れんぞう流カメラの選び方

これからカメラを選ぶときのポイントを説明するページ
だったが、各社が相次いでフィルムカメラからの撤退を表明。
もはやフィルムカメラは過去のものになりつつある。
ここに取り上げたカメラボディはすべてカタログから消えている。


1.一眼レフフィルムカメラボディを選ぶ

普及機と高級機の違い。

普及機は価格もお手ごろでボディ本体も小型軽量なものが多い。
最近ではこのクラスの機種でも上級機に引けを取らない機能を
持つものもあるが、むしろ使いやすさが特徴だ。
一方、高級機はプロが使うことを前提に設計されているので、高機能
高耐久性が特徴だ。 機能が多いので操作が複雑な部分も
あるが、慣れれば問題はない。
露出の正確さや動作の速さは普及機の比ではない。

 

左、普及機の例、ペンタックスMZ−7。
光っておまかせのわかりやすい操作性が特徴だ。
プラスチックを多用したボディは小型軽量で気軽に
持ち歩くことができる。
何度か使ってみたがほとんどの撮影で
きれいな写真を撮る事ができた。

右、高級機の例、NikonF5。
ニコンのフィルムカメラの最高峰。
大型で重量級のボディは信頼の証だ。
撮影中に万一電池がなくなっても手動でフィルムを巻き戻す
機能にプロ用機のこだわりを感じることができる。


2.レンズを選ぶ

ズームを選ぶか、単焦点を選ぶか。
各カメラやレンズメーカーのカタログを見ても現在の主流は
ズームレンズである。
従って、通常はズームレンズを選ぶことになるだろう。

レンズにも普及品と高級品があり予算や目的によって
選ぶことになる。



ニコンの望遠ズームの比較。
この2本の価格差は約7倍である。

普及レンズはやはり手軽な価格と比較的小型軽量な
ことが特徴だ。
一方、高級品は視界が明るいのでマニュアルでのピント
合わせがしやすく、ピントリングの操作性も良い。

  


左が普及レンズでの作例で、右が高級レンズでの作例だ。

条件によっては、あまり違いが分からない場合もある。
最近の普及レンズでは高級レンズにせまる高画質のものもある。
高級レンズが特に威力を発揮するのは、逆光の場合や作品を
大伸ばしする場合で写真の周辺部の画質に差が出る。



単焦点レンズの例
Nikon 85mm F1.4D
ポートレートなどに使う大口径レンズだ。
開放では極端に浅い被写界深度を生かした
作品作りをするが、慎重にピント合わせをしないと
大量のピンボケ写真を作ることになる。


3.コンパクトカメラを選ぶ

  

コンパクトカメラの例
左、Canon IXY かつて一世を風靡したAPSカメラだ。
コンパクトでスタイリッシュなボディが人気を呼んだ。
しかし、このクラスのカメラはデジタルに移行しているようである。

右、MINOLTA TC-1 一時静かなブームになった高級コンパクト
カメラの人気モデルだ。 G-ROKKORレンズと手動式完全円形
絞りで高級一眼レフに迫る美しい描写が特徴だ。




4.デジタルカメラを選ぶ

メーカーの生産はデジタルの比率が高くなっていて
コンパクトカメラではほとんどがデジタルになってきているという。
販売店でもコンパクトデジカメは百花繚乱の様相を呈しているようだ。

僕の考えでは、コンパクトデジカメを選ぶ場合、予算の範囲で
デザインで選んでも良い、と思っている。

一眼デジカメの現状。

発明されて100年以上の歴史があるフィルムカメラとの
画質の比較では、フィルムカメラに一日の長があるが、
このところ一眼デジカメの性能向上は著しく撮影後の画像処理や
カメラダイレクト機能を持ったプリンターとの組み合わせでは
圧倒的な機動力を発揮する。
またカメラ内部の画像処理回路が高性能なので
同画素数のコンパクトより画質が良い。

 

左 一眼デジカメの例、Canon EOS10D。
発売後約1年、低価格高性能な下位機種の出現でも威光を放つ存在感。
クラス最高の画質を誇るCanonの代表機種。
4ツ切りのプリントではドットが目立つことはなかった。

右 コンパクトデジカメの例、Panasonic LUMIX DMC-F7。
ライカ認定レンズ採用のスタイリッシュデジカメだ。
ポケットに入れてどこにでも持ち歩ける手軽さが魅力である。

  

左、高級デジカメの作例。
緻密で滑らかな描写が特徴だ。 被写体の質感が見事に
再現されている。

右、コンパクトデジカメの作例。
ストロボ発光禁止モードにして撮影したものだが
港の夜景がきれいに撮れている。
ただ、画素数が少ないため写真にする場合は2L判までだが
一般的には問題ないだろう。
通常の写真の縦横比とは違うようだ。


5.特徴あるレンズを選ぶ

高倍率ズームレンズを選ぶ

最近では10倍を超えるズームレンズが手ごろな価格で
買えるようになってきた。
しかも高画質で小型軽量なので装備を軽くしたい向きには
おすすめのレンズだ。 これ1本でもかなりの撮影ができる。

  


高倍率ズームレンズTamron 28-300 F3.5-6.3XRとその作例。
300mm域で撮影。 f16オート カメラCanonEOS-1N
春がすみで、夕日がぼんやりしていたが程よいコントラストが
得られた。


超広角ズームレンズを選ぶ

フィルムカメラでも使用できる超広角レンズは人間の目を超えた
非日常的な画角を写しこむことができる。
引けない場所での撮影に威力を発揮するが、
大きくデフォルメされた写真にこそ、このレンズの真価がある。

  

超広角ズームレンズSIGMA 15-30 f3.5-4.5DG
15mm域で撮影。 f16オート カメラCanonEOS-1N
日が沈み切った中での長時間露出撮影である。
この作例では日が沈んだなかでも高いコントラストと
豊かな階調を得ることができ広角のシグマの面目躍如だ。


最近はデジタル専用の超広角ズームも発売されているが
これは、イメージサークルをAPSサイズに合わせて
いるので、35mmフィルムカメラでは使用できない。


6.特殊レンズを選ぶ



対角線魚眼レンズの例
Nikon Ai-AF NIKKOR 16mm F2.8D
画面の対角線の画角が180°のレンズ。
広い範囲を写しこむ場合のほか、被写体を極端に
デフォルメして撮影する場合に用いる。
撮影に際しては自分の足や三脚が写りこむ場合が
あるので気をつけなければならない。




PCレンズ
Nikon PC-MICRONIKKOR 85mm F2.8D
光軸をずらしたり、傾けたりして画面のひずみを
とったり、被写界深度に変化を与える。


絶対やってはいけないこと。

よく見たり聞くことだが、カメラを買ったときに
プレゼントのカメラバッグに入れたまま押入れ
などにしまい込むこと。

たまにしか使わない場合は、カビが生えやすく
なったり、押入れの防虫剤の影響でゴムや
プラスチック部品を痛めることもある。


カメラを長持ちさせるコツ

日常的に使うことがもっとも良い方法だが
一般的にはときどき使う人が多いだろう。
その場合は、電子防湿庫に保管するのが
最良の方法である。
予算やスペースの関係で無理なら密閉
できる容器に乾燥剤と一緒に保管するのも
よいことである。


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