思うこと 第260話   2007年10月3日 記
                    10月4日 開会式写真の説明を追記

上海「スペシャルオリンピクス」に招待されて−その3−
−開会式の感動−


 昨日、2007年10月2日、午後7時開始の知的障害者のスポーツ大会、スペシャルオリンピックス夏季世界大会の開幕式は、本当に“スペシャル”なもので、感動した。昨夜の興奮を思い出しながら開いた今朝の朝刊の見出しも“Something special starts in Shanghai”となっていた。胡錦涛国家主席が知的障害者の施設を訪問している写真の下の白髪の老婦人こそはスペシャルオリンピックスの創立者であるジョン・F・ケネディの妹のユニス・メリー・ケネディ・シュライバーさんで、この開会式でも主賓席に臨席されていた。

 一昨日の夕刊の記事には翌日の開会式のことがトップで報道されていた(下写真)が、それによると、。

大会には164の国・地域(あえて地域と断ってあるのは台湾など国とは呼べないため)から10207人の外国からの参加があり、選手の参加は7291とのこと。8万人収容のスタジアムは超満員であったので残る大半が中国本土からの参加者であったことになる。この報道では、4万人のボランティアと10万人の工作員の体制で臨み、明日の開会式の準備は万全であると記されている。

ホテルからは目の前の会場に歩いて行ったが、なるほど、周囲の道路は車は入れないようにして、ものものしい警戒であった。午後4時半にホテルを出て、帰ってきたのが午後11時であったから、6時間半かかったことになる。5時半に着席し、10時半に閉会したので5時間トイレにも立たずに座りっぱなしたことになる。しかし、この5時間は感動の中であっという間の出来事のような気がした。座席には、全員参加のマスゲームのための下に示す5つのアイテムが置いてあった。

もちろん、座席により花と布の色は異なっていた。
7時開幕までの間、マスゲームのためのアイテムの使用方法の説明があり、いい勉強になったと同時に、さすがマスゲームの先進国と感心した。
午後7時、胡錦涛国家主席と来賓のVIPの着席とともに、選手入場に先立つ太鼓による歓迎のイベントが行われた。

引き続き、164の国・地域各国の選手団が次々入場し、

胡錦涛国家主席はそれぞれの国が入場するたび手を挙げて歓迎の意を表した。

私は日本の選手団の入場に対する会場の人々の反応を知りたくて、まさに固唾を呑んで待った。
やがて、日本入場のアナウンスとともに選手団が入場してきた。

何と、その途端、会場から歓声がおこり、観客が立って手を振ってくれたのには感動した。

以前報道されていたような日本へのブーイングはかけらも感じなかったどころか、アジアの同胞日本への熱いエールに、私は胸が熱くなった。
最後に中国が入場した時には、

勿論、会場はものすごい大歓声で包まれた。

貴賓席の全員もこの時だけは立って拍手を送っていた。

引き続きくりひろげられた、感動のマスゲームとアトラクションの幾つかを順を追って示す。
まず、配られた色のついた布を掲げての人文字。

下の写真が、配られた懐中電灯を全員が暗闇で振るマスゲームで、初めて観る幻想的な光景は圧巻であった。

観客による幻想的な光に目を奪われている内に、気がつくと舞台一面に青い蛍光を発するもので覆われており、

船のアトラクションの出現により、それらが荒れ狂う海の波を表現していることを知った。
波は、本物の波のようにうねり、そして波立っていた。その荒波を掻き分けて竜が小船に近づき、

小船の上で美しい声でうたう美少女に玉を授けた途端、照明で会場が明るくなり、指示により、配られた大きな紙の花による人文字のマスゲームが

観客全員参加で完成した。
この後、提灯のマスゲーム、

竹のマスゲーム、

棒術マスゲームと続いた。

随所で胡錦涛国家主席の笑顔が大型スクリーンに映し出された。

また、花火は殆ど絶え間なく打ち上げられ、

華やかさを添えてくれた。
会の終わり近くに、ギリシャから一年がかりでリレーしてきた聖火が会場には入ってきたことがスクリーンに映し出され、

会場を1周する間も、次々知的障害者の選手によってリレーされ、

最終走者が点火する時の写真を下に示すが、水が流れる水盤の中にある聖火台にどのようにして点火するのか不思議であったが、

何と、少女は水に点火し、それは聖火台の水に燃え広がり、

ついには聖火台全体が点火された。

聖火台はそのまま隆起し、感動的な聖火の儀式であった。

聖火点灯のあと、マスゲームのオールキャストが集合し、ものすごい数の花火の中、閉会のアナウンスで長い興奮の幕を閉じた。