思うこと第13話        (2004年5月4日 記)

難病の治療開発の研究は集団作業である

今日は連休の真っ只中というのに、大学に出てきてみたら、いつものように多くのドクターが働いている。あるものは机で論文をかいているし、あるものはコンピューターで文献の検索、そして大半は研究室で実験。皆、黙々と、しかしキラキラと輝く目で。皆の思いは唯一つ、「治療法の確立を、今か今かと一日千秋の思いで待っておられる患者さん方に福音を一日でも早く。」の思いである。朝型の者や、夜型の者、それぞれが、自分のペースで、一歩一歩歩んでいる。歩みを止めなければ、必ず目標に到達する、そう、自分にいいきかせながら。
原因が判らず、治療法がまだ確立していない病気を難病と呼んでいる。治療法を確立するには、病気が起こる仕組み(原因、機序)を明らかにすることがまず必要である。そのためには、大変な労力と、時間と、費用とがかかり、何よりも知識と知恵を出し合って共同作業が大切で、教室の中だけでなく、国内の他の研究者、そしてまた、世界の研究者との共同研究が必要である。 難病の治療開発の研究は、この集団作業(共同研究)を駆使することが、必須となっているといえ、それに向けての環境整備もまた教授の役割の一つである。