思うこと 第294話           2014年5月31日 記

長尾 和宏先生の講演『在宅での平穏死』に感動

 今日、鹿児島県市町村自治会館で行われた長尾 和宏先生の講演は、250名の市民が参加して、熱気あふれる中での講演で、主催者の私たちはもとより、聴衆の殆どからも最高に感激したとのアンケート結果をいただいた。

演者の長尾先生は日本尊厳死協会の副理事長であり、かつ『在宅医療』の日本の第一人者として知られている方である。


会場に駆けつけてくださった市民の方々の写真を示す。

一時間半に及ぶ先生の講演は、

上のスライドにあるように『平穏死』に関する説明と、先生がこれまで在宅診療の中で看取りを行った膨大な数の患者さんの実話で、生の映像を使われてのお話は、言葉で現せないほどのインパクトで我々に迫ってきた。

 先生は、日本尊厳死協会は『安楽死』に反対の立場を取っている事を話され、『尊厳死』とは『自然死』と同じ意味で、長尾先生は『平穏死』という言葉を好んで使っているとのことであった。
お話の内容は下に示す先生の著書に準じたものであった。

 この本は、まだ読んでおられない方にはぜひとも読んでいただきたい本です。
先生は、とても多くの本を出版されておられ、代表的なものを挙げると、『抗がん剤・10のやめどき』、『胃ろうという選択、しない選択』、『平穏死という親孝行』、そして、最新刊『ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!』がある。

 先生は、在宅での平穏死は理想の姿であるが、日本の現状は、それを行ってくれる医療機関があまりにも少なく、結果的に大半の方が病院での延命中心の医療の中での病院死という不幸な最後を迎えていることを憂えておられた。

 幸い鹿児島県は、松尾 敏明先生(田上記念病院)方の努力で、看取りをしてくださる在宅診療医のリスト(下に提示)が完成していたので、松尾先生のご許可を得て、今回の講演会でも配らせていただいた。


講演会の最後は、上原 充世理事(日本尊厳死協会かごしま副会長)の長尾先生への謝辞で締めくくられた(下写真)。

記念すべき、すばらしい講演会であった。