思うこと 第110話           2006年6月27日 記       

ロンドン訪問小話ー2ー郊外の村、アイスリップ (Islip)

 バンガム先生は、郊外の村、アイスリップ (Islip) にお住まいがあり、ここから毎日1時間余りかけて列車で通勤されている。 先生によると、この通勤時間が貴重で、ここで論文を書いたり、読んだり、研究計画を立てたりする時間が、発見への原動力になっているとのことであった。 オックスフォードにも20分ほどで行けて、奥様はオックスフォード大学の教授をされているので、2人にとって都合のいい住まいとのことだった。 

私は、オックスフォードからの帰り、先生のご自宅での夕食に招待された。 アイスリップ (Islip)の村は、まさに田舎そのもので、村といっても50軒ほどの集落と言えようか。
バンガム先生のお家を側面から写真に撮ったものを下に示す。

この家は350年前に建立されたものとのことで、その古さこそが先生の一番のご自慢であった。この写真の石壁越しに手前に向かって建て増しされた部屋の壁がわずかに見えるが、この部屋の建て増しの許可を得るのに何年もかかり、壁の色まで指示を受けたとのことで、村をあげて古い雰囲気の保存に努めているとのことであった。
家の正面で先生と記念撮影したものを下に示す。


近所の家並みの写真を下に示す。

バンガム先生によるとこれらの家は250年から〜300年の古さで、バンガム先生の自宅より新しいとのこと。

下の写真の家はさらに新しい家とのことであるが、壁のバラが鮮やかであった。イギリスでは、このように壁に花や果物(例えば洋ナシやリンゴ)の木をはわしているのをよく見かける。



この村で最も古い建物がこの教会で、600年ほど前のものとのこと。 360年ほど前の市民革命の際、クロムウエルがこの教会の塔に陣取って指揮をとり、アイスリップの戦いで勝利し、王政を打破した記念の場所でもあるとのこと。この戦いの前後にバンガム先生の家は建立された計算になる。

さて、私は、その夜は、先生のご自宅の近くのB&Bに泊まった。


ここのご主人のお話では、アイスリップの古い水車小屋付きの家(250年まえの建物:下の写真)に住んでいたが、94歳のお父さんが住みやすいように、新たにこの家を建てたとのこと。


英国ではB&Bはとても便利で、かつ安く、旅慣れた人はよく利用するとのこと。
日本の民宿にあたるが、はるかに快適である。
朝食の場所、食べた後で残念だが、部屋の雰囲気をみてほしい。


部屋の窓から畑越しに隣の農家が見える。


というわけで、のどかなアイスリップの村を経験し、
改めて、イギリスの文化・歴史の深さを味わったのであった。