思うこと 第6話 平成16年1月15日記

患者さんからのうれしい手紙

 
手足の筋肉の萎縮で苦労しながらも、ある病院でコメディカルスタッフとして頑張っておられる男性の患者さんから現況報告のなつかしいお便りをいただきました。そのお手紙の中に、私にとってはとても共感する文章に出会い、これは多くの方にとって役に立つ、そしてまた役に立てていただきたいと思ったので、紹介します。
 「自分も病院勤務○○年、いろいろなドクターと出会ってきました。大学で頭が上がらないドクターほど、民間の病院に来ると威張りたがる人が多い感じがします。特に大学を辞め民間の病院で院長の役職が付くと、自分が偉くなったと思ってしまい、理不尽な職権をふるう人もおられるようです。人格者でない方が指揮をとる職場は、職場のモラルも低下します。納先生、先生が若者を教育されるときに、知識や技術だけでなく、人間的にも信頼されるよい医師を育ててください。私たち患者の立場からの願いでもあります。最近特に信頼関係の重要性を感じるようになりました。医師と患者、医師と看護師、看護師と患者、職場では上司と部下、家庭では親子の信頼関係がとても大切だとおもうのです。」

 これは、お手紙のごく一部分ですが、私もこのことはとても大事なことだと思います。「思うこと」の第2話、第3話でお話したリーダーシップのあるべき資質とも関連します。医療の分野のみならず、あらゆる職場に共通の課題ですが、医療の場においてはとりわけ重要なことで、医学徒の教育の原点を改めて教えてもらったと思います。