第48話    2005年11月10日 記

世界神経学会に参加して

今、シドニーから発信しています。ここで開催されている世界神経学会総会は4年に一度開催されることから神経学会のオリンピックとも呼ばれています。私は、先回の2001年のロンドンでのこの会でも「HAM研究の最近の進歩」のテーマで講演したのでしたが、昨日も同じテーマでこの4年間の研究成果を中心に講演したのでした。多くの方々から、HAMの研究がこの4年間ですばらしく進展しましたね、との言葉をもらいましたが、一日も早くこの病気の完全な治療法を確立するという私達に課せられた責務を再認識することでした。
現在世界神経学会の会長 (President) は我が国の木村淳先生ですから、今回のプログラムの表紙(左上写真)をめくったところに、木村先生の会長挨拶が載っているのには(右上写真)、私たちまでもが誇らしい気持ちになることでした。昨夜の木村先生のお話では、本総会が始まる3日前に、この総会をターゲットにしたテロが計画されているという噂が流れ、参加者が激減するのではないかと懸念されたそうですが、幸い犯人グループがテロ決行前に逮捕され、ホッとされたとのことでした。結果的には6000人の記録的参加者で、大成功裏に学会が進行していると喜んでおられました。また日本からの参加者も多く、この学会は日本の神経学のレベルの高さが目立った学会でもあったと思います。
以上、シドニーから 納 光弘