思うこと 第166話           2006年11月12日 記       

パプア・ニューギニア、ソロモン巡回診療報告ーその19ー
ラバウル2泊3日の旅ー第2話ー検診会場での感動

 ラバウルの旅は2泊3日とはいえ、到着は夕刻で、出発はお昼頃であったので、実質は検診日一日だけという慌しい旅であっが、検診会場を提供してくださったシート氏ご一家の心のこもった暖かい歓待を受け、忘れられないすばらしい旅となった。
 この部屋はシート氏の40畳ほどの広いリビングルームであるが、ここに検診希望の日本人の方々が三々五々集まってくださって、お茶をいただきながら懇談し(下写真)、

この部屋の隣の部屋2つを私達の診察室に使わせていただけた(下写真)。

この日約10人ほどの方がこられたが、この地におられる日本人の方々はとても成功している方が多く、どのようにして事業を展開してきたかというようなお話を聞くこともできた。例えば、O氏の場合、当初この地に豊富にあった巨大な天然木を切り出して日本に輸出していたが、森を育てるために1985年からはユーカリの木の植林を精力的に開始したとのこと。このユーカリの木は生育が早く、15年で径40センチに育ち、今では、その木を計画的に輸出するに至っているとの事。
 また、ソロモン諸島やパプア・ニューギニア全体にいえることであるが、このラバウルでも日本車の進出は驚くほどで、ラバウルにある車の約95%が日本車とのことであった。ちなみに、11月2日の朝、ホテルの駐車場にあった9台の車が全て日本車(トヨタ8台、三菱1台)であった(下写真)。


この下の写真の手前の建物がシート氏経営の自動車販売修理会社で、その並びに見える NISSAN と ISUZU もシート氏の会社提携のフランチャイズ店とのことであった。このシート氏の会社の2階を検診会場に使わせてもらったのであったが、ここに入るのに3重の鉄柵の門(一つは警備員付き)とカギつきの鉄の扉を通過せねばならない厳重さであった。すなわち、ひとたび部屋の中に入ると、そこは完全にくつろげる安全な空間が確保されていた。

シート氏の奥様のお母様のセキ様(日系一世)は、丁度日本に帰国中とのことでお会いできなかったが、こちらでの活躍と功績に対して、日本の外務大臣から表彰を受けておられるとの事であった。シート氏は事業で活躍しているだけでなく、とても優雅な生活をエンジョイしており、釣りの成果(下写真)とともに、

その仕掛けの釣り針も見せてくださった。

私はシート氏夫妻と語るうち、お二人のスケールの大きな生き様に感銘を受けたのであった。
夜も夕食をご馳走になり、

田原先生が「今頃鹿児島では皆がおはら祭りの前夜祭で踊っていることだろう」と言いながら、シートご夫妻に踊りの手ぶりを披露しているところである。
私もみごとなカニの味に感動し(下写真で、お隣がシート氏の御夫人キャサリンさん(日系2世))、

殻だけで2皿を平らげてしまった。

本当に楽しい時を過ごさせていただいたのであった。

 この日は、午後から2時間余り、検診の合間をぬって、シートさんがラバウル案内を手配してくださったが、そこでの感動的出来事は、以後、第167話と第168話で述べる。