健康・終末、私の願い
(2011年12月6日・グランガーデン鹿児島・出前講座)


一般社団法人 日本尊厳死協会かごしま名誉会長  内山 裕

 鹿児島市鴨池にある介護付きシニアマンション「グランガーデン鹿児島」からの依頼に応じて、出前講座としての講話を行った。出席者は約60名・講話時間は90分で、熱心に話しを聴いて貰った。
講話の内容を項目ごとに、以下簡単に整理して記載しておくが、供したスライドを後記するので参照していただきたい。
1、 日本人の死亡原因について、30%が癌で、16%が心臓病で、11%が脳卒中であることに触れ、いずれも生活習慣病であることを力説した。
2、 禁煙に触れ、食生活の善し悪しが重要であること、更に塩分・腹八分目・咀嚼と箸置きなど具体的な生活習慣を説いた。亦現在、病人が増えているという考えよりも、増えているのは加齢に伴う障害であるという視点が大事ではないかとも話した。
3、 老化という現象について話し、「天寿癌」という視点についても触れた。
また、「きんさん・ぎんさん」「日野原先生の健康管理」などを話材に供した。
4、 認知症についても病状の概略と、気づきのポイントと、好ましい介助の特性について話し、認知症への理解を求めた。
5、 延命治療が医療現場では日常的に行われており、安らかに終幕を迎えたいという多くの人の願いが叶えられない現実を、胃瘻などの症例をあげて説明した。
6、 東海大学病院事件などを報告し、安楽死と尊厳死の違いを説いて、リビング・ウイルの内容について説明した。
7、 自己決定権の尊重は、医療の基本であることに関連して、エホバの証人信者の輸血事件に係わる最高裁の判決についても触れた。
8、 終末期医療のあり方について、リビング・ウイルの必要性、逝く者と看取る者との息のあった共同作業の必要性、「する」医療から「いる」医療への切り替えの必要性などを話した。
9、 長寿を目指す医療から、天寿を全うする医療へと、変わるべきではないかと考えていると話し、人間とは、「からだ」と「こころ」と「たましい」とから成る大自然の一部であり、「たましい」=「いのち」は永遠に生き続けると説いた。
10、 いずれその時が来たら、身辺整理を終え、自分が生きた人生をそれなりに納得し、最後は家族友人・とりわけパートナーに感謝しながら、お別れをしたいと願っていると話して結びとした。

(以下、供したスライドを記載しておく。)