思うこと 第272話 2008年5月1日 記
井形先生の尊厳死の講演に思う
井形昭弘先生の講演『健やかに生き、安らかに死ぬために』には180人を超す方々の出席があり、とても盛況であった。
井形先生は、いつものようにとてもお元気で、今年の9月には80歳になられるお年を微塵にも感じさせなかった。
52枚のスライドを使って話され、全てのスライドは印刷されたものがレジメとして出席者全員に配られたので、とても分かりやすかった。その中から、ここでは12枚のスライドを若干の説明を加え紹介する。
これは、人生の終末のあり方を通して、なぜ、尊厳死が重要かについて一緒に考えようと言うものである。
すなわち、最後の2行に先生の主張がこめられている。
尊厳死は自然死とほぼ同義であり、在宅で最後を迎えるのが理想であるが、それが出来る人の割合が少なくなっていることが問題である。ホスピス、特に在宅でホスピスケアが受けられるように出来る環境整備が重要である。
世界の、そして日本の尊厳死思想の歴史を詳しく話された。
現在、とても重要な課題が尊厳死を可能にするための法的な整備であることが説かれ、
そのための議員連盟が超党派で組織されたことが紹介された。
ここでも、臓器移植の法制化を成功させた井形先生ならではのステップが着々とすすめられていると感じたのであった。
厚生労働省のガイドラインも、
日本医師会のガイドラインも、重要なステップとして井形先生は評価しておられるとのことであった。
尊厳死運動に対する反論を具体的にあげられ、
それが、意味なき反論であることを示してくださった。
これが、最後のまとめのスライドで、私達聴衆は深い感銘でこのまとめを聴かせて頂いた。