罰金(交通違反)

2009.10.20
スイスの横断歩道は黄色。渡ろうとすると、必ずといっていいほど車のほうが一時停止し、ドライバーがジェスチャーで「どうぞ」と合図してくれます。ずいぶん親切だなあ、心にゆとりがあるんだなあと思っていたら、これはマナーではなく交通ルール。
歩行者に優先権があり、無視すると140フラン
(約12,600円)の罰金なのだそうです。

歩行者にはとても優しいルールですが、運転するほうの身になってみると結構大変。「車は止まるもの」と信じきった歩行者が、左右も確認せずスタスタと車道に出てくることも多く、横断歩道の多い道ではかなりの緊張を強いられます。さらにトラムも走る道だったりすると最悪です。
(優先順位は牛>トラム>人>車・チャリ、あっ牛は嘘ですが、でも家畜に道をふさがれる事は結構あります)

  
   
海外で車にひかれるスイス人、いそう。。。

バンの前にあるのが「ギザギザ停止線」。なので一時停止中。
このギザギザが無い場合も右優先なのでやっぱりセダンの勝ち。

 
信号や標識のない交差点で車同士がばったり、となった場合、優先権は「ギザギザ停止線」と「右優先ルール」で決まります。

路面に白いギザギザが描いてある場合、ギザギザの有るほうが一時停止し、無いほうに道を譲ります。どちらにもギザギザが無い場合は、右方向からくる車が優先となります。

道幅は関係ないので、広い道を走っていて、狭い脇道から車が出てきた場合でも、脇道のほうにギザギザ停止線がなければ右優先となるので要注意です。
制限速度は、市街地では一般道50キロ/高速80キロ。郊外では一般道80キロ/高速120キロです。もちろん標識のあるところはそれに従います。バーゼル市内は30キロ制限のところがかなり多いです。

速度の取り締まりは厳しく、高速、一般道問わず、あちこちに
カメラが設置されています。しかも移動式もあり、油断できません。オーバーするとフラッシュが光り、数週間後に罰金の請求書が送られてくることになります。

これまでの経験からいうと、どうも制限速度+10キロ以上で
カメラが作動する模様。中には2連写カメラもあるので、前の
車についていけば安全というわけでもありません。また工事中の
箇所では、ご丁寧に既存のカメラの設定を変えたりもするなど、
まめです。

スイスの標識は、高速道路が緑、一般道が青。
でもフランスやドイツでは高速道路が青、一般道が緑。お願い、統一して!



進入禁止(馬もダメ)

  罰金の金額は、違反した場所と、オーバーキロ数の組合せで算出されます。

【例】 120キロ制限の場所で6~10キロオーバー   → 60フラン
     50キロ制限の場所で6~10キロオーバー   → 120フラン
      50キロ制限の場所で11~15キロオーバー  → 250フラン

つまり郊外/高速より市街地/一般道のほうが高くつき、さらにオーバーキロ数に応じて罰金が跳ね上がっていく仕組み。オーバーキロ数の算出にはなぜか5~6キロのallowanceがあり、たとえば50キロ制限の場所で測定値が65キロでも、60キロとして罰金が計算されます(つまり10キロオーバーで済む)。

その他の罰金額は、信号無視が250フラン、標識無視が100フラン、高速で右車線から追い越しをかけると140フラン、路肩走行も140フラン、運転中の携帯電話使用は100フラン(ハンズフリーならOK)、シートベルトの不着用は60フラン(同乗者も)、
トンネルでの無灯火60フランなどなど。さらに詳しく知りたい方はこちらのリスト(独語)をどうぞ。こちらの記事(英語)は飲酒の罰則についても触れています。

チャイルドシートは現在7歳以下の子どもに義務付けられていますが、来春から対象年齢が12歳に引き上げられるそうです。(参照:Swissinfo.chの記事
他、スイスの運転ルールについてはスイス政府観光局のページにもTipsがあります。

 
カエル注意


なんかわからないけど注意

  車を運転しない場合も油断はできません。歩行者にも罰金規定があります。
たとえば、歩道があるのに歩道以外を歩いた場合は10フラン。50m以内に横断歩道があるのに、使わずに道を渡った場合も10フラン。信号無視は20フランだそうです。
ちなみに、自転車だとこれより全般的に少し上がります。

さすがに歩行者でつかまってる人はまだ見たことありませんが、夫の同僚のイタリア人が引っ越してきたばかりのころ、横断歩道の50センチ横を歩いていたら、近くを歩いていたおじいさんに鬼の形相で「ここを歩け!」とばかりに横断歩道上を指差されたそうです。

ルール厳守の国スイス、公道に出るときは皆様くれぐれもご注意を。
追記(Jan '10):先日、80km制限の道を137kmで走っていたフェラーリに、過去最高となる29万9千フラン(約2,700万円)の罰金が科されました。違反を繰り返す悪質なケースでは、違反者の資産額に応じた罰金が科せられるのだとか。ニュースによればこの違反者の資産は約21億円だそうです。

追記(Aug '10):先日、120km制限の道を290kmで走っていたベンツSLS AMGが捕まり、過去最高となる108万フラン(約8,700万円)の罰金が課せられる可能性があるとのことです。運転していたのは37歳のスウェーデン人(スイスでは外人の犯罪にことさら敏感。やっぱり外人だ、みたいな)で、言い訳はスピードメーターが壊れていた、とのこと。ただ当日ドイツでこの車を売る予定だったそうで、新車に見せかけるためにマイレージを操作し、電源をオフにしていたのではないかとニュースは伝えています。



抜群の存在感。明らかに怪しい。
名付けて「どっしり君」
 
「ハリボテ疑惑」または「中に人が入ってるんじゃないか疑惑」あり

 
さらに追記(Aug '10):
先週から近所の道に移動型オービスが設置されました。そのあまりの存在感に、大抵のドライバーは速度を落とさずにいられないはず。と思っていた矢先、すぐ前を走っていた車がフラッシュたかれてました。30km/hエリアなので、罰金100フラン超えは確実でしょう・・・。その上、こんなに目立つのに捕まってしまった、という自己嫌悪が二重にドライバーを苦しめることでしょう。

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