思うこと 第152話           2006年10月25日 記       

パプア・ニューギニア、ソロモン巡回診療報告ーその5ー
一回目の診療を終えて

 今日の午後は大使館で在ソロモン日本人の検診を行った。

大使館は街中心部のビルの3階にあり、ここにあるエレベーター(下図)はソロモン国に2台しかないエレベーターの一つとのこと。

検診は、午後1時半から5時半まで4時間休みなしに行い、約10人の方の相談にのった(下写真が診察のスナップ)

検診の中で数人の方がボイル病の相談をされた。このボイル病はソロモンやパプア・ニューギニアに多い風土病で、毛嚢炎の一種で、足が真っ赤にはれ化膿する皮膚病で、抗生物質が著効する。ただ相談にこられた方の中に再発を繰り返しなかなか完治しないと悩んでおられた方があり、別な種類の抗生物質をお渡しし、試していただくことにした。その方の皮膚病変の写真を示すが、この時点ではかなり治っている状態であった。

これら相談にこられた方々からは、相談にきてよかったと感謝していただけたし、外務省が用意してくださった医薬品もとても役立ち、この年に一度の巡回診療が極めて意義のあるものであることを実感させていただいた。私にとっては、現地の状況を雑談の中から教えていただけた事もありがたかった。それらの方々の中で、青年海外協力隊(JOCV :Japan Overseas Cooperation Volunteers)の任務を帯びて派遣されてきている20代の女性の話に胸が熱くなった。彼女はここからバスで一時間、さらに歩いて2時間のところで、中学生達の教育の任務についているとのことであったが、そこには電灯もなく、もちろん冷蔵庫もなく、蛋白室はツナ缶詰だけにたよっているとのこと。そういうところに飛び込んで夢を追って頑張っている日本女性の存在に、私は感動し、エールを送ったのであった。