ヒトのプリオン病について

牛肉はなぜ安全なのか
納 光弘(鹿児島大学医学部付属病院長・内科学第三講座教授)

平成13年12月22日鹿児島県医師会館大ホールでの

市民公開講座
 
 自分は、アイルランドが狂牛病騒動の時に長い間そこにいました。その当時の科学者たちの態度、そして、アイルランドではまだ牛の発症は続いていますが、今は安心して牛肉を食べていますということについてお話しします。
 
 











このクロイツフェルト・ヤコブという病気は,新聞などでもCJDで出てきますが、1920年,21年と結構古い時代に報告があって,報告した先生の名前を使っているわけなんです。
 
 
 
 
 





実際にどんな病気かと言いますと,これは私が直接診た患者さんですけれども,最初,目の症状でおっしゃる方が多いですね。そうこうするうちに,どうもお父さん変だわよということになって,てんかん大発作を起すこともありますし,手がピクッ,ピクッと動く,私たちの言葉ではミオクローヌスと言うんですけれども,そういう状態になります。














 診断の中で一番大きな私たちにとって手掛かりになるのが,心電図を見ているような周期性動悸性放電(PSD)です。これが、CJDの特徴で,手がピクッ,ピクッとするのに合わすような感じで,脳のどの部位をとっても一斉にPSDが見られます。
















 通常のCJDの場合には,ほとんどの人がこの典型的な経過をとられるんです。治療法が今のところなくて,診察してから普通半年,,短くて3か月,うんと長いと1年ぐらいという方もいらっしゃいます。私たちは治療法の研究は直接やってませんけれども,プリシナー先生なんかのところで少し将来が見え始めたということで,それに期待をかけている状況です。













私たちのところに受診してきた時にはCT,MRIで異常がないことが多いですね。しばらくすると,どんどん萎縮が進んでいって,萎縮が進むと,脳の外も萎縮して広くなるし,脳の中の脳室も広くなっていって進んでいく。

















 解剖すると脳がずいぶん萎縮しているんですね。正常の人に比べると,脳室自体もこんなに違うんですね。それから,














外側のこの脳のやせ方と言いますか,本当に脳が萎縮していく。これが半前後でこういうところまでいってしまう。











組織標本を観察すると,正常では、脳細胞の間に神経繊維がビッシリ詰まって一様にピンク色をしています。CJDの場合には,海綿状脳症という言葉がありますように,スポンジみたいに空胞がたくさんできてくるんです。

















 平成9年に佐藤先生が班長で,全国の緊急調査というのをされまして,鹿児島は私どもが担当して調査をした時に,この11年間で829人。鹿児島の調査では鹿児島の全病院を私たちの関連病院も含めて調査して,だいたい鹿児島では1年間に1人弱ですね。それは今も変わりません。だいたいこれが昔から,私たちの第三内科ができた時からだいたい1年に1人か,あるいは2人の年もあるけど次の年には1人もないというような。ですから,1人弱というだいたいこんなかたちだと思います。









 人のプリオン病というのは,今紹介しました狐発性のCJDというものの他に家族性のCJD,これにはいろんな名前が付いてますが,いずれも生まれた時からのプリオン遺伝子の異常であり,異常がどこにあるかで症状が違うということになります。鹿児島の10例のうちこれに属する方がわずか2人,残り8例は狐発性でした。













 変異型のCJDについてはあとで触れます。それから,硬膜移植による医療事故によるもの、不幸な出来事でしたけれども和解が成立したと報じられています。
 
 クールー病につきましては,パプアニューギニアのホア族の子どもと女性だけに起る。石器時代からの風習がそのま続いていて,勇者の脳を食べる儀式に女性と子どもが参加するのがしきたりになっていて,脳を食べた人たちに次々と起っていったことが判っています。











 約5万年前のサクール大陸,パプアニューギニアもオーストラリアも一緒の頃に,人類が初めてこの移り住み,その後,3万7千年前に海水が上がってきたために切り離されて,現在の,オーストラリアのアボリジニーとこのパプアニューギニアのホア族に分かれた。というか,この山中で石器を使っていた部族は同じオリジンです。













 
 このクールー病というのは,実はガジセック博士が実に細かな報告をしたんですけれども,クールーというのはホア族の言葉で「震える」という意味なんです。ただ,ここで非常に私たちが今になってはっと思うことは,このクールーの脳組織標本にはクールー斑という特色のあるのがあって,これは普通のCJDにはないんです。ところが,今度,英国で起ってきた若年性の変異型のCJDにはこのクールー斑があるんです。ですから,プリオン脳を食べて起ってきたのにはどうも沈着の仕方が普通のCJDと違うかたちで起ってくるらしいということが,今になって「はっ」と思うことがあります。この頃にはプリオンなんてことはわかりませんから,ガジセック先生はチンパンジーへの接種に成功してノーベル賞をとられたのです。
 実は,このクールー病を一生懸命研究していたガジセック先生と私とは,「成人型白血病ウイルスの関与した脊髄疾患(HAM)」で接点ができたんです。HAMは私達が鹿児島で発見して世界に発信し,もう世界でHAMという用語を使っていただいているわけですけれども,これまでは普通の変性疾患と思われていたものがレトロウイルス(HTLV1)で起るんだということが判った。それにガリセック先生は非常に興味を示されて,私たちの発表の後すぐ連絡があり,ぜひ一緒に共同研究をしたいということで,ガジセック先生自らが乗り込んで来られまして,この人の片腕の日系2世の高柳先生という方とのいろんなやりとりが始まったんです。



 私たちの第三内科が,1988年にこのヒトレトロウイルス性神経疾患のWHO協力センターになった時も,ガジセック先生は飛んで来られまして,いろんなディスカッションに参加してくださいました。WHOの中島事務局長もお見えになってくださったんですが,この時もガジセック先生が本当に主体的なリーダーぶりを発揮してくださいました。
参加者の記念写真
(前列左3人目から、井形先生、ガジセック先生、納 光弘、中島事務局長)








 実は,これを紹介したのは,プリオンの話を今からしようというイントロでお話したんです。親から子に,あるいは細胞から細胞へ,同じタンパクを作る機能を伝えるのは、遺伝子(DNA)です。DNAからRNAがコピーされて,RNAからタンパク工場でタンパク質が作られていくという,これがタンパク質がどんどん複製されていくメカニズムなんです。









 今紹介したRNAしかいないレトロウイルスでは,一旦DNAに入り込んで,そして,RNAを作らせてというのもあります。しかし,なんと言っても,結局はDNA,RNAというこういうものを通じて複製されていく。
 ところが,このタンパク質からタンパク質を作っていくというか,タンパク質からタンパク質に性質を移行するという,これまでまったく考えもつかなかったような世界というのを言い出したのは,スタンレー・プルシュナーなんです。プリオンという言葉は,このタンパク質感染粒子という英語のプロとインをとった造語なんです。






 これを私は聞いた時にがくぜんとしたことを今も覚えています。身震いをしたと言いますか,本当だろうかというのと,本当だとしたら,これは我々生物の世界にとってまったく考えてなかった世界ではないかと。プルシュナーの説はいろんなかたちで裏付けがされ,ノーベル賞に輝いたんです。この説は部分的には正しかったと思います。しかし,部分的でしかなかったというか,本当はもうちょっと奥が深かったというお話をこれからしようと思います。








 プルシュナーがどういう説を述べたのかというお話をしますと,正常プリオン(ピンク),異常プリオン(青)を模式図で書きます。実際の立体構造は,正常プリオンはアルファフェリックスが中心,異常プリオンはベータシートが中心の構造をしている。











異常プリオンが正常プリオンに近づいてきて接着することで,正常プリオンの形を変えてしまう。タンパク質のアミノ酸組成は同じなのに立体構造が変わるだけだと。これが,プルシュナーが1982年に言い出した説なんです。
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プルシュナーとは神経ウイルス学会で,私がオーガナイジングコッミティーをしている関係上,よく会うんです。2000年にサンフランシスコで会った時の話ですけれども,プルシュナーが大きな特別講演をしてくださったんです。僕はさすがだなと思って聞きましたけれども,恐れ多くも私が座長をしたという,しかも,プルシュナーのプリオン説を解説までさせられてしまったんですけれども。


プルシュナーの仮説になぜ僕等が身震いをするかと言うと,それは,もしこの仮説が本当なら,異常プリオンが1個入ってきたら次々と正常プリオンを変えていくから,時間はかかるかもしれないけれども,全員が感染してしまう。でしょう。これが本当なら。そうかな,どうかななんてことを言っていた。そんなことはないだろうと。



ところが、1996年4月6日の「ランセット」(学会誌)に,またもほんとうに腰を抜かすようなペーパーが載りました。これも私にとっては愕然とした論文でした。そしてそれは同じ日付けで南日本新聞に掲載されました。全国を震撼とさせた,全世界を震撼とさせた出来事でした。新型のヤコブ病は、牛を食べて起こったんではないかと。














 新型の変異型ヤコブ病はvCJDといい、普通のCJDとは違ったのです。CJDも若い人にもまれには起こりますが,こんなに短期間にまとまってこれほど若い人に起こることはありません。初期症状が普通のCJDと異なり,PSD(周期性動悸性放電脳波)がでない,また,病理学所見はクールー斑(矢印)があることで「クールー病」にそっくりだったのです。どうも普通のCJDとは違うと断定しての論文でした。
これを読んだ時私たちはもう疑う余地のないことが起こったと認識しました。そしてイギリス政府も即反応して公式見解としてこれを認めました。
 1995年〜1996年に10人のvCJDが確認されたとき、英国の科学者たちは「明日は自分も感染するのでは」という恐怖の中、真剣に推測を行いました。



 いろんな論文を読んでみると「最良のシナリオ」で毎年数百から数千人発症するだろう・・・。「最悪のシナリオ」においては,毎年数万から数十万人、下手したらすべての英国人がプリオン病になるだろう・・・という推測でした。「プルシュナーの仮説が正しければ全員が感染するのでは・・・・。1個でもプリオンを摂取すると・・・・。」
 それでは、現実にはどうなったかとグラフに示しますと、牛は予測どうり減少していきました。さて、人間ですが,この1996年4月から12月までの間にあと4人しか発症しなかったんです。では,次の年はどうでしょう。1997年,1年間でたった10人しか発症しなかったんです。まったくこの最良のシナリオよりももっと少なかったんです。要するに,プルシュナーの仮説は間違いではなかろうかということに、ここで人々が気付き始めたんです。まったく間違いではないんですよ。正しいんでしょうけれども,「あの説に何かもう一工夫いるんじゃないか」ということに人々が気付き始めたんです,そして,その後の経過というのは,やはり10〜20人前後で推移しました。ですから,まったく予想を覆すような事態が進行しているんです。

 その後、科学者たちは死にものぐるいで研究し、新しい一つの仮説を作りました。アイゲン博士とノバック博士の仮説です。私はその仮説は正しいと信じて今日ここでお話しします。新しい仮説とは、異常プリオンの構造は、実際にはたくさんの異常プリオンが結晶状にくっついているのもので、異常プリオンが10万個以上集まって初めて「感染を起こす最小単位になれる」というものです。異常プリオン1個が正常プリオンを変形させるものではないということです。








 図は、連続した異常プリオンを10個しか書いてありませんが、実際は、10万個、または10数万個と考えてください。そして、その端(2ヶ所)だけに感染性があるのだと。 それでどういうことが起こるかというと、端だけが感染性があり、正常プリオンを異常プリオンに変化させ,長さを増していきます。相当数になってから分裂します。そしてそれぞれの両端が感染性をもつのです。
 
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 その後の研究により、10万個結合した結晶構造がもう少し判ってきました。数千個の異常プリオンの束が集まってできており、その束の先端部で正常プリオンを変える。1個の正常プリオンを変えるのに、スムーズにいっても最低15分かかることも判ってきました。しかし、スムーズにいかない多くの要因があります。

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その1:くっついても変化せずに離れることがある(クリックすると動画がでます)
その2:異常プリオン鎖に変性・分解がおこる(クリックすると動画がでます)
 すなわち、この最小感染単位の異常プリオン鎖も常に変性と分解にさらされている訳です。ですから最初のプルシュナーの仮説に比べるとほんとうに難しい世界なのです。時間がかかります。むちゃくちゃ時間がかかる世界です。そしてそこに到達しないヒトが人口の大半なのです。ほんとうにまれなるヒトがこの段階に到達するのです。これがノバックたちの仮説です。

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 このノバック等の話しを僕は聞いて,ああ,そうなんだと。だから,まったく誰もが予測しなかった低い患者数で推移しているんだと。今後どうなるか知りませんけれども,これがこういう最良のシナリオよりもはるかに低い数値で今後も移行することだけは間違いないんじゃないかなと思っております。
 生体内で、異常プリオンが10万個くっつくというのは、そう簡単には起こり得る話ではありません。こんな現象が起こるというのは、相当量の脳を「がばっ」と食べるとか、汚染された物を大量に食べるということがないと起こり得ないのです。極めてわかりやすい言い方をすれば、ふつうの肉や、「狂牛病の肉」を食べたところで起こることはないということです。
 これらを実証していったのはこのアイゲン博士とノバック博士,並びにこれに関わった人はものすごく多くの研究グループです。メインな人だけ例に挙げましたけれども,アイゲン博士は分子の反応速度論でずっと昔にノーベル賞をもらったのですが,BSEの世界でもう1度その時の持論を展開したんです。そして,それを実際に研究を推進していったのがノバック博士です。

 話しは、「成人型白血病ウイルスの関与した脊髄疾患(HAM)」の世界に戻りますが、これもきわめて希な病気です。千人に1人ぐらいしか発症してこない。ほとんどの人は健康そのものなんです。そのメカニズムを研究するために、実は、私はノバック博士とも共同研究を行ってきました。「なぜか? なぜならないんだ」。まさにBSEになぜならないかという,そういったのを私たちのデータをもとに理論解明をした。これはその内の1編ですが、ここで今からお話するのは,同じく共同研究者のバンガム先生。
 ノバック先生も共同研究の1人ですから,バンガム先生もこのプリオンに関してはいかに昔から気を付けておられた。 私がバンガム先生と付き合い始めた頃,肉を食べられないんです,この人は。なぜですかと。まだプリオンが,BSEのことを僕らがあまり意識してない頃。


これがバンガム先生ですけれども,インペリアル・カレッジですから帝国大学と訳すんでしょうか。これはフレミング博士,ペニシリンを発見したフレミング博士もここにいたし,この先生は2代目の免疫学教授ですけれども,初代の先生もノーベル賞をもらっているという誇り高き先生方で,バンガム先生はチャールズ・バンガムといって非常にまじめなこの先生が,肉を食べられないんです。この先生が最近「パカパカ」食うんです,ビフテキを。これほどケアフルであって理路整然とした方が。





僕は聞いたんです。どうしたんですかと。今度僕が話をするとなったからEメールを送ったんです,バンガム先生に。12月14日金曜日に,プリオンと牛肉を食べることについてあなたの見解を記せと。俺はしゃべらなければいけないことになったと。そうしたら,「親愛なるミツへ」ミツというのは納 光弘のミツですね。「私は貴君からの質問に答えて,プリオンと牛肉を食べるか食べないかに関する私のポリシーについてここにメールします。
 言うまでもありませんが,これはあくまで牛肉を食べることのリスクと影響に関する私の個人的見解,個人的理解であることを強調しておきたいと思います。」非常に厳密なんですね,同じ事をものを言うでも。



 「私の妻と私は…」これも日本だったら,私と私の愚妻はとか,私と家内は。違うんです,向こうは。向こうは“My wife and I”なんです。まずマイ・ワイフが来るんです。“My wife and I desided not to eat beef in the UK in 1991."「私の妻と私は英国内の牛肉は食べないことを1991年に決めましリスクは小さいというのが政府の公式見解でしたが、私はこの見解は誤りであると信二ました。問題はあの時点では“未知”だったことです。







私たち夫婦は英国産牛肉を食べないことを1999年頃まで続けましたが,1999年より食べ始めました。理由は,私にとって満足するに足る調査結果がその時までに公表され,狂牛病の発生頻度も低下し,原理的にはvCJDを起こす可能性を有するプリオンを含んだ牛肉を食べたとしても、病気を発症する危険は無視できるレベルであると判断したからです。このメールが貴殿の質問にお役に立つことを祈りつつ。チャールズ」








 もう1つ,場所は変わってアイルランドはダブリン大学のホール教授。ホール先生というのはアイルランドでは大物です。超トップにいる方で,この人が,HTLV-1のミーティングの会長でされた時には,マカリースアイルランド大統領,女性ですけれども,さっと来られて,1時間ぐらい演説をぶたれましたよ。










私は大統領というのはすごいなと。本当に理路整然といろんな話をされました。それを私はお迎えして,お供してというか,私(正面を向いている最前列右端)はこの学会の会長,プレジデントを務めてましたから。ホール先生(同中央)は学会長でしたけれども。チャールズ・バンガム先生(大統領まん前)もここに座っておられますし・・・・。










参加者の記念写真
前列2人目から、バンガム先生、、納 光弘、マカリース大統領、ホール先生、高月先生(ATLウイルス発見者)、ギャロ先生(エイズウイルス発見者)
 それで,僕はホールさんにもメールを送ったんです。だいたいこの人は食わなかった時期はほとんどなかったぐらいの人なんですけれけども,食うのと飲むのが好きな方で。この人にも同じ質問を送ったんです。






そうしたら,12月18日付けでEメールの返事が来ました。
 「親愛なるミツへ。私は日本のBSEの問題に関しては興味と関心を持って見守ってきました。ご存じのように,私は過去5年間,健康局のCJD専門家委員会の委員長を務めてきましたし,今もその職務に就いています。我々の任務は厚生省と政府にCJDとBSEに関しあらゆる視点から助言し,国民の安全を守るための方策を打ち立てることです」。いろいろ書いてありましたけれども,「アイルランドの牛肉は現在極めて安全です。これは与えてよい餌に規制があるからです」。最後に,「年とった牛は食用に供されることはありません。現在の日本の現状と同じように,アイルランドの国民も安全に自信が持てなかった時期もありましたが,今,国民は安全に自信を持っています。ビリーより」



というわけで,バンガムさんとホール先生の逸話を紹介しましたけれども,こういう中で日本で3例のBSEが発生した。この3例のBSEが発生したということ,私はこれの中で,英国と日本のものすごい,非常に大きな差を1つだけ指摘しておきます。
日本は見つかってあっと言う間に,全頭検査でしょう,過去にとった肉も出さない。今度は脊髄の吸引まですると言いますけれども,とにかく,安全性に関しては,もう今,英国とアイルランドに比べたら10倍か,100倍か,1000倍か安全というか,私は倍数というのはどこでどうするかわかりませんけれども,とにかく,彼らが安全だと言う理由よりもはるかに安全で,かつ,発生してからとられた対策までの期間が極めて迅速であったということ。過去においてはいろんな手落ちがありました。それは今,批判されてますけれども,過去の手落ちを補って余りある迅速なる完全な対策がとられたというふうに私は印象を持ちました。これは英国とかアイルランドをよく見ていて,そして,あそこの人たちが日本ほどでないのにまったく安全だと今主張し始めている,と感じ始めている。それに対して理論的根拠をそれなりのオーソリティーたちが持っているという情況。
 
 これは最後の2枚のスライドですけれども,これは年末の忘年会で,いつも好きな焼き肉屋に行ったわけですけれども,これはやはり正しい知識を持つということが大事なのではないかと。知らずに過剰反応するというのは正しくない。











対策はきちっととらないといけないし,すべてを知らないといけない。これと反対に,知らないで必要以上にただ不安だけというのは,これもまずい。ですから,正しい知識を持つこと,これが一番大事だということで,私の話を締めくくらせていただきます。