個人的出来事    第67話     2007年1月14日 記 
ニュージーランド日本画第1作目ついに完成
追記(2007年4月14日):筆を加え雰囲気変えた
追記
(2008年7月27日):ターコイズブルーの色はどのようにしてできるか?


『個人的出来事第15話 オーストラリア旅行雑話』でマウント クックの雄姿を機上から望遠レンズで撮った写真で紹介したのは、一年以上も前の2005年11月10日のことであった。ニュージーランド旅行では、その雄大で美しい自然に圧倒され、極度に感動したので、その感動を日本画に託したいと思い続けてきた。そして、とうとう、その第1作目が完成した(4月14日に筆を加えた完成品を先に示し、筆を加える前の作品は末尾に参考までに示す)。

No 題名 制作年 技法
70 マウント・クックとターコイズブルーの湖面 2007年1月14日 日本画第28作目(30号)



私は、この上の一つの絵の中に2つの感動を描き込むことが出来たと自負している。その2つの感動とは、一つは崇高な山の姿であり、もう一つが手前のプカキ湖( Lake Pukaki )のターコイズブルー ( tourquoise blue ) の湖面であった。どういう種類のミネラルによるのか知らないが、心臓につきささるようなターコイズブルーで山も空も一切を映し出すことを拒否した不透明の神秘的な色であった(この色の由来に関してはこちらを参照ください)。この色を再現するのに、私は数ヶ月悪戦苦闘した。そして、ついに、私が感動したあの色を描けたと感じたのは昨年末であった。結局10種類以上の岩絵の具を重ね塗りしたが、その中核に使ったのがトルコ石 ( tourquoise stone )であった。宝石の一種のトルコ石は歴史的には岩絵の具として使用されているが、現在、まれにしか作られず、捜し求めたがしばらく入手出来なかった。京都の放光堂でも今は作ってないとのこと、自分で原石から作るしかないと思っていたところ、渋谷のウエマツで、ウエマツ横浜店に昔作った残りがあると聞き、取り寄せてもらったのであった。私が大事にしているトルコ石の原石を下に示すので、湖面の色と見比べてほしい。


追記(4月14日):筆を加え雰囲気変えた

2007年3月24日から2週間に亘って開催された『第二回納 光弘展』にこの作品を搬入する直前に、湖面にトルコ石岩絵の具のより細かな岩絵の具で上塗りし、遠近感をつけた。それにより、マウントクックの姿までより生き生きとなり、私が描きたかったものにさらに近づいた。その写真を冒頭に示したが、筆を加える前の作品の写真を下に示す。




追記
(2008年7月27日):ターコイズブルーの色はどのようにしてできるか?

この度カナディアンロッキーのスケッチ旅行でやっとこのなぞが解けたのでリンクする。