないモノは受け付けないんじゃ〜(▼▼)、バッキャ〜ローッ!』ってな感じ。

5.検査後は暫く口の中にピンポン玉を入れたような変な感じ。コレは麻酔が切れていないためです。約1時間は飲食禁止。退室時にトローチを貰いますが、こいつも1時間後になめろと言われました。

*余談で検査の結果「十二指腸潰瘍」まで見つかってしまいました。自覚症状が無い程度だったので、手術には影響無しとなったが、一ヶ月間薬を飲み続け、食事にも気を付けるように命令された。

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 最後に看護婦から、一言誉めていただきました!「アンタほど苦しむ人も珍しいワ。。。」ページTOP

☆2002.02.17 (事前検査・その2)

 次は大腸の検査だそうだ。検査は午後1時からのため、前日の昼食からは基本的には絶食。ただし体内の余分な老廃物を取り除くために「検査食」なるモノを手渡された。その接種スケジュールの何とも事細かいこと。

 しかし、会社でお粥(検査食)を食べるのが、これほどまでに似合わないモノとは思わなんだ!
 レトルトなんだけれども、いったい何処で温めるのサ? 私も大馬鹿者で、最初売店の電子レンジを考えていたのサ。(でも周りの同僚が皆、声を揃えて真顔で推奨した方法ですゼ?)←本当に電気関連製造業の従業員カイ?(ちなみに私は生粋の文化系で御座います)←だから「でも知ってろよ!」というレベルの問題だがネ。一応良い子の皆さんも読む機会があると困るので、ここに一言解説します。『レンジが雷を発生させて、爆発しそうで、おまけにアルミの容器が真っ黒に焦げちゃうから、真似しちゃいけないよ〜〜』(食品メーカーの方が読まれましたら、是非ともここまで具体的に注意書きして頂けると、私のような無茶をするモノが居なくなると思いますがどうでしょう?)←やはり「知ってろ!」ですよね。。。

 最終的には「容器のまま沸騰したお湯に10分間浸けて下さい」という指示に対して、「たいして熱くもない給湯器のお湯に5〜6分浸けただけ」ただし、熱の粒子衝突運動?による熱が発生するように、ひたすら掻き混ぜたのはナカナカの妙案だと自己満足しました。上のスケジュールを確認していただければお分かりのように、夕食もこの手を使用して社内で見事完食しました〜(会社で17時の夕食など食べたことナカ〜)

 併せて手渡された薬は、ほとんどが下剤関係。自ずと進んで手術に望むわけだから、指示はキチンと守らせて頂きました。二種の下剤を時間通りに飲んだ訳だが、ありゃ強烈だ!「なぁ〜んでお穴からお*っこが出てくるんだ?」という位ですワ。「シャ〜ッ!」って、、

 当日の検査内容は次の通り!
 まず始めに素っ裸にされ「お尻穴あきパンツ」を履かされ病院着を着ます。次に「腸の動きを穏やかにする注射」を打ちます。待つこと5分、レントゲン室に呼ばれ台の上に寝かせられます。するととうとうやってきました「バリューム逆流作戦」なのだ。

 員:「力抜いて下さいね〜」
 私:「おい、いきなりかよ、ちょっと心の準備というものを、こら触るな、向こうへ行け、行ってって言っているでしょ、、、ネェ嫌よ、やめて、もっと優しくして、お・ね・が・い」(遂に掘られてしまった)
 員:「お腹、冷たいですか?」
 私:「・・・(少しは会話に付き合えよ)」

 バリューム挿入後は両脇に手摺りの付いた台の上を、検査員の指示に従って「あっち向いてホイ」状態でグルグル動かされる。診察台もシーソーの様にギッタンバッコン、時には逆立ちしそうなくらい傾かせます。「左を向いて、そのままうつ伏せになって、ハイ止まって、今度は右へ仰向けになって、行き過ぎ〜そこでストップ、もう一度左へゆっくりと、、、」 こんな指示に15分以上も付き合わされました。

 途中バリュームを中途に抜かれたり、代わりに空気を入れられたりと、好き放題お尻を触られてしまった。腸内に空気を入れるというのが堪らなく痛くて、検査員に「ちょっと待った」コールを掛けてしまう。大した量ではないはずなのだが、強烈に痛い。「痛かったら直ぐに教えて下さい」と言われ、その言葉が終わらない内に「イテテテテ〜ッッッッ」

 今回の最大の苦痛は、検査後の「バリューム排泄」だな。空気をバシバシ入れられたんで、オナラで演奏が出来るくらいにお腹が張っている(残念ながら音階を調節できなかったため、演奏は止めました)。検査室でずっと息んでいるのも、後の検査の方に迷惑と思い早々とトイレから出てきて着替えたのだが、ズボンが入らないのだ。見た目にも明らかにお腹が妊娠?している。少し歩き出すと早速腹痛に襲われる。すかさず外のトイレに駆け込む。短音の演奏会が始まる。もう良いだろうとトイレから出る。歩き出す。やはり直ぐに痛み出す。諦めて暫くの間外来のトイレで息むことにした。屈伸したり身体をよじったりして、お腹の中にある空気を動かす。パンツを履いてオナラをしようモノなら、バリュームまで一緒に出てきそうな気がして気が気でない。やはりトイレに隠っての独奏会が一番だ!

 どの位息んでいたのか、消化器科に戻ってカードを提出すると「何処にいたのですか?みんなで心配していたんですヨ」と看護婦さん。そんなに息んでいたのね〜〜 申し訳ないと思い事情を説明したら、その看護婦さんが過剰な反応をして大笑い。何も涙まで流すことは無かろうに。。。ページTOP

☆2002.03.05 (入院初日)

 前日は会社で仕事の引継と資料作りで、見事に日付変更線?を越えてしまい、帰宅は夜中の2時。。。折角夕食に旨いモノでも食べて入院に備えようと思っていたのだが、叶わぬまま当日になってしまう。

 入院連絡の基本は「自宅待機して10時の連絡を待つ」だそうだ。時間も病院の言うがままに従わなければならないのだが、感染症に掛かって帰らぬ人にでもなったら恨めしいと思い、「午前に急用が出来た」と嘘をついて強引に午後2時の入院の約束を取り付ける。何のことは無い、昨日の雪辱に旨いモノを食べたかったのだ。あまり遠出は出来ないので「丸源ラーメン」へ行くことにした。しかし、、、休みでやんの(ToT) 仕方なく隣のうどん屋で済ませてしまったが、折角なら「新店・ジョリーパスタ」まで行けば良かったと注文してから気が付いたのでした。。。

実際には富士山が見える! 病院に到着すると簡単な院内の説明を受け、6階消化器の大部屋(と言っても4人部屋)に入る。
やったね、窓側だ!(常夏ホテルにあるオーシャンビュー、ならぬマウンテンビューだ)
ノートPCを広げようと思ったら「電気使用は許可制前金でお願いします」だと。「電気器具使用許可証」に署名押印して、まずは婦長さんの承認印を頂戴しにナースセンターへ。次に1階にある入院受付窓口に提出。すぐに「院長之印」が押され、別の会計窓口にて料金支払いへ、1ヶ月¥730(税込み)。1日使っても30日使っても¥730ー。金額の算出根拠がいまひとつ納得できなかったが、晴れて器具の使用が認められたのです!

 「さぁ仕事しようかなぁ」と部屋に戻ると、注射器を構えた看護婦さんが私のベット横で待機している。お決まりではあるが、体温・血圧・採血・尿検査を行う。終了と同時に放射線科へ出頭を命じられる。胸部と腹部の単純撮影。次に心電図と止血能力の確認。後者は耳たぶにほんの少しメスを入れ、出血がどの位続くのかを確認された(そぅか、ワシは手術をするのだな)。部屋に戻ると担当医師から呼び出しが。明日行う検査「ERCP」の説明を受ける。「内視鏡的逆行性胆道膵管造影」なんだそりゃ? 「胃カメラの様なモノを飲んでもらい、十二指腸まで管を運び、胆管の出口から造影剤を逆行させるんでこの様に言うようです」判りやすい説明は有り難いが、カメラを飲む?あの強烈すぎて発熱した胃カメラですか?? 「先生、眠らせて貰えませんか?前回の時に看護婦さんに
病院始まって以来の騒ぎようだと誉められたのですが・・・」「無意識では困るのですよ。安定剤の投与は行うことにしましょう」。。。非常に不安になってしまった。

 暫くすると今度はERCPの際に使用する抗生剤(化膿止め)のテストに来た。腕に注射でお豆を作って、15分後に赤くなるか確認するのだ。2種類の薬を試用したがいずれも問題なく終了した。本日の検査は以上で終了!

 「病院食は不味い」と聞いていたのだが、食べられたよ?(私は味覚音痴なのかな。。)ご飯も軟らかくてねぇ、確かに味付けは全体的に薄口だが、不味い定食屋よりは満足できました。(特別旨いとは言ってないからナ)

 夜は21時に消灯。思い切りPCで遊ぼうと思っていたが、キーパンチの音とHDの回転音が妙に響いているような気がして、初日ぐらいは大人しくしていようと23時頃に就寝してしまいました。ページTOP

☆2002.03.06 (二日目)

 昨夜21時以降の"絶飲食"指示により、朝食にありつくことは出来ません。
午前にCTの検査を行う。所謂「胴体輪切りのレントゲン」ですね。私の場合は造影剤の点滴を併用して、血管や臓器の血流状況も確認したようです。「大きく息を吸って、、、止めて下さい。。。楽にして下さい」機械的で無表情な女性の声が命令する。そぅそぅ間違い電話の時に聞こえる「貴方のお掛けになった電話番号は現在・・・」と同じおネェちゃんだな!きっと。(←自信ある!冗談・・・)
ホントなら卵型の・・・
 11時半頃、本日のメインイベント用の点滴が始まった。どうやらERCPは13時に予定しているらしい。実は昨日の夜、廊下をフラフラしていたら「ERCPで苦しんだ」という話が微かに耳元に入ってきてしまった。どうやらそれなりにお年を召した方で、時間が掛かったことも文句の一因であったらしい。とりあえずほとんど健康体にも関わらず、検査の為に絶食をさせられるのは非常に辛い「腹減ったぞ〜」。しかしこの元気は検査後に持続できるのか、不安で堪らない。とにかくこの検査は胆管や膵臓に過剰な負荷が掛かるらしく、副作用による処置が必要になる場合もあるとのこと。比率的には15%、内ごく稀に"重傷"に陥ることもありますと、インフォームドコンセントを受けたわけだが、是非とも無事終了し、おやつと夕食にありつきたいモノです。「腹減ったゾ〜」

・・・ただいまぁ〜、ERCPの苦しみを満喫して参りました。
検査室へ向かう道のり、看護助士さんにお願いして、とにかく脅かしてもらいました。「あれはほとんどの人が二度とやりたがらない検査だよ、女性のお産よりも苦しいかもしれない」(←何もそこまで脅かさなくても。。)検査前の処置は胃カメラの時と全く同じ。ただし今回は安定剤の投与を熱望したわけで、約束通りに行ってもらいました。注入直後に目の前が「ボーッ」としてきて、楽に終わるのではないかという期待感が出てきました。胃カメラの時は横向きに寝たわけだが、今回はうつ伏せ。期待通りに苦しみ方は前回よりも軽い模様。。と思った瞬間に「安定剤を追加投与して!」という先生の声。よっぽど私と胃カメラの相性は悪いのでしょう。要するに常人の二倍投与したことになるのですね〜 さぁこれで食事にありつけると思ったら「明日の昼食までダメですよ」と無情な宣告・・・ 「腹減ったゾ〜〜」 点滴の数が2種類(Veen-D/500ml&生食注/100ml)となり私のベットの周りは、管(点滴)と配線(PC)だらけとなってしまった。

夕日に赤く染まる、紅富士 昨日の夕方から降り始めた雨が完全にあがり、検査から戻ってくるとマウンテンビューの窓から、富士山が見えるまでに青空が広がっていました。

 ERCPは非常に疲れてしまい、3時間程お昼寝をしてしまう。実は担当医にお昼寝を起こされたのだが、少々ショックな報告を受けてしまった。「ERCPの結果、胆嚢がかなり萎縮していることが判明しました。胆管は全く問題なく、石もありませんでした。しかし胆嚢に造影剤が入っていかないのですよ。以前から発作を起こしていたような傾向が見られるのですが、心当たりは?」「???特に無いけど・・」「ここまで胆嚢が痛んでいると内視鏡(腹くう鏡)での摘出が難しいかもしれません。最悪開腹による術に切り替える可能性もありますので、一応報告させてもらいます」「んで、期間はどの位延びるのでしょう?」「内視鏡なら5日、開腹となると10日から2週間というところです」「ありゃりゃ、ということはウルトラCな日程で、3/21までベットということジャン。下手をすると27日頃まで入院ですか? 年度末のお仕事がガタガタということジャン」「まだ決まったわけではないから、とにかく初めは内視鏡術で執刀しますから。あくまでも通常より可能性が高くなったという連絡です」

 先生が去った後、同室のジジ方が皆話しかけてきた。「お兄さん、ERCPやったんかい?」「ワシも1回やったことあるが、もう嫌だね」「じゃが、昔はカメラがもっと大きくて、今と比べモノにならない位苦痛じゃったが!」思わぬ話題で一気に仲良しになってしまった。私から詳しい病名などとても聞き出せないが、会話から「抗ガン剤投与のため定期的に入院するジジ」「体調不良で検査したら肝臓癌が見つかって、今回切り取るジジ」「42年前の結核手術の輸血でC型肝炎に感染し、以前はアルコール肝炎と嘘を付かれ11年前に認められエタノール治療を始めたジジ」と、大方こんなお友達です。

 点滴の種類が変わった(Actit Inj./500ml×2本)。明日のお昼頃まで時間が掛かるということなので、丸々24時間針を刺しっぱなしということになりますなぁ。トイレに行くにも、外へケータイメール打ちに行くにも点滴をガラガラと連れ添わせなければならず、かなり不便なのだなぁ。。ページTOP

☆2002.03.07 (三日目)

 「腹減ったゾ〜」たまらん。朝の採血と尿検査の結果で、本日の私の運命?が決まる。頼む、問題が無いということにしておいておくれ。。。入院病棟の大便所は非常に狭く、洋便器に座ると頭が壁に当たりそうだ。どうも落ち着かないため、1階の外来トイレまで行くことにしている。ウォシュレットも付いているし、快適である。注意しなければいけないのは、救急入口(時間外受付)付近にあるトイレにはウォシュレットが付いていない。あの爽快感を味わいたい場合は避けるべきである。(←そんなこと力説して何の役に立つ?)

 上記とは別に本日10:00〜明日10:00までの尿を溜めておくように言われた。点滴も抜かずの何発とやらで、今朝は(ラクテック500ml&生食注/100ml)です。看護婦さんの説明では、昨日のERCPに対する副作用への予防処置だという。胆管や膵臓に薬品を投与したため、また十二指腸が内視鏡で傷ついていた場合の化膿止めなどの処置が施されているようだ。結局28時間刺しっぱなしでした。

 今日は「肺活量検査」があると聞いている(そぅか、ワシは手術をするのだな ←実感)。
種類は二つ。一つは空気をすべて吐き出した後、限界まで呼吸し、再度すべてを吐き出すというモノ。もう一つは一気に呼吸した後、一気に吐き出すというモノ。元が健康体であるため、大きな問題はなさそうだ。

スマン、ほとんど喰ってしまった〜 ようやく昼飯にありつけた!(total:4食の絶食であった) 検査の結果に異常が無かったということだろう。病院食だけでは腹持ちが悪く、ナースステーションに殴り込みを掛け「売店で喰いモンとコーヒー買ってくるから!」と言って飛び出そうとしたところ「コーヒーはダメ−(▼▼)」と同時に三人のナースに大声で反論されてしまった。要するに「刺激物は膵臓がビックリするから、もう少し様子を見ろ」ということらしい。ついでに「おやつは軟らかいモノにしてね」と注意書きを頂いた。どうやら私は病人らしい。。というか、昨日のERCPの身体に対する付加は相当なモノだったらしい。せっかく下見の時に唾を付けておいた「サッポロポテチ・塩味」か「とんがりコーン」は諦めた(私は辛党です)。代わりに「東海農産株式会社・炭焼フライビスケット」をゲット。こいつ、スーパーに売っていないのに、こんな所に居るなんて・・ 可愛い透明なバケツの容器に入っている奴です。よろしかったら試してみて下さい、ビスケットビスケットしてなくて、ちょっぴり香ばしくて美味しいです(130g/¥300-)。

 などと調子扱いていたら、来ちゃいました。。。ラジオの時報のように17:00になった途端に「ドーン」という右脇腹の重厚感(ほとんど痛くなるときは、この時間帯から始まるのだ)。「ウッ、今日のはやばい」付き合いが長いと相手の機嫌が手に取るように判ります。ナースに常備薬(チアトンカプセル/10mg)の服用可否を確認し、早速服用。とりあえず横になるが、どうも治まらない。そうこうしている内に唾液が溢れ出てくる。「やばい、吐くゾ」急いでトイレに駆け込むが、二歩及ばなかった。。しかし量が少なかったため、公共の廊下を汚すことなく、嘔吐物は無事大便器に「オェ〜」 普通ならナースに報告しなければいけないことだが、夕食を取り上げられることが怖く、黙秘を貫くことにする。だって今日は「鮪の刺身と山芋汁」ですぜ。ページTOP

☆2002.03.08 (四日目)

 朝の採血と10時までの採尿にて、ノルマ達成!
こりゃ確かに入院が必要な検査メニューです。事前に2ヶクリアしてなければ、ドンドン期間が長引きますな。。

 手術の日程が決まった、なんと3/14(木)とほぼ一週間先だ。。。医者には「最短コースで宜しく」と頼んでおいたのだが、まぁしょうがない。この間の時間をいかに有効に過ごすべきか考えよう。

 早速午後から手術のオリエンテーションが始まる。まずビデオを見せられた。内容は下記注意事項のデモ版である。

=手術前の注意=
1.禁煙 :術後の痰の処理が回復速度を左右するとのこと。やはり「百害有って一利無し!」
2.うがい:とにかく風邪をひかれたら困るとのこと。これも痰の発生防止対策「一日四回実行!」

=入院中の練習(ビデオの内容)=
1.深呼吸の練習:インスピリックス(INSPIRX)というおもちゃの様な装置で練習します。
2.吸入の方法:私の場合は、寝たままの状態で胸式呼吸のトレーニング。
3.痰の出し方:開腹接合部分を保護して、軽く咳き込んで吐き出す。
4.体の向きの変え方:これは無視して看護婦を呼べと。。体に付く色々な管の外れ防止らしい。
5.寝たままでのうがいの仕方:特に術後翌日は起きられないので、口中不快の場合の対策。
6.管が入ったままの排尿の仕方:(こんなのビデオに無かったぞ?)自然に任せろとのこと。

=準備品一覧(各2組)参考価格は病院売店=
1.腹帯:サラシ(¥720-)/マジックテープ式(¥1850-) ←私はサラシ
2.T字帯:かぶれ防止のノリ取りすすぎを!(¥290-) ←一般薬店が安価でお勧め
3.紙おむつ:(¥80-) ←売店のバラ売りが良い(一般薬店はバラ売りせず)

=前日の注意(抜粋)=
1.毛を剃って、必ず風呂に入って、頭までキチンと洗いまくれ!
  (へそのゴマはただのゴミ、日頃から綿棒で掃除すべき!だって)
2.爪切って、マニキュアは取って、化粧も落とせ!
3.午後9時以降は絶飲食!(アラ、それまでは三食は食べても良いのね?)
4.下剤を飲んで、浣腸するぞ!

・スケジュール
 10:00=下剤・点滴
 12:00=昼食・剃毛・入浴
 18:00=夕食・下剤・浣腸(何処か矛盾を感じる?)
 21:00=消灯就寝

=手術当日(私の場合)=
・スケジュール
 06:00=起床
 07:00=浣腸
 10:00=点滴
 11:00=内服(麻酔対応)
 12:00=注射(安定剤)
 13:00=手術

*一般的に「術式2時間」と言われた場合、前後に各1時間ずつ麻酔対応の時間があるとのこと。合計で「4時間」になるわけですね! 「webで情報が飛び交っているが、是非とも認識を広げて欲しい」だって。ほとんどの身内の方が「時間を過ぎても戻ってこないではないか〜」と大慌てするようです。

=手術後の注意=
・エコノミー症候群の警戒
 →飛行機から降りると同時に逝ってしまうという、機内でジッとしていることで体内に血栓が発生し、急に体を動かすことで血栓が動脈を塞いでしまう現象。
 →手術翌日は両足にマッサージ器を付けて、血流を促しています。
 →手術後二日目から「歩け、歩け!」
 →痛み止めは使用可能(術後の痛みは我慢するモノではない、ドンドン言って!)とにかく歩け!

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 オリエンテーションの後は、B棟(消化器科)からA棟(外科)へお引っ越し。マウンテンビューサイドから、藤枝駅前の夜景を満喫できる景色にチェンジ。昼間は遠くに焼津の海岸線が見えるまさにオーシャンビュー?

 オーシャンビュー?タイプ


 同室は私が一番乗りで、すぐに「中小企業の工場長で、ドックに入ったらいきなり胃のポリープで緊急入院させられたオヤジ(55)。(2/25から入院しているが、手術は私より1日遅いという)」が入ってきた。私が早い手術を熱望していたのが、多少は叶っているかもしれないのだなぁ〜 もう一人「隣の患者のいびきで寝られないのでこちらに引っ越してきたジジ(78)」このジジは「先日急性盲腸炎の手術をし、体中の膿を出しスッキリした」と言っているが、廊下を飛び回っている・・・ 「ホントに数日前に手術したの?」 ちなみに一つは空きベットです。

 「復帰が先になりそうです〜」と会社に連絡を入れた。「仕方あるまい!後々響かないように完全に直してこい」という相変わらず心暖かいお言葉、全く嫌みがありません。入社以来十数年同じ所属、私の事を判っている方々だけあって、私も隠し事をせずに全部喋っちゃいます。「年度末なんで協力会社への支払いが一番気になりますぅ〜」「とりあえずはんこ押して払っときゃ、倒産して訴えられることは無いって、ガハハハハッ」ページTOP
☆2002.03.09 (五日目)

 同じ病院の中でも、各病棟で特色があるものだと感じる。ここ外科病棟は、毎朝担当のナースがあいさつに来るのだ。いや消化器科も来たけど、検温の時に名のる和み系って感じ。外科は体育会系っぽく、部屋に一歩入って名のって去る感じ。おそらく各科の先生や婦長さんの方針なのではないかな?(どちらも礼儀正しくて気持ちがいいです) でも外科ナースの方は、患者の手術に対する恐怖感をそらそうとしているのか、意識的に雑談をしてくれます。

 ナース個人個人の知識の豊富さには驚かされます。例えば胃ガンの手術を待つ患者が「食事に30分以上掛けろというのは、一口に時間を掛けろというのか?全体の流れに時間を掛けろというのか?」という問い掛けに対して、「両方です!まずは胃の消化作用を助けるために、口の中でたっぷりと唾液を絡ませ、歯で粉々に砕いてから胃に送ってあげたい。また胃を半分取ってしまうのですから、今までのペースで次から次へと胃に食物を運んでいたらパンクしてしまいます。一回一回に時間を掛けることで、胃の負担を軽くしたいのです」と若いナースがスラスラと回答してくれる。別のナースに突然薬に対する問い掛けをしても、患者としては安心できるだけの答えが返ってくる。これは非常に大事なこと。自分の業務に対する必要最低限のことかもしれないが、患者からしてみれば自分の命を預けているのだ。「即答」されることで得られる精神的な安心感は、「大丈夫」という曖昧な言葉よりも格段に大きいモノがある。「判らないから調べてくる」とか「忙しいから後で」などと言われたとしたら、心のモヤモヤがどれだけ精神的に悪影響を与えるのかは知らないが、即答との差は歴然としているだろう。そういった意味で彼女たちは立派なプロだ!なんでまたこんな大変な職業を選択したのか判らないが、しっかりと職務を全うしていると評価してあげたい。(私の職場の何人かに、彼女たちの働きぶりを見せてあげたい。。。アァそんな人に限って、見せても何を言いたいのか理解して貰えないだろうなぁ〜)

"病院内探索で見つけた「滝」" 昨日は電話掛けまくり〜の、病院内探索しまくり〜ので、ベットに居る時間が少なかったのだが、今朝になって担当の若先生(二人の内、若い方/外科は必ず二人付くそうだ)が「やっと捕まえました」と挨拶にやってきました。今の症状を確認した後に「ところで先生、本当に外出・外泊は許されないのですか?」と確認する。すると「エッ?ミヤサは若いし、やることないし、申請してくれれば良いけど?」とのこと! 「いやはや、昨日こちらに引っ越すなりナース3人に確認したのだけれど、全員が口を揃えて『絶対に無理です』と怒り出したのですヨ、『大先生から許可が出る訳がない』とも言ってました」 「ハハ〜ン、外に出て痛み出して緊急に戻ってきたり、風邪ひいて手術を延期させられる人が結構いるので、皆心配しているのです。担当の大先生は胆のう系の手術は凄腕ですが、曲がったことが大嫌いなので聞いても無駄ですからネ〜」 「んじゃ、私は聞くべき人に許可を求めたのですね!」

 ということで、午後から仮出所して自宅に二泊、3/11(月)昼食頃に戻ってくる申請を直接"若先生"に出して、無事脱走することに成功しました。帰ってからまず最初にしなければならないこと!当然「丸源ラーメン」を食べに行くことですナ!!ページTOP

☆2002.03.10 (六日目)

 入院中の退屈な時間を有意義に過ごすために、図書館に行って本を借りまくる。古本屋へも行ってみたが、ナカナカ欲しいジャンルの本が見つからず、良く子供の絵本を借りに行く図書館に足を運んでみた。図書館をもっと有効活用すべき事に、今更ながら気が付きました。。。固い本だけでなく、雑誌・CD・ビデオの貸し出しも行っていたのですね。

 実はこの日は「結婚記念日」でもありまして、ぺこちゃんの「不二家」へ行ってケーキを買ってきました(お店の選択に芸のないコト)。まさか自宅に戻ってくることなど出来るとは思っていなかったため、一週間前に「フレンチ・ディナ〜」は済ませてきてしまった。とはいうものの何も無いのは寂しいと思い、「フラッ」と寄ってしまった次第です。

妻「何々、こんなモノ買ってきて」
夫「?・・・ ホワイトデーのお返し」
妻「そっか、当日は麻酔で寝てる日だモンね」
夫「??・・・」
妻「明日友達が来るから、その時食べて良いかなぁ」
夫「???・・・ 実は今日、結婚記念日でして。。。」
妻「・・・・・ 半分一緒に食べようかぁ」 ←それでも"明日"を優先する妻

 病人というのは、ましてや"手術"という尋常でない状況が間近に迫っている時は、男でも寂しいモノでして、普段気が付かないような事にも気付くナーバスな生き物になってしまいます。そんな時に上のような励まし?の言葉を頂けると、強烈に心強く?なるのですね!(。。。悲しい)

 先週の「フレンチ・ディナ〜」と、これからの入院&手術費の関係上、この日の夕食は「カレーライス」だったのだが、病院ではある事件が起きていたそうだ。実はこの日の病院食は「寿司」だったのだ。「なんで私が居ない時にそんなことになっているのだ〜(TT)」 先日も私の絶食中に「カキフライ」が出たりして、シェフと私の気が合っていないことは感じていた。しかし、ここまで酷い仕打ちを受けると、泣けてくるゼ。。。(よって画像はゲット出来ておりません)   。。。待てよ、手術当日の献立が気になり、慌てて見てみると「鮪の山掛け丼」になっている。絶対にシェフは私に恨みを持つ人間に違いない! どうして私の具合の悪いときに限って、刺身が出るんだ〜(▼▼)!<他の日は全て"煮るか焼くか"であることを確認したゾ> そういえば唯一私が刺身を口にした日(3/7)は、嘔吐して食事を止められる危険性が非常に高い日であった。是非今度シェフにお会いしてみたい・・・ <つまらない偶然に、卑屈になる病人であった>ページTOP

☆2002.03.11 (七日目)

敷地内のバス停に「ノンステップバス」 残された午前の自由時間をフルに使って、銀行や保険会社とのやりとりに時間を費やす。
病室に戻ると、空きベットに新人君が入っていた。「3/7に倒れて緊急手術。十二指腸潰瘍で大きな穴が空いていたため、当日の内に大腸の肉を移植して穴埋めした兄ちゃん(23)/茶髪で二人の子持ち」だそうだ。なんでも千葉県人で、出張中での出来事なんだそうで、これまた明日に退院するとのこと。内視鏡での術後五日目に退院、一般的にいわれる理想的な行程だ。是非とも私もあやかりたいモノです。

 同室の隣のジジ(78)がモノ凄いお話好きで、口をつぐんでいる時が全くない。いや、話している内容が非常に楽しいモノなので、個人的には大歓迎である。今も消灯後の真っ暗な中で、ナースがジジの所に「忘れ物(はさみ)してない?」と来たのだが、ジジは「おやすみのKISSだろ〜」と実にスムーズに受け答えしてしまうのだ。私はスタンドの灯りでPCを叩いていたのだが、口に含んでいたお茶を見事に辺りにブチまけてしまった〜 (すみません、カーテンにお茶のシミを付けたのは私です。。。)ページTOP

☆2002.03.12 (八日目)

この頃のヘリポートは、まだ化粧無し 病院の階段(怪談。。)
小学生の頃「絞首刑台の階段は十三段なんだって〜」などという話をしていたことをフト思い出したのだが、ここの病院の階段は「十三段」なのです。。。 意識的に数えたわけでなく、運動不足解消のために階段を使用しているのだが、たまたまリハビリをしていた爺様が居て、カウントしながら昇って来たのサ。 「・・・十一、十二、十三、フーッ」 オィオィ、嘘だろ? 自分で数えてみる。「・・・九、十、十一? 騙された。。」 その時はそう思っていたのだが、今日毎朝恒例の「一階トイレ・ウンチタイム」の帰りに、何気なく数えながら昇ってしまった。「♪〜一、二・・・十一?、十二(エッ)、十三(TT)」 なぜか一階から三階に掛けての階段のみが「十三段」で、他は「十一段」なのだヨ。。。 オ〜ィ、帰りたくなってしまったゾ〜〜 (一&二階は診察関係の部屋があるため、天井を高くしている構造上の都合なのだろうけれど、何も十三段にしなくても。。)ページTOP

☆2002.03.13 (九日目)

 いよいよ明日はホワイトデー、、、ということは「手術記念日」! 今日はここ四日間と比べたら、かなりハードなスケジュールとなりそうです。しかし心配していた「絶食」は、前日に限っては無いとのことでかなり安心しました。何事も無いときの絶食は、体にも心にも良いモノではありません。

ミヤサの輪切りで御座〜い!(本物)10:00 = 時報と共にマグコロール(下剤)を内服
11:00 = 抗生剤(化膿止め)のテスト・3種
       (・・・私は下剤と非常に相性が良いようで、
          既にこの時間にお腹はコロコロです。。)
12:30 = 手術内容の説明
        → 妻と母の立ち会いのもと、明日の手術の
           説明を受ける。

医:「写真見ました?」
私:「いえ、一度も・・・」
医:「では見ながら状況の説明を!
  まず胆のうですが、おそらく現状でも機能を果たしていない程に萎縮しています(萎縮胆嚢)。
  ERCPの結果でも、造影剤が入っていきませんでした。多少刺激を与えてもダメです。
  CTでもその状況が判るのですが、胆のうの影も形も見ることが出来ません。
  代わりに見つけることが出来たのが、15mm以上ある見事な胆石です。
  珍しいくらいに大きくきれいなモノです。滅多にお目にかかれません。。
妻:「持って帰れますか?」
医:「残念ですが、当院ではそのような対応はしておりません。デジカメの写真は渡せます」
私:「レントゲンとCTの画像データは戴けますか?」
医:「・・・そのような依頼を受けたのは初めてですが、、、SCANしてMOに焼いて、、」
婦長:「先生ッ、倫理委員会が許可しません!」
医:「・・・すみません、調子に乗ってしまいました。。ダメです」

医:「手術ですが、基本的に内視鏡で行います。この方法で8割以上いけると思います。
  所要時間は長くて2時間、麻酔の時間と合わせて13時〜17時までの手術となります。
  実は萎縮した胆のうの摘出は困難な場合があります。周りへの癒着が考えられます。
  その場合は開腹に切り替えますのであらかじめご理解願います」
母:「手術中に付き添いへの確認があるのですか?」
医:「いえ、我々の判断で変更します。
  内視鏡の場合、体に4ヶ所穴を開けます。へそ下に10mm、胸下に5mm、右脇に3mm×2。
  術後は胸下の穴にドレーンを通して、胆のう動脈の止血と、胆汁の漏れ(胆汁漏)を確認します。
  順調なら2日で取れ、後は痛みと相談しながら日常生活に支障なしと判断されれば退院です。
  一般的には一週間あれば十分でしょう!
  合併症の心配として、今言った「出血」と「胆汁漏」がありますが、発見次第対応します」
私:「最悪開腹となった場合、やはり二週間は必要なのですね。。」
医:「抜糸までに最低一週間、通常はあと一週間は様子を見たいです」

14:00 = 剃毛(きゃ〜ぁ)

私:「ヒゲも剃れと言われたけど、なんで?(←入院後、一度も剃っていない)」
ナ:「全身麻酔の際に邪魔になると言うか、マスク装着に若干支障があるので」
私:「じゃ、普段ヒゲを蓄えている人も強制的に??」
ナ:「麻酔科の先生と個別相談になります」
私:「剃毛は患者が自分でやるんじゃないんだ」
ナ:「一応程度の確認があるので、こちらでやることになります。
  でも、3ヶ月前に電気バリカンが入って、かなり楽になりました〜」
私:「てっきりカミソリでじっくりと剃られるモノと思ってましたヨ」
 (ちなみに「フルチン」にはなりませんので、笑われず?に済みました)

 → ナースは1年目の新人ですが、質問に対する「即答」はやはり気持ちがいいです!

18:00 = 麻酔担当医からの説明

 → 本当にくどいように聞かれますが、「煙草・喫煙頻度」の確認です。
   幸いにもほとんど喫煙機会が無いためクリア! とにかく「痰(たん)」に苦しむようです。

医:「明日は内服薬で午前から準備していきます。
  実際の麻酔は手術前に行うのですが、先に手術中に胃へ空気が入るのを防ぐために、
  鼻から胃に管を通します。空気が入ると手術中に内臓が動いてしまうのです」
私:「意識が有るウチに? 私胃カメラで相当苦しんだのですが・・・」
医:「鼻から喉に通すときに抵抗があると思いますが、それほど苦しまないと思います。
  次に口に酸素マスクをあて、麻酔は腕から注入します。
  更に口から気管に管を通しますが、意識の無い時に入れて、術後外しますので本人は気付か
  ないでしょう。これは肺に空気を送るためのもの。
  手術が終わり次第、麻酔から醒まします。意識の確認をしますので、判ったら反応して下さい」
私:「麻酔って事前に時間が決まっているモノと思っていたのですが、意図的に醒ますモノ
  なのですね」

 明日の準備をしている中で、今まで検査などでお世話になった他科の先生方が、わざわざ部屋まで「頑張れよ〜」と声を掛けに来てくれる。廊下を歩いていても自分のことを覚えていてくれて、一声掛けてくれるのだ。なんか凄い!感動!!(エッ、大病院では普通なの?)

 「最後の晩餐」は悲惨なモノだった。常日頃、家では「おでんとコロッケは夕飯のおかずにならないから、勘弁してよね〜」とお願いしているのだが、よりによって今晩は「コロッケ」でした。。。明日の夕食は「鮪の山掛け丼」ですぜ! 『おらぁ〜、シェフに会わせんかい〜、一言文句言ったるワィ〜』
<←ワガママで大人げない病人です。。>ページTOP

☆2002.03.14 (十日目)

07:00 = 浣腸

ナ:「やったことあります?」
私:「記憶に御座いません」
ナ:「最低5分は我慢してもらいたいです〜」
私:「多分無理、昨日から出血大サービスしているくらい、今もピーピー」
ナ:「無理しないでいいです。終わったら流さずに呼んで下さい」
 − よ〜いスタート! い〜ち、に〜い?(アレッ)、、、ギブアップ −
私「2分も耐えられませんでした。。。」 <←その仕草はまるで子供のようであった>

09:30 = 個室に引っ越し
10:00 = 点滴(SOLITA−T3/500ml) ←食事の代わり
10:30 = 手術室担当のナースが、処置内容の説明に来る

12:00 = 麻酔前の内服薬
13:00 = 手術室入室

 手術台って狭いのね、両手を前に組まないと乗れないほど。約束通り鼻から管を通されて「はい、飲み込んでくださ〜い」と無理な注文。ゲロゲロしながらも無事に胃まで到達し、酸素マスクを口にあてられる。「それでは腕から麻酔を*@\;?%#・・・・・(記憶は彼方へ)」 ←私は麻酔とも相性が良いようです。

デ、デカイじゃないか!?17:00 = 手術終了

(意識朦朧の中で覚えていること)
私:「いて〜、いて〜、いて〜」
医:「これが石だ!(ガラス瓶の中に大きな玉2ヶ)」
私:「それよか、腹切ったんですか?」
医:「いや、切らずに済んだゾ」
(その一言で、再び意識が遠のく)

・・・どうやら周りには妻・子供たち・親父・お袋・妻方母が居たらしい。子供たちが代わる代わる手を握ってくれるのが判る。手術前に用意しておいた会社宛メールを、妻に発信してもらうように頼む。「内視鏡の方だぞ、開腹じゃね〜ゾ!」(病院内にも関わらずご免なさい) 「まだ仕事のこと考えてるのか?(父の声)」 何かいっぱい話しかけられたような気もするが、ほとんど覚えておりません。

 暫くして若先生がやって来た。
若:「ありゃ?みんな帰ってしまいましたか。。(身内は退散済)。約束の石の写真持ってきたぞ!」
私:「結構大きい方ですか?」
若:「大きいネェ〜」
私:「コレステロール系とかいう奴?」
若:「これから解析するけど、見た目はビリルビン系黒色石かな・・珍しいよ」
私:「実は開腹するモノと決め込んでいたのですがネ、癒着は少なかった?」
若:「いや、それなりに癒着もあったし苦労した。脂肪も多くてね、胆嚢の周りも皮下にも」(←デブ)
 (通常は1時間少しあれば終わる手術だが、2時間近く掛かったそうだ)
私:「CTの方は貰える?」
若:「・・・しつこいネェ〜」
 (実はこの会話、後で聞いて思い出しまして、ほとんど記憶にありません。恐るべし麻酔!!)

 この日の夜はとにかく痛みで眠れず、何度も痛み止めの点滴をお願いする。傷が痛むというよりは、体中を象に踏まれているような感じがして、全身が痛くて堪らない。動こうとすると傷が痛み、寝返りが出来ない。仕方なく都度ナースコールをして、寝返りの補助をお願いする。また点滴の効果は絶大で、開始と同時にアッという間に落ち着いてしまう。しかし長い時間(2H位なのか?)効果が継続しないらしく、痛みと共に目が覚める。

 どうやら一度吐いたようだ。それもご丁寧にナースコールをして、吐く環境を整えてから催した模様? 朝言われてよく考えてみると思い出すのだが、、、そういえば「嘔吐40cc、痰も混ざってます」とかいうナースの声を聞いたような気がする。。原因を聞くと「麻酔で酔ったのでしょう!」とあっさり言われてしまった。異常事態ではなくホッとする。ページTOP

☆2002.03.15 (十一日目)

 辺りが明るくなって周りを見回してみると、身体にやたらと線が繋がっている。両足には血栓防止のマッサージ器、右腕に点滴、左足と胸に心電図の電極、右指に酸素計、口には酸素マスク、そして○ンポには排尿管。。。朝の検診の内容に問題が無いとのことで、大先生から取り外しの許可が降りる。ナースに「ちょっと気持ち悪いと思いますが〜」と言われ「何が?」と聞く間もなく"○ンポの管"を抜かれる。『オエッ・・・』 内臓まで一緒に抜かれると思ったゼヨ。

 朝食はお茶のみ。予告通り朝から早速歩かされる。「歩かなきゃダメですよ」と言われるから、渾身の力、、いや気力を振り絞って立ち上がり廊下を歩いてみたのだが、ナース室の皆が「もう歩けるのですね?」って。。コレコレ病人をからかって何が面白いのだ(▼▼)。お前らが「歩かなきゃ死に繋がります」と脅かしたのではないか〜! しかし回復はかなり早い方の部類に入るようで、自分でも安心する。さて、いつ退院しようか?

 超音波式ネブライザ(痰取り、一日三回:各5分)を始める。しかし私の場合、痰は出ないようだ。しかしのどの奥に違和感を感じたため、鏡を覗いてみると、、、なんと扁桃腺が通常の2倍位に延びてしまっている〜 慌ててトローチを処方してもらう。
 抗生剤(化膿止)の点滴を日に二回、二日間。加えて痛みを我慢できない時に、リクエストによって痛み止めを打つ。

 昼食は流動食。重湯を生まれて初めて口にしたが、これは食べ物ではない・・・ スープ類のみを口にして、重湯はほとんど残しました。

 特に傷が痛むというわけではないが、全身が気だるい感じ。。何をする気にもなれない。ナースの話では「内視鏡術は身体に二酸化炭素を入れて、お腹をフグのようにパンパンに腫らせるため、その影響で全身が疲れてしまったのかもしれない」という。仕方がないので痛み止めの点滴をお願いし、ひたすら横になって身体を休めることにする。夜も眠れないのかと気になったが、何度も目を醒ましはしたモノの、どうにか何事もなく薬も使わずに朝を迎えることが出来た。ページTOP

☆2002.03.16 (十二日目)

ヘリポートに「白十字」が入る! 今朝から五分粥食となる。まぁなんとか味的にも食べることが出来る。
昨日からの気だるさがどうも消えない。。

 朝の回診時に傷口を確認。胸下のドレーンから出る浸出液に汚れもなく、異常な量も無いとのことでドレーンを外すことになった。すると、、、、、ア〜ラ不思議、まるで催眠術から醒ましてもらったかの如く、もしくは魔法を掛けてもらったかのように、気だるさが無くなり傷の痛みも軽くなってしまった。ベットから身体を起こすことにも苦労していたのに、全く問題なく健康体の時と同じように起きることが出来るのだ!(問題が解決する時というのは、得てしてこんなモンだ)ページTOP

☆2002.03.17 (十三日目)

 食事はトントン拍子に全粥食へ。ほとんど一般食と変わらない内容。「食べ物は捨ててはいけない」というポリシー?を持っているため、入院してから出された食事は残したことがない(重湯は除く)。って、それだけ体調には問題がないということでしょう。

 待ちに待った朝の回診! 傷もふさがり、腹帯も撤去。「今日退院できます?」と聞いたら、、「担当のドクターが居ないから判らない」と曰う。。。。。『ガ〜ン』 今日は日曜日、通常の半分のナースで業務を対応し、看護助手は全員休み、婦長さんも居ないということで、手続きも段取り良く進むわけがないため、スンナリと明日交渉への延期を自分に納得させる。

 日曜日ということもあり、何処の部屋も見舞客でごった返している。私のベットも例外でなく、昨日今日とお客様が多い。会社の先輩も顔を見に来てくれた。

先:「居た居た」
私:「すんませ〜ん」
先:「意外と元気じゃん」
私:「昨日の午後から復活しました!迷惑掛けてません?」
先:「全然大丈夫だよ〜」
 (う〜ん、やっぱり私は必要とされていない存在だったのね〜)

 しばし来年度の会社の方向性の話をして、自分の収入が間違いなく少なくなるであろうことを確信する。見方によっては、給料がゼロになるわけではないのが救いであると、前向きに考えることにする。具体的には話して貰えないが、口振りから組織改編もかなりの規模になりそうな気配を感じ取る。丁度検温の時間になったので計りながら話をしていたのだが、やはりお金の話で興奮してしまったようで、入院以来の最高体温を弾き出してしまう。ナースが回収に来たが「まだだよ」ととぼけて先輩が帰った後に計り直すと、やはり平熱であった。(危ない危ない、明日の退院計画が却下されてしまう)

 入院最後の夜になるであろうと、残ったテレビカードを使い切ってしまうべく、普段はあまり見ないテレビをつけっぱなしにしてみた。たまたま「さんまのからくりTV」を見てしまったのだが、あまりのくだらなさに大笑い〜 「まずい、私の腹部の傷はまだ完璧に塞がっていない〜」 腹が痛くて痛くて堪らない〜 この日ばかりは「セイン・カミュ」を恨んでしまった。 『がーはっはっはっはっ、、、くっだらねぇ〜っへっへっへ、腹が痛〜〜いッ』ページTOP

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