解  説




manyoukoiuta

万葉孤悲歌

〜 光の春は花咲きて、風の音秋は葉ぞ匂ふ 〜


若き日の恋は胸の奥深くたたまれてある。それを万葉の言の葉にのせて歌うならば…。

   青雲の たなびく春の 恋遠く 浪速は花の 盛りなりけり
   朱の日の 淀の大川 照る夏を 行きしや君と 道の恋ひしけ
   白雲の 生駒が峰の 秋の葉の 匂へる道に 逢ひし妹はも
   玄冬の すがしき雪の 河内野を 行きしふたりの 恋ひし日もがも

 この曲は森内賢一氏作歌による万葉歌をもとに作曲したもので、若き日の思いを箏、
十七絃の音に託し描いたものです。曲は万葉集の大家である犬養孝氏考案による犬養節
に導かれ、日本情緒豊かなものとなっています。

2007年10月 作曲