思うこと 第167話           2006年11月13日 記       

パプア・ニューギニア、ソロモン巡回診療報告ーその20ー
ラバウル2泊3日の旅ー第3話ー
鹿児島こそは『東洋のラバウル』と呼ばれるべきだ!

 鹿児島市は桜島との景観がイタリアのナポリに似ていることから『東洋のナポリ』と呼ばれて久しい。ナポリと姉妹都市となり、鹿児島中央駅から海岸に伸びる大通りは『ナポリ通り』と命名された。しかし、私は今回のラバウル訪問で、鹿児島市からの桜島の景観は、『ナポリ』よりも『ラバウル』が“格段”似ていると思った。どれほど似ているか、そしてまた、どれほど私がその景観に感動したかを“論より証拠”、写真でお見せしよう!
 まず、11月1日夕刻、新ラバウル空港に到着した時、飛行機から飛行場に降り立ち(下写真に新ラバウル空港と旧ラバウル空港の位置関係を示す)、



小雨の中を空港建物に向けて歩きながら目にした噴煙を上げているタブルブル火山(下写真)は、桜島の噴煙を空港方面から観た景色そっくりで、感動してしまった。


翌、11月2日、シート氏の会社の検診会場前の浜辺(上記地図ではココポの海岸)からタブルブル火山を望んだ景観も、錦江湾越しの桜島に似ていた。


ほどなくして、 タブルブル火山から噴きあがった噴煙は、

まさに、桜島の噴煙と同じ形と色をしていた。

やがて、黒い噴煙は白い蒸気に薄められる白っぽくなってゆく様も、

まるで、桜島と一緒であった。

午後、検診の合間に、車で旧ラバウルに移動し、鹿児島で言うと城山展望台にあたる小高い丘の頂上のラバウル火山観測所から展望した。



ここからの景観は、目の前のシンプソン湾越しに、タブルブル火山(日本軍名:花吹山)とブルカン火山(日本軍名:西吹山)が見えるが、この1994年に2つの火山が同時に大爆発を起こし、その時の降灰で旧ラバウル市街は5〜6メートルの厚い降灰で埋まり、今も画面左半分にあたる地域は埋まったままで復旧の目処さえ立っていない。実は、このシンプソン湾は錦江湾と同じくカルデラでで、その点でも同じなのである。ダブルブル火山は今も実に活発な火山であるが、一方ブルカン火山は今は活動を休止している状態である。

さて、左側のタブルブル火山は水蒸気が立ち上っており、、

拡大写真を示すと、


なかなかの迫力で、もっと拡大すると、


さらに“ど迫力”で、


水蒸気は山の麓からも立ちのぼっている。

一方、右側の休火山のブルカン火山は、

静かに眠っている。

私は灰に埋もれた旧市街地と旧空港(日本軍が作って、戦後もラバウル空港として使われていた)を見たいと思って、場所を電話帳の地図で確認した。

みごとな廃墟の地図が見つかったので、その場所に行ってみた。
これが、市街地を呑み込んだ灰の表面で


これが、空港を埋めた灰の表面である。


 私は、もし機会があれば、鹿児島市の関係者にラバウルとの姉妹都市契約を話題にしてみようかとも思っている。