思うこと 第278話           2008年7月3日 記

HAMが特定疾患(難病)に指定されたことの意義

 6月24日の南日本新聞の一面の中央に掲載されたニュース(下写真)は最高にうれしいニュースであった。

 HAMの起こる機序についてはかなりのところまで解明することに成功したが、治療法に関してはまだ目標とする根治療法の確立までには道半ばの状況である。私自身は昨年3月に鹿児島大学を定年退職して研究の第一線を退いたが、鹿児島大学を中心に、全国の研究グループは今も必死でHAMの研究と取り組んでいる現状である。私は、HAMが厚生労働省の特定疾患(難病)に指定され、そのうえで治療費助成のある特定疾患に指定されることが必要であると考え、『HAM友の会』の皆さんと一緒にこのことを関係各方面に訴え続けてきた。今回のHAM特定疾患(難病)指定は画期的な出来事で、これでHAMの治療研究にはずみがつくことは間違いない。現在厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されている疾患は今回のHAMを含め123の疾患で、このうち、医療費助成を受けられるのは45疾患である。HAMもいずれこの医療費助成を受けられるようにもってゆく必要がある。
 同じ南日本新聞の27面には、HAM患者の全国組織の菅付加代子代表の談話が載っており、

全く同じ気持ちで、感慨無量である。
 厚生労働省の特定疾患対策懇談会(金澤一郎会長)と厚生労働省の疾病対策課の方々の熱い心に感謝すると同時に、何よりも、ここまで心を一つにして頑張ってこられたHAM患者の全国組織『アトムの会(菅付加代子代表)』のご苦労に敬意を表したい。また『アトムの会』に暖かい声援を送り続けてくださった報道関係の方々の力添えも大きかったと思う。この場をかりて御礼申し上げる。
今後、HAMを根治できる治療法の確立と、治療助成の指定という二つの目標に向かって、さらに頑張ってゆきたいと思う。