人生・年齢ーセピア色のノートからー 2014年10月10日 記
卒寿(数え年90歳)を
迎えた誕生日の写真 元鹿児島県衛生部長
日本尊厳死協会かごしま名誉会長 内山 裕
セピア色に褪せた古いノートに書き留められた「言葉」を抜き書きしておきます。
●古代のインドには、人生を四つに分ける思想があった。
「学生期(がくしょうき)」
「家住期(かじゅうき)」
「林住期(りんじゅうき)」
「遊行期(ゆぎょうき)」―人生の最後の締めくくりである死への道行きであるとともに、
幼い子供の心に還っていく懐かしい季節でもある。
●中国の発想にならえば
「青春(せいしゅん)」
「朱夏(しゅか)」
「白秋(はくしゅう)」
「玄冬(げんとう)」―ただ薄暗い寂しい冬枯れの季節ではない。玄とは、玄米の玄であり、
幽玄の世界への回帰を暗示する。
●家族で健康長寿を祝う日
60・還暦―満六十歳で干支が一巡し、生まれ干支に還ることから。
70・古希―唐の詩人、杜甫の「人生七十古来希なり」にちなんで。
77・喜寿―「喜」の字の草書体の形が「七十七」に見えることから。
80・傘寿―「傘」の文字の略字「?」が「八」と「十」に見えることから。
88・米寿―「米」の字を分解すると「八十八」、日本人の平均寿命を超える長寿の祝い。
90・卒寿―「卒」の文字の略字「卆」が「九」と「十」に見えることから。
99・白寿―「百」の字から一を引くと「白」の字になることから。
100・百寿―百歳を迎える長寿のお祝い。百歳以降は毎年祝う。
●中国古代の礼式の規定及びその精神を記した書物として識られる「礼記(らいき)」によると、
人の年齢を次のように表現している。
「人、生まれて十年を幼と言い、学ぶ」
「二十を弱といい、冠を付ける」
「三十を壮と言い、妻を迎える」
「四十を強と言い、仕官する」
「五十を艾(がい)といい、重要な官職政務を扱う」
「六十を耆(き)と言い、多くの人を指揮する」
「七十を老と言い、地位を人に譲る」
「八十、九十を耄(ぼう)といい、罪ありと雖も刑を加えず」
「百年を期と言い、ねんごろに養う」
●青春の詩(サミエル・ウルマン)―マッカーサー元帥が座右の銘として、何時も執務室に飾っていた詩。
青春とは、人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。
歳を重ねただけで人は老いない。理想と情熱を失う時に初めて老いが来る。
●論語
子曰わく、吾十有五にして學に志す、―「志學(しがく)」
三十にして立つ、四十にして惑わず、―「而立(じりつ)」「不惑(ふわく)」
五十にして天命を知る、六十にして耳順がう、―「致命(ちめい)」「耳順(じじゅん)」
七十にして心の欲する所に従って、矩を超えず。―「従心(じゅうしん)」
●福沢諭吉の心訓
1, 世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つ事です。
1, 世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
1, 世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
1, 世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
1, 世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕し決して恩にきせない事です。
1, 世の中で一番美しい事は、すべてのものに愛情をもつ事です。
1, 世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。