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授乳時の楓はワイルドというか、ちょっと野生動物っぽい。
それまでどんなに泣いていても、おっぱいをくわえるとぴたっと泣き
止み、夢中で「はむはむはむっ」と吸い始める。口はまるで吸盤の
ようにピタッとくっつき、簡単に引きはがすことはできない。
目は一点を見つめたまま、脇目も振らず一心不乱に吸い続ける。
動物の本能そのままという感じだ。
が、最近の楓はちょっと様子が変わってきた。
吸い始めて1~2分で自分から口を離してしまう。まだ要るでしょ?と
もう一度口元におっぱいを持っていくと、はむはむと吸いつくものの、
またすぐに口を離してしまう。何度やっても同じで、しまいには
飴玉かなんかのようにおっぱいを口に出し入れして遊び始める。
どうやらこの時期、周囲の様子に興味がわいてくるのと、おっぱいを
効率よく飲めるようになり余裕が出てくることから、この「遊び飲み」
が始まるらしい。
つまり、気が散りまくり
特に夫の動きには敏感で、近くを通りがかると飲むのをすぐにやめ、
のけぞって目で追いかける。声が聞こえると「なに?」と怪訝な顔で
私を見上げる。この習性を利用して、授乳を手早く切り上げたい時は
夫から「はい楓、ごちそうさま」と声をかけてもらう。
まんまと策にはまって口を離してしまい、そのあと続きを飲もうとして
「あれ?おっぱい無い」という顔をしている楓がなんとも可愛い。
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