思うこと 第112話           2006年7月2日 記

輝く珊瑚礁と患者さんの嬉しい出迎え

昨日、奄美大島での健康診断調査に参加するために笠利空港に降り立つ際、2つの感動的な出迎えを受けた。
その一つがこの写真の輝く珊瑚礁であり、そして、もう一つが、これこそは私がとっても感動した事であったが、患者さん2人が私の到着を出迎えてくれたのである。第三内科発足間もない頃に、奄美大島の検診で出会った兄弟の患者さんの2人で、手足が不自由な神経難病を乗り越えて頑張っている2人である。どのような難病に対しても、その病気の根本的な治療法を開発し、病気を治すことが私達大学人の責務であるが、この2人の病気についても、私達は治療法の開発を目指して取り組んできた。 そしてついに、教室の若者達によりこの病気の原因が解明されたのが4年ほど前のことであった。 現在、解明された原因に基づいて、治療法を確立しようと、教室の若者達が頑張っているところである。 不自由な手足にもかかわらず、こうして私を空港に迎えてくれた兄弟の熱い心に感動したのであった。 兄弟は私に質問した、『納先生、先生はあと9ヶ月で定年退職ですよね。 先生がいなくても私達の治療法の研究は続いてゆくのでしょうか?』 私は、この嬉しい質問に、待ってましたとばかり笑顔で答えた、『私が去っても、教室の研究のスピードは落ちる事はないから安心してね。 研究の流れは全て継続されるし、教室が若返るぶんさらに研究は加速されると思うよ』、と。 同じ質問はHAMやその他の神経難病の患者さん方からも受ける事が多いが、その度ごとに、自信を持って同じ答えの言える私、このようなすばらしい若者の集団に囲まれた私は、幸せ者であると思えてならない。