思うこと 第208話             2007年5月9日        

日野原先生の『95歳からの勇気ある生き方』に感動


朝日新聞社から、日野原先生の新しい本が、本年3月30日付けで発刊された。この発刊日は、先生が鹿児島で『95歳の私の生き方』の演題で講演された3月31日の前の日にあたる。

先生からこのご本をいただいて以来、夢中で読み、やっと今日読み終えた。この本は、表紙の裏に先生のサインまでいただき、私にとってこのご本は大事な宝物となった。

3月31日の日野原先生のご講演から私はとても大きな感動と教えをいただいたのであったが、このご本はあの時の感動を再現し、さらに増幅してくれる内容であった。この本は、朝日新聞土曜「be」に連載中の「あるがまま行く」の2004年10月9日〜2007年1月27日掲載分の114のエッセイを見開き2ページになるように再構成して単行本として朝日新聞社から出版されたものである。私は、これまで、先生のご著書は主なものは全て読ませてもらってきたが、この本こそは先生の生き方の真髄に触れさせていただける本であると思った。114のエッセイは内容が多岐にわたっている。そのなかで、特に私の個人的興味をひいた次のエッセイ一つだけをあげたる。
それは、「画家に長寿が多いわけ」(56〜57ページ)のエッセイで、先生が日本の画家の頂点に君臨していた数多くの方々の主治医をされておられることを知った。先生が東山かい夷の主治医で、画伯が90歳で亡くなられた時、聖路加病院に巨大な日本画の寄贈があり、それが新館に飾られていることは以前先生からお聴きして知っていたが、この他にも、小倉遊亀(105歳)、辻永(ひさし)(90歳)、橋本明治(86歳)、福沢一郎(94歳)、東郷青児(80歳)の主治医でもあったことは今回はじめて知った。画家にはストレスがすくなく、生活や食事に節制を心がける人が多いことが長寿が多い理由であろうと述べておられる。私も、絵を描いている時は、ストレスがなく最高にゆったりした気持ちになるので、私の日本画の趣味は私の寿命をのばすのに少しは役立ってくれるのかも知れない。
 さて、このエッセイ以外の113のエッセイについては紹介を控えるが、ぜひ、この本を読まれるようお薦めしたい。