作品番号No53  日本画第12作目 2005年1月8日完成

夕日に燃える桜島の噴煙
 



約50年前、私が小さかった頃の桜島は休火山に近い状態で頂上に登ることは私達の楽しみの一つであった。ところが私が中学校2年の時、突然大爆発がおこり、登山中の若者に多数のけが人が出て、その中の一人は死亡した。以来、6合目以上へは登山禁止となり今日に至っている。それ以来、約4〜5年間は桜島の噴煙は4〜5千メートル高さまでのぼることが多く、夕暮れ時に爆発が起こると桜島の頂上付近と噴煙の全てが真っ赤に燃え、一方、山の中腹から鹿児島の市内はすでに夕闇に包まれ、明かりが点灯し、その対照的なコントラストが今でもはっきり脳裏に焼きついている。あの時の感動を再現したくて、記憶を頼りに絵筆をとり、日本画の朱一色で描いたもの。『朱の墨絵』とも呼べよう。