おジャ魔女どれみ+α
第48話「友情はいつまでも」
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あいこ「淀川の・・・土手?」
しずく「あ、あそこの橋の上!」
 しずくが指差した先には、こがねの姿があった。どれみたちはこがねの元まで駆けつけた。
こがね「みんな・・・どうしてここに?」
 こがねは驚いたように行った。こがねの瞳は今迄泣いていたのか、少し赤くなっていた。
どれみ「どうしてここにって聞きたいのは私たちのほうだよ。時間になってもMAHO堂に来ないからみんな心配してたんだよ?」
こがね「みんな、私のこと探してくれてたの?・・・ごめん。」
おんぷ「こがねちゃんは、こんなところで何してたの?」
こがね「人間界ってめったに来れる場所じゃないから・・・魔女界に帰る前に思い出のある場所はしっかり目に焼き付けておこうと思って。みんなと荷物の配達を終えた後にここを通って魔法堂に帰ったよね?毎日のようにこの川のほとりを歩いて・・・。時に重い荷物を運ばないといけなかったりしてさ、みんな配達に行くの嫌がってたりしたじゃない?・・・今になって思えば楽しかったなぁ。」
どれみ「こがねちゃん・・・。」
こがね「最後に学校もよって帰りたかったけど、みんなに迷惑がかかるから・・・そろそろ帰るよ。」
 こがねは震えた声でそう呟いた。
どれみ「それならそうと早く言ってくれたら良かったのに。」
 こがねは一瞬間をおいてから顔をあげ、どれみの顔を見た。
こがね「え?」
どれみ「こがねちゃんが最後に寄りたい場所があるんだったら、行ってくれたら良かったのに。」
しずく「学校寄って行きたいんだったら行こうよ。私たちも一緒に行くからさ。」
こがね「でも・・・。」
さつき「私も最後にこがねちゃんと一緒に学校に行っておきたいな。」
あいこ「みんなで最後に行こうや、いい思い出になるで。」
こがね「ありがとう。美空中学校は・・・私にとって魔法堂以上に一番の思い出の場所だから・・・。私にとって苦痛でしかなかった学校のイメージと・・・全然違って楽しいところだったから・・・。だから、最後にもう一度行っておきたかったんだ。」
どれみ「じゃぁ、行こっか。」
 どれみはこがねの手を優しく握る。するとこがねは嬉しそうに笑って頷いた。

***

こがね「みんな、わざわざありがとう。わたしのわがままに付き合ってくれて。」
どれみ「私たち友達じゃない、そんなことおかまいなしだよ。」
 こがねは真っ暗な校庭を歩いて体育館の方へと歩いていった。
こがね「確か学園祭二日めの合唱コンクールってこの体育館でやったのよね?」
どれみ「そういえばそうだったね。」
 こがねは体育館の前の舞台の方へ歩み寄ると、階段から舞台へ上った。こがねは舞台から体育館全体を見回した。体育館は全校生徒と保護者が入ってももゆとりがあるほど広く、天上も高かった。
 こがねは目線の先を天上から舞台の下にいるどれみたちの方に移すと、一呼吸おいてから歌い始めた。
こがね「背高のっぽのひまわりに〜ちょっとだけ追いついた〜キラキラしてた陽射し〜今日はやさ〜し〜い〜♪」
どれみ「このまま〜時間〜が〜止まれば〜良いナ〜♪」
しずく「ギュッとギュッと瞳を閉じた〜緑の風〜の〜中〜♪」

「また会えるけど もう会えないね 光る水しぶき はじけた笑顔 夏がまぶしくて とてもまぶしくて まばたきしても きっと消えない ずっと消えない」

 その歌の歌詞が体育館の中で響き渡った。「夏」だけの思い出ではないけれど、彼女達の心の中にはたくさんの思い出が詰まっている。その思い出はたとえ何があっても消えることはないだろう。

***

こがね「それじゃぁ、もう帰るよ。またいつかきっと遊びに来るから。」
どれみ「うん、私たちも待ってるよ。」
はづき「遠く離れても私たちはこがねちゃんのこと絶対に忘れないわ。」
あいこ「私らは友達やから。あと、ハナちゃんに会ったらよろしく言っといて。」
こがね「ははは、分かったよ。」
おんぷ「こがねちゃんなら魔女界でもきっと上手くやっていけると思うわ。」
ももこ「もしもアメリカに来ることがあったら是非私の家に寄って行ってよ。」
こがね「うん、ありがとう。」
しずく「たった半年だったけど、楽しかったよ。あと藤崎先輩にお元気で、って伝えてくれる?」
こがね「うん。ちゃんと伝えておくよ。」
さつき「私たち、こがねちゃんに会えて本当によかったよ。」
こがね「私もみんなに会えてよかった。みんな、短い間だったけど、本当ありがとう。」
こがね母「またあった時は、この子のことよろしくお願いね。」
マジョラッタ「お前達も元気でな。」
 マジョラッタの言葉を最後に魔女界に通じる扉はゆっくりと閉まった。
どれみ「行っちゃったね。」
しずく「うん・・・。」
あいこ「あれ、そういえば見習いタップ返してしもたから・・・どうやって家帰ろう・・・。」
ももこ「あぁ、そのことすっかり忘れてたよ!」

***

 彼女達は遠く離れてもまた再会できると信じている。現に、1年前どれみたちはみな離れ離れになったが、幾度となく再会することが出来た。
 そしてこれからもまた会えるということを信じ、願っている。
そう、『友情はいつまでも』─

おジャ魔女どれみ+α
-完-




どれみ「再びかけられていた魔女ガエルの呪いもとけ、また普通の人間としての生活に戻ったんだけど・・・。私のきのせいかな?なんだかまた大変なことに巻き込まれる予感が・・・。最新作、『まだまだ!?おジャ魔女どれみ』、もうすぐ始まるよ!」
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