思うこと 第159話           2006年10月28日 記       

パプア・ニューギニア、ソロモン巡回診療報告ーその12ー
ポートモスレビーでの半日

今日は土曜日にもかかわらず、在パプア・ニューギニア日本大使館のM医務官が午後出発のマダン〜ラエの3泊4日の巡回診療に同伴してくださることに予定されていて、とてもうれしく思った。パプア・ニューギニアの治安状況は“極めて悪い”と聞いてはいたが、昨日ポートモレスビーに着いて以来、頭で考えていた以上に“極めて悪い”ことを実感していた。ホテルは警備員付きの鉄柵で囲まれていて、夜はもとより昼間でも鉄柵の外にでることは命の危険を伴うとのことであった。市内では撮影したい風景もあったが、危険なので車を止めれないとのことで、撮影をあきらめた。ある大使館員の実話として、道にガラスの破片が散らばっていたのでスピードを落とした途端にラスカル集団に襲われ、さいわい特別に頑強な車であったから脱出できたが車はかなり破損したとの話も聞いた。また、人通りの少ないカーブ道でスピードを落とすと襲われるので、その様な道は“通ってはならない道”として在日本人の間には周知されているとのことであった。「ラスカル」というのは、今や町中にたむろして犯罪のチャンスをねらっている窃盗集団で、最近の傾向としては、ライフル、ショットガン及び自家製銃などの銃器を使い犯行に及ぶ事が多いとのことであった。
 幸い、今朝、大使館の3階のベランダの鉄格子の隙間からやっと下の2枚の写真を撮る事が出来たのでお見せする。
これが、大使館の北西に広がる入り江で、

北東の鉄格子からはこの街唯一のダウンタウンビル群を望むことができた。

出発までの空き時間に、M医務官とZ大使館員が私達3人を“ハンド・クラフト市場”に案内してくださった。

この市場はわずか一人1キナ(約40円)の入場料で入れ、周囲を警備員によって固められていていて全く安全で、カメラを持って歩いても大丈夫とのことであった。各地から土地の人びとが手作りの手芸品を持ってきて並べて売る市で、安全でのんびりと過ごせ、かつ安く買えるということで、在パプア・ニューギニア日本人の人気のスポットとのこと。ただ、月に一回、最終土曜日に開かれるだけなので、外からこの街を訪れてこの市場を経験できる確立はきわめて低く、私達は“超”ラッキーな訪問者であったことになる。私はここで家内と2人の娘達のために“ちっちゃな”おみやげを買うことが出来た。
この後、昼食をとり、マダンに移動のため空港に向かった。