思うこと第49話            2005年11月22日 記

学士編入学生のすばらしさ、すごさ

鹿児島大学医学部が学士編入の制度をスタートさせたのは平成12年であった。毎年10名、医学部2年生の後期(10月スタート)から入学してもらっている。本年も10月に10名の新入学生を迎えた。私はその中の一人の学生の指導教官に任命されたため、歓迎会にも出席させてもらえ、また、オリエンテーションの一環としての90分の講義も担当させてもらう機会を得た。講義をしながら、10人の全てが食い入るように私の話を聴いていて、次々とはなたれる質問の内容に、そしてまた、目の輝きに、私は言い知れぬ感動を覚えたのであった。勢いあまって、彼らに感想文の提出をお願いしたところ、3日後の週明けには全員からレポートが届けられた。そのレポートを読みながら、私は、感動して、幾度も泣きそうになった。すばらしい学生達である。何人かがすばらしいというのではない。一人残らず、10人全員がすばらしく、ほんとうに、すごすぎるのである! 熱いモチベーションをもち、高い目標を掲げ、いい医師に育つために、あらゆる努力を惜しまないと、私に燃える思いを語ってくれた。232名の受験者の中から選ばれた10名であるから、23,2倍の競争率をくぐりぬけてきたのであるから、同君たちがとびぬけて優秀であることは当然ともいえるが、私はむしろ、“これまでの経歴や面接の結果をも大きく加味して選考する鹿児島大学の選考方法”が正しかったことを証明する事実でもあろうと思う。 今年の学士編入生は6期生にあたり、すでにこれまでの5年間にわたる先輩達がすばらしい実績を示してくれていて、学士編入生が一人でも加わっているポリクリ班(臨床実習小グループ)は、班全体のモチベーションが高いことは日頃経験してきていた。ただ、今回は、はじめて、もっと近いところから学士編入生を知り、私は、同君たちが鹿児島大学医学部を引っ張って行ってくれると確信したのであった。今回の6期生が授業に参加して1ヶ月半を過ぎたが、10人はいつも教室の前列に朝早くから陣取り、熱心に授業を受けるので、それに影響を受けて、その他の学生達も刺激され、授業を受ける態度に大きな変化が起こっていると聞いて、さもありなんと納得し、うれしく思った次第である。